徒然なるままに…建築家のボヤキ。。。

I・N設計スタジオ ブログ

ボルダリングのあるイエ物語-3

2024-02-28 08:03:58 | 建築家との家づくりの流れ
 かくして、ご主人が呟いた一言でコンセプトが決まったボルダリングのあるイエ。

 その一言を言わせるためにヒアリングをしていると言っても過言ではない。

 

 この一言を胸に刻み立案作業。ファーストプレゼンに向かってペンと共に頭を巡らせる。

 建て主夫婦の要望書を何度も読み返し、ボルダリングホールドを設置できるような壁をどこに配置するか…。

 そして頭の中で構想がまとまった段階でパソコンに向かった。

 私は最初からパソコンには向かわない。

 構想を練る時はペンとトレーシングペーパーと対峙するアナログでの志向。

 昔の人間と言われそうだが、ずっとこの方法でやってきているし、その方が性に合っているようだ。

 CADで図面を描き始めて約一週間。図面を3D化しデザイン検証。微調整しては3Dでチェック。

 3Dの中で納得すると次は模型製作に移行する。

 昔は自分で作製していた模型も、老眼が進んだ今現在は細かい作業の精度がイマイチ。

 ということで、ここ数年は模型製作はアルバイトや助っ人にお願いしている。

 さて、図面、3D、模型とファーストプレゼンに向けた三種の神器がそろった。

 いよいよプレゼンに臨む。

 ~つづく~
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ボルダリングのあるイエ物語-2

2024-02-22 08:17:14 | 建築家との家づくりの流れ
 資金計画の目途が立った若夫婦は安どの表情を浮かべ、再度家づくりの相談を進めていった。
 
 先ずは土地の購入。子育て世代の若夫婦が希望している場所、土地購入の予算等をヒアリング。

 

 不動産屋さんに当たることはもとより、不動産情報誌や金融機関からの情報入手についてもアドバイス。

 今気になってる土地の件も相談に乗る。

 一通りの相談に回答しその日は事務所を後にした若夫婦。

 それから連絡があったのは、3~4か月たった日だった。土地を決めたので設計に入りたいと。

 購入した土地は、以前会ったときに気になると言っていた土地だった。

 最初に会ったときにヒアリングした内容のおさらいと再ヒアリングが始まった。

 どんな家にしたいか、新しい家でどんな暮らし方をしたいか。

 色んな会話の中からキーワードを見つける作業。

 雑談の中から見つけることが多いキーワードだが、今回も雑談の中からだった。

 若夫婦が出会ったきっかけはスポーツだった。

 二人は体を動かすことが好きで、学生時代も運動部に所属し切磋琢磨していた。

 そんな若夫婦から「気軽に運動できて遊べる家がいいな」と言葉をもらった。

 気軽に遊べる…運動…そんな中からご主人が「ブランコがあったり、よじ登れる壁があるとか…」

 ポツリと呟いたご主人の一言。

 「ボルダリングウォール作りましょうか!」

 私が咄嗟に発した言葉がこれ。

 若夫婦も同調し、でこの家のコンセプトがが決まった。

 ボルダリングのあるイエがここから産声を上げたのであった。

 ~つづく~
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ボルダリングのあるイエ物語-1

2024-02-16 08:11:27 | 建築家との家づくりの流れ
 以前書いたブログを紐解き、建て主と建築家の家づくりに関する物語を再度綴ってみたいと思います。
 
 まずは2022年に完成した「ボルダリングのあるイエ」の物語です。



 2022年6月に完成引き渡しを終えたボルダリングのあるイエ。

 建て主のご主人は10数年前からの知り合い。ご主人のご両親と私は同世代で高校の先輩後輩という間柄。

 家づくりの相談に私を頼ってきたのは必然の流れだった。

 

 最初に会ってヒアリングを行い、若夫婦の住宅に対するかかる費用や資金計画の理解度が少し低かったと感じた。

 ご主人の職業を考えればもっと借りられるし返せると思った私は、先ずライフプランニングを行うことをお勧めした。

 人生に一度の家づくり。資金計画は大事な要素だし、避けては通れない道。

 すぐさま知り合いのライフプランナーに連絡を取った。

 ライフプランニングとは、今現在の家計簿を見える化し、これからの家族構成を想定しながら40~50年先までの人生の収支計算をしていく作業。

 ライフプラングって何?から始まった第1回目。1回目はライフプランニングの説明と必要性を説き終了。

 2回目から徐々に本丸に進んでいく。

 建て主の経済状況の把握作業には、夫婦お互いの収入、家族の月々の支出をライフプランナーに報告していく。

 時には領収証、銀行の通帳から口座引き落とし額や、実際につけいている家計簿を細かくチェック。

 今後子供は何人欲しいか。子供は大学に入れたいか?その大学は国立か、私立か等々…。それによって子供の教育費も試算。

 そしてその中には、家づくりの資金計画も含めて収支計算をしていく訳である。

 3回に渉るライフプランニングから、この家族の家づくりの資金計画を含めた人生設計ができた。

 この夫婦、住宅ローン返済を含めた人生収支設計で赤字になる年がないことが判明。

 ライフプランナーも住宅建設に太鼓判を押した。

 さて、住宅資金がクリアになった上で、どんな家を建てたいか、規模やこだわる部分等を改めてヒアリングを行うこととなる。

 ~つづく~
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スッキリとメンテナンス

2024-02-09 08:18:15 | 今日のひとり言・雑談
 昨年10月末ぐらいから数日前まで、打合せやら図面作成やらでバタバタ奔走していました。

 プライベートの会合中も仕事の電話が数本入り、うわの空で会議の内容が全然頭に入らず…何てことも。

 そんな日常もとりあえず一旦区切りを迎えた。

 とは言っても、小休止程度の一区切り。

 すると…11月に予約していた歯のメンテナンス(クリーニング)をサボっていたことに気づく。

 スマホのスケジュールにも入力されておらず、スルーしていたのである。

 

 何故気づいたかというと…財布の中の領収書を整理しようとしたら、歯医者さんの診察券がポロリと落ちた。

 診察券の裏には次回のメンテナンス日が記載されている。

 よく見ると11月の日程に愕然。行ってないよな…と頭によぎった。

 急いで電話を入れたら、やはりサボっていたのですぐに予約。

 そして昨日メンテナンスをしてもらった。スッキリ。

 ついでに散髪にも行きダブルでスッキリ…。

 またこれから一山、大きな山が来月に待っているのです。

 小休止でスッキリし、大きな山に臨みます。
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主のいないお店に久しぶりの訪問…

2024-02-01 08:18:18 | 建築つれづれ…
 先日ランチにカレーを食べに行った。

 1か月に1度しか開店しないお店、「ブレーメン」

 店主が昨年亡くなり、店主と仲の良かった方が1か月に1度「ブレーメン」を開いてくれている。

 このお店、私が8年ほど前に設計させてもらったお店です。

 席に座り、ぐるりを店内を見渡す。

 当時と何も変わってない。

 唯一変わったのは、店主がいないこと…。

 仮の店主が気さくに声をかけてくれる。

 注文は勿論、この日の為の特性のカレー。

 

 元店主の息子さんが長野で飲食店をやっていて、仮店主と息子さんが打合せして作った創作カレーです。

 ゆずの香りが際立ち、麹も効いているカレー。

 珍しい味にスプーンが進む。

 もう主(あるじ)はいないお店だが、主のスピリッツは生きているお店だった。

 マンマ、また顔出しますね…。
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