トドクロちゃんと山登り

自然が好きで日本アルプスと近郊の山登り。
高山植物や四季折々の花を愛で。
史跡・歴史・ドライブがすきな自由人です。

新穂高から西鎌尾根で槍ヶ岳へ 3/3   (西鎌尾根で槍ヶ岳そして下山)

2017年07月26日 | データ
※3部構成
新穂高から西鎌尾根で槍ヶ岳へ 1/3 花編
新穂高から西鎌尾根で槍ヶ岳へ 2/3 新穂高〜双六
新穂高から西鎌尾根で槍ヶ岳へ 3/3 西鎌尾根〜槍ヶ岳〜下山

■2017.07.21 いよいよ西鎌尾根へ

早朝のアクシデントも「打ち身」と判断し行けると決定。ただし、右足の大腿四頭筋は使えない。

05:32 双六小屋出発。

樅沢岳へは登りで更なる状況を検証。
やはり右足は無負荷で曲げる事とつん立ちの支点としては機能するので登り下りの筋肉は左足とストック経由の腕力で何とかなりそうだ。
日頃レッグプレスで200KGを280回鍛えているから行けるっしょ。

痛み止めは取り敢えずやめておく。

双六小屋と双六岳。

三俣蓮華岳、祖父岳、鷲羽岳

もう少し上がると、中央一番奥に薬師岳が見える。

06:08 樅沢岳。
登りはコースタイムより少し早い。
鬱血無し、腫れ少し、筋肉使用時は激痛で全く踏ん張れないのでこの筋肉を使うのを止める。
使わねければ大した痛みではない。

ここまでは以前来たことがあります。
ここから先は初めてのルートとなる。

笠ヶ岳への稜線。
天候がよければ初日は笠ヶ岳。

1823年播隆上人が笠ヶ岳を再興、その頂上からの神々しい槍ヶ岳の姿を臨んで槍登頂の大願を起こし、5年後に槍ヶ岳を開山。これにちなんだルート設定もしていた。

ズームで大キレット

焼岳、乗鞍、御嶽も見えます。

残雪と北鎌尾根・槍ヶ岳

静かで絶景な西鎌尾根、この登山者と抜きつ抜かれつ。

来た方面(双六)。
今回の全ルートの累積標高差は3,000mを越しますが南ア好きの私としてはちょろいもんです。

右俣乗越。

何度も雪渓をトラバースしますがアイゼンは不要。
軽アイゼンは持参。

北穂から西穂までの稜線。

尾根の右だったり左だったり。

09:12千丈乗越。
一部難所と言われる場所も有りましたが問題ありません。
反対ルートの登山者が新穂高側の斜面に熊がいますと教えてくれましたが見かけませんでした。
そりゃ山です、熊だっていますさ。

硫黄岳の赤茶けた色が不気味ですが奥に控える峰々は素晴らしい。
ここから見えるピークは全て踏破済です。

西鎌尾根の綺麗な稜線ですね。

飛騨沢からガスが湧いてきました。

槍の山頂をズーム。
小槍に取り付いているパーティーがいます。
アルペン踊りでもしたのでしょうか。

槍の西鎌尾根起点到着。
起点からの槍。

ガスと追いかけっこ。

10:40 槍ヶ岳山荘
全体的に登り気味なのでコースタイムより若干早い。

信州側の風が追い返してくれます。
これは槍沢。

大喰岳と前穂。
ここから南岳までの稜線も良かった。

穂先までは空いています。

さあ2度めの登頂へ、小屋でヘルメットを借りて(\500)登りましょう。
腕2本と足1本で。

10分程で山頂です。
後ろの見えるのは北鎌の独標
取り付いているパーティーは見えませんでした。

下を見ると、槍ヶ岳山荘。
飛騨沢からのガスを上高地側の風が追い返しています。

常念岳方面も安曇野側の雲を押し返しています。

さあ降りましょう。

西岳方面、残りの百高山が3つあります。

槍の上部をズームすると

テレビの撮影隊も入っている。

静かな西鎌尾根から喧騒の槍ヶ岳。
これだけ人が多いと下界と変わらず緊張感と冒険心は無くなる。

11:54 飛騨乗越から下山開始。
ここからだダラダラ下りで大変、左足だけの尺取り虫歩き。当然2歩で移動できる距離を4歩必要となり時間もかかる。
標高差を全て左足の筋肉で受け下山しなければならない。
それと変則歩きで間接など傷めないようにして・・・

15:15 槍平小屋。
コースタイム2時間40分の所、3時間20分も掛った。下山の得意な私なら1時間40分の所を倍かけた事になる4歩÷2歩=2倍だから当然です。

中腰姿勢を多用するテント設営を諦め小屋泊まりに変更。
一泊夕食のみ\8100。

夕食までの時間に露で濡れたテントを乾かし明日の為にザックを少しでも軽くする工夫をする。
そして筋肉が固定化しないように入念にストレッチ。

ただ困った事に食事は座敷座り。
無負荷でも無理して90度まで何とか曲がる状態。
仕方なく受付の椅子でいただく。

更にトイレが日本式で・・・・右足を伸ばしたままトイレで三点確保。
今回一番の核心部でした。

そして談話室では登山者同士山談義で話に花が咲く。

■2017.07.22 最終日。

翌朝は自炊で日清焼きそば1.5とポタージュスープ。
少しの水(300ml)で作れる高カロリー(741kcal)食品の優れもの。
そして美味しい。

朝食でこれだけ食べれば途中の行動食は不要。

足の状況は鬱血もなく腫れも僅か悪化無し。
ただし腕は筋肉痛で多少戦力ダウン。

残り10kmあるのでそれなりの時間は掛かる。

05:50 槍平小屋


06:54 藤木レリーフ
藤木九三:北穂高岳滝谷の初登攀に成功しRCCを発足。

滝谷出合
奥のぽっこりは滝谷ドーム。

ここは小説「氷壁」で主人公が落石で無くなる所です。

10:30 新穂高
コースタイム3時間30分の所を4時間40分。

下山届を提出時し駐車場へ。

足のリハビリもしたいので人が少ない深山荘の内湯へ(思った通り貸し切り)

ここで冷水で冷やしたりストレッチしたりで30度程度の低負荷稼働域が生き返った。
これなら車の運転も大丈夫。

アクシデント後のリカバリーも日頃のトレーニングの賜物で山行計画自体には影響は出なかった。
北アにしては静かな西鎌尾根は天候にも恵まれ槍を目指して登れる良いルートです。

ドライブステーション板蔵で高山ラーメンを食し漬物を買い帰路に着く。

これで後立山の栂池から槍ヶ岳まで繋がっていないのは
「蓮華岳〜船窪〜烏帽子岳」だけとなりました。

ここは紅葉の時期が良さそうなのでその時期の晴天を目指し行きたいと思います。


■登山靴の紐で転倒に関する危険■

1.登山靴の左右のひもとフックがひっかかって転ぶ

結構色々な事例がありますね。
・険しい登山道でなく他の部位は無傷で逆に幸運だったようです。

ザックでも同様の事が起こりうりますね。

さあ考えて対策します。


■コースタイム
1日目
山行:7時間27分(休憩:39分)=合計: 8時間6分
新穂高04:45→わさび平小屋06:26→06:47小池新道入口→07:42秩父沢出合07:51→08:10チボ岩→08:36イタドリが原→09:18シシウドヶ原→10:15鏡池→10:20鏡平山荘10:32→11:36弓折乗越11:42→12:01花見平→12:17くろゆりベンチ→12:51双六小屋泊

2日目
山行:8時間43分(休憩:1時間)=合計:9時間43分
双六小屋05:32→06:08樅沢岳→09:12千丈乗越→10:40槍ヶ岳山荘11:40→11:54飛騨乗越→13:21飛騨沢千丈乗越分岐→15:15槍平小屋

3日目
山行:4時間40分(休憩0)
槍平小屋05:50→06:54藤木レリーフG→10:30新穂高

新穂高から西鎌尾根で槍ヶ岳へ 2/3  (新穂高〜双六)

2017年07月26日 | データ
※3部構成
新穂高から西鎌尾根で槍ヶ岳へ 1/3 花編
新穂高から西鎌尾根で槍ヶ岳へ 2/3 新穂高〜双六
新穂高から西鎌尾根で槍ヶ岳へ 3/3 西鎌尾根〜槍ヶ岳〜下山

■2017.07.20-22 久々に北アでも行こうとまだ未踏破の西鎌尾根を目指す。予定した後半の天候が優れないため、当初予定より一泊減らし二泊三日で廻る。

自宅を0:30に出発、新穂高の登山者専用無料駐車場を目指す。(途中30分程ロス)

4:20駐車場着、既に7割は埋まっていた。
また、林道の駐車スペースも駐車禁止となっていることと昨今の登山ブームで駐車場確保が厳しくなっている。

準備をし4:45分頃歩き出す。
登山届を提出、しばらくは林道歩き。

06:26 わさび平小屋。

06:47 小池新道入口。ここから本格的な登山道となる。
双六小屋の経営者であった小池氏により1955年(昭和30年)開設。
私の生まれる少し前ですね。

07:42 秩父沢出合
雪渓からの冷風で涼しい場所です。お決まりの日本手拭で汗を拭き取りスッキリ。

雪が溶けた場所にはサンカヨウがまだ咲き始めである。
08:36 イタドリが原

雪渓も何度か渡り標高を上げて行く。
10:15 鏡池。槍穂の絶景ポイント

斜光(早朝、夕方)で無いのが残念だし池に波が立っているのも残念。

鏡平小屋。秋にここを目的地とし宿泊するのも撮影には最高の場所です。
さすが平日。

このルートとにかく暑い。
したがって何時もこれとなります。500円
尖っているのはかき氷だけではなく、背景の槍も・・・・

静かな鏡平小屋を後にする。
ここからが伊吹山の登山道と同じで灼熱地獄となります。

ズームで槍ヶ岳を一枚。

稜線に出ると涼しくなります。
そして双六岳が・・

そして今回のメイン、「槍ヶ岳から西に伸びる西鎌尾根」
槍ヶ岳は四方に尾根を伸ばしている東西南北に、東鎌・西鎌・槍穂高・北鎌の四稜がそれだ。

深田久弥は好きでないが
彼の『日本百名山』の中で
富士山と槍ヶ岳は、日本の山を代表する2つのタイプである。(中略)一生に一度は富士山に登りたいというのが庶民の願いであるように、いやしくも登山に興味を持ち始めた人で、まず槍ヶ岳の頂上に立ってみたいと願わない者はないだろう。

とある。

双六池、双六小屋の奥には鷲羽岳、水晶岳。

12:51 双六小屋。
小屋で幕営の受付しそこから鷲羽岳方面を
雲が湧きだした。

テント場。
真ん中のオレンジ、エアライズ2が本日のお宿です。
雲は広がるばかり。
双六岳からの槍撮影は断念。
双六岳飛行場を撮りたかった。

深夜、満点の星★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆。
新月でもあり天の川撮影には最高の夜となる。
実際はこんなもんでは無いです。

私のカメラでは役不足で三脚持ってきてないので。
夜半冷え込みインナーダウンパンツを履きこむ。

■2017.07.21 早朝夜明け前。

燕岳稜線から御来光。

レーザービームが山々を照らす。

雪渓にも。


小屋前での撮影を終え、テン場まで戻る途中にアクシデントが。

登山靴の紐が他の靴のDフックに引っ掛けりコケた。
右足の大腿四頭筋上部を階段部補強の丸太に痛打。
とっさに両手が出て止めたのでそれ以外は大丈夫。

原因は簡易に止めていた紐が少しめくり上がったズボンから出ており引っかかった模様。

山でヒヤリハットを実践していたが初めて墓穴を掘った。

後半に続く。

■コースタイム
1日目
山行:7時間27分(休憩:33分)=合計: 8時間6分
新穂高04:45→わさび平小屋06:26→06:47小池新道入口→07:42秩父沢出合07:51→08:10チボ岩→08:36イタドリが原→09:18シシウドヶ原→10:15鏡池→10:20鏡平山荘10:32→11:36弓折乗越11:42→12:01花見平→12:17くろゆりベンチ→12:51双六小屋泊

2日目
山行:8時間43分(休憩:1時間)=合計:9時間43分
双六小屋05:32→06:08樅沢岳→09:12千丈乗越→10:40槍ヶ岳山荘11:40→11:54飛騨乗越→13:21飛騨沢千丈乗越分岐→15:15槍平小屋

3日目
山行:4時間40分(休憩0)
槍平小屋05:50→06:54藤木レリーフG→10:30新穂高

新穂高から西鎌尾根で槍ヶ岳へ 1/3花編

2017年07月25日 | データ
※3部構成
新穂高から西鎌尾根で槍ヶ岳へ 1/3 花編
新穂高から西鎌尾根で槍ヶ岳へ 2/3 新穂高〜双六
新穂高から西鎌尾根で槍ヶ岳へ 3/3 西鎌尾根〜槍ヶ岳〜下山

■2017.07.20-22 恒例の夏山縦走へ。

天候の良さそうな西鎌尾根から槍ヶ岳を目指す事に。
特に西鎌尾根の稜線散歩を一番の目的としたのでこの稜線を縦走している時の天候が一番重要です。

山行記録はゆっくり書くとしてまずは植物編を御覧あれ。

※わさび平〜双六小屋
・エイレイソウ(延齢草)

・サンカヨウ(山荷葉)
雪渓の消えた後に沢山群生していました。私の好きな花です。
標高の低い場所では既に実になっていました。(実は食用になり甘いらしい)

・ツガザクラ(栂桜)

・ミツバオウレン(三葉黄蓮)

・ミヤマキンバイ(深山金梅)

・ショウジョウバカマ(猩々袴)

・キヌガサソウ(衣笠草)
花の色は白〜紅色を帯び最後は緑色に変わる。

・オオバミゾホオズキ(大葉溝酸漿)
この花を見つけると水場が近い。

・シナノキンバイ(信濃金梅)
黄色の部分は花ではなく萼なんです。

・ハクサンイチゲ(白山一花、白山一華)

・ミヤマダイモンジソウ(深山大文字草)

・槍を背景にハクサンイチゲ

・槍を背景にシナノキンバイ

・ミヤマクロユリ(深山黒百合)


※双六〜西鎌尾根〜槍
・クルマユリ(車百合)

・ハクサンチドリ(←修正)

・シナノキンバイ

・ミネウスユキソウ(峰薄雪草)

・朝露のミヤマクロユリ(深山黒百合)

・チシマギキョウ(千島桔梗)

・ミヤマオダマキ(深山苧環)

・イワツメクサ(岩爪草)


長いこと山を登っているどんな所にどの花がありそうかは自然とわかってくる。
雪渓が溶け出すと一斉に花が咲きお花畑もできあがる。

僅かばかりの季節に花は精一杯の彩りで種の保存を脈々と続ける。

辛い登りでも花を見るとホッとするのは私ばかりではない。


南木曽岳は「いいお山」です

2017年07月09日 | データ
■2017.07.07 この時期どこの山を登ろうか色々チョイスし伊吹山のつもりで早朝起床。
早朝の天気チャンネルでは伊吹山は曇り空模様・・
で急遽行き先を変更、9年振りの南木曽岳へ行く事にした。

出発時間を少し早めて4時過ぎに家を出る。
一部高速を使うが90%は下道で交通費を抑える。

7時頃に登山口へ到着。
駐車場にはまだ車は止まっていない本日一番乗りか?

登山口の登山届用紙が切れており届は出せなかった。
協力金の200円を入れ、トドクロちゃんに行き先を変更した事をメールする。

暑さ対策をしてきたが意外と涼しい。
登山口で標高約1,000m近くあるので当然と言えば当然。

伊吹の灼熱地獄とは雲泥の差だ。

山麓には南木曽山麓あららぎキャンプ場があり、何度となくオートキャンプで利用したことがある。
南木曽町は歴史や文化、自然が豊かで色々な分野で訪れている。特に温泉はお気に入り。

7:15分 避難小屋

何年か前に集中豪雨の爪痕は登山道にも大きく影響していた。

樹林帯に入ると沢音や小鳥のさえずりが環境音楽のようで心地良い。
登山道脇には大きな花崗岩も至る所にある。

ここは左側の岩場を。

9時頃、三角点のある山頂に到着。

木漏れ日も程よく、清々しい。

山頂の祠に賽銭を入れお参り。

見晴らし台までの途中の朽ちた木々。

展望が開けると避難小屋と中央アルプスが見える。

見晴らし台。

ザックを木陰のベンチに置き、しばし眺望を楽しむ。

中央アルプス。
山頂部には雲がかかっているが山容で山座同定はできる。
一部の前衛峰以外はすべて何度となく登っているからだ。

御岳、乗鞍、穂高槍方面。
こちらも山頂部に雲がかかっている。
ここも同定はできる。

結局ここ南木曽岳で大正解だったようです。

遅めの朝食と言うよりブランチでカップ麺を。
椿大神社(ツバキオオカミヤシロ)の箸が丁度良く、山で使っている。

虫も意外と少なく気にはならない。
食後はコーヒーです。

この山は林道歩き、樹林帯、渓流、チョッとした岩場、笹原、避難小屋、バイオトイレなど色々な要素があり見直しちゃった。
山頂で1時間過ぎたあたりで本日初めての登山者が登ってきた。
単独行の若い女性で山登りを始めたばかりだそうです。

おやじギャグを交えながら会話が弾む。

摩利支天の展望台。

岩の上から恵那山を眺める。

日差しも強くなるが緑のカーテンが日差しを和らげてくれる。

山頂から1時間ほどで登山口に到着。

実は夫婦で本格的な山登りはこの南木曽岳からでした。
あの頃は冬山までやるとは考えもしなかった。

下山後は「あららぎ温泉」です。
ゆっくり桧の湯船に浸かり本日の山行を振り返る。
一杯飲みたい所をグット我慢して・・・・

■コースタイム
登山口7:15→9:45南木曽岳山頂11:00→12:17登山口