ふろしきを通して伝えたいのは、
「じぶんで生み出そう!」ということです。
結ぶだけで、一から何でも作りだす風呂敷は、
最もお手軽なDIYともいえましょう。
今夜、日暮里のイラン料理屋さんザクロで、
ムサ美時代からの同級生とご一緒しました。
そこで、お土産の手づくりお菓子をいただきましたが、
カゴのない自転車に乗ってきた僕は、
紙袋の持ち手に、風呂敷をたたんだ帯を
通して組み合わせ、ななめがけにしました。
さらに、前回このお店に置きわすれた傘もあって、
それはくるくると風呂敷で巻いてから背負い、
無事に問題なく帰路につくことができました。
そのように、中身と事情にぴったりとフィットした
機能的なカバンなりリュックを、その場で
1分足らずで完成させられます。
決して職人技ではなく、誰であっても、やさしい技と
その組み合わせで再現できます。
そんな、まほうのような生活技術文化、
ふろしきマジックですので、
このごろは、16年近くつづいている愛称
(ふろしき王子)と別に、
「ふろしき大まおう」と呼んでくださる友人が数名いまして、
今夜は、英語にしたらどうなるか、なんて話しながら
「ふろしきデビルキング」だなんて盛りあがってました。
デビルは破壊の象徴で、こわし屋でもありますが、
新しいものを生み出すには、まずは片付け、整理、掃除、分解が必要。
風呂敷でいえば、ほどく作業です。
ほどかなければ、次のものを結べない。
好きなものごとを追究するまえに、
嫌なことをしないのが大切。
嫌なことは問題として解決し、プラスでなくてもよいから、
ニュートラルに調えたい。
そのために、よどみ腐った塵芥に風を入れて
丁寧に吹きとばす律動の嵐。
それがたぶん「ふろしき大まおう」なのだろうと、
いつもの後づけさくさくの解釈で、心あらたしく
お日さまを目指してゆきたいと思います。
デビルやまおうというと、闇のイメージですが、
日蔭や暗闇のやさしさというものもあり、
逆に太陽のひかりも強ければじりじりとダメージになります。
日本では、湿度が滞ればカビ腐っていきますので、
そこにひかりと風をあてて掃除する分解者としての
大まおうの役を、はたす。
そんなこんなわけで、DIYをしやすくするために、
場所を塞いでいる物たちを片付けるのが先決であり、
ふろしきはいつでも、用が済んだらほどくことで
その循環を体現しているといえます。
風呂敷の本懐は、結ぶばかりではなく、
ほどいて無に帰する建設的な破壊。
結ぶ→つかう→ほどく を
永遠に巡りつづけます。
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