形があるようで、実際につかうときの形は不定である風呂敷ですが、
三角に折って、角からパタパタたたんでいくことで帯となり、
これで腰を締めておくことをおすすめします。
帯はきものがはだけないように留めるもの、というのは
その機能の4分の1であり、さらに重要な機能が秘められている。
ご存知チャイナドレスは、両脇にスリットがありますが、
元々は満洲族の服で、その下にはズボンを履きます。
さらにモンゴルの民族衣装にまで遡ることができますが、
そこでは帯を巻いています。
形の似ているベトナムのアオザイは、
チャイナドレスというか満服(旗袍)を参考に
デザイナーがつくったといわれていますが、
旗袍の生地を現地の氣候向きに、薄手で涼しいものに
変更したようなものと考えられます。
現チャイナドレスは、体型に即したような
ラインを見せるために洋裁の技術でできていますが、
もとの旗袍(チーパオ)はゆったりとしているので、
布本来の、四角いまま生かす縫製技術でしょう。
また、前者ドレスは脚を出しますが、後者はズボンです。
満洲の冬はとっても寒いのです。
満州と書かれることが多いですが、本当は「洲」です。
合衆国の州ではなく、三角洲の洲であり、
川や湿地も多い潤いに恵まれた土地の意味もあります。
そのため、稲作も盛んですが、
元々の満洲民族は狩猟がメインで、森もあります。
民族的に、モンゴルは親戚のようなものといわれますが、
そちら側(大興安嶺山脈より西)の草の高原こそが
遊牧民のステージとなります。
話をもどすと、そういうわけで
チャイナドレスのスリットは、遊牧民が
馬にまたがるために脚をひらきやすくする目的であり、
つめ襟は、寒風の吹き込みを防ぐため。
そこは満洲族の旗袍もモンゴルの服も一緒ですが、
違いはというと、モンゴルでは旗袍の上に帯を締めているスタイルです。
ここで、なぜ帯を締めるか問題なのですが、
旗袍(チャイナドレスをゆったりさせて、下にズボン。キョンシーの服も形は同じ)
だけでも、着物とちがって帯がなくてもずれることはありません。
だのに帯するのは、馬に関係があります。
ちなみに一節によると、人類がまだ裸に近い状態で
暮らしていた時代や地域でも、帯はしていたといいます。
帯や縄をするのは、海女さんのように、狩猟道具などを
挟んだり引っかけたりということで、
両手は使いやすく自由にしておくことは、
昔はもっと大事なことだったのかもしれません。
馬にゆられて、胃も揺さぶられると、
消化不良につながったり、下方へ伸びて胃下垂の原因にもなる。
そこで、日常的に乗馬をするモンゴルの民族は
帯をする必要に迫られたということです。
きものは日本の伝統的な民族衣装と、今ではなっていますが
縄文時代までさかのぼっていくと、ポンチョのように
頭を通してかぶる、貫頭衣になります。素材は大あさや苧麻や葛布など。
現在の着物のかたちは、大陸の絹の文化と多湿の風土に合わせた風とおし、
騎馬民族の帯など、いろいろ混ざりながら変化してできている。
米食は胃下垂になりやすいため、胃を支える帯は理に適っています。
ご飯は水に沈むので、胃を下げやすい。
肉類は脂肪もありますし、胃酸で分解されて意外と早く
フワフワになるのですが、
ご飯はよく噛まないと沈み、腹持ちはよくなりますが胃も沈みやすくなる。
そんなわけで、短い昼休みにお米を早食いしがちな現代日本人こそ、
腰に帯を締めたらよいと思っています。
締める高さも、胃を下から支えたいわけなので、
ウエストよりも下がよいです。上に締めるとかえって胃を下げかねませんが、
その前に、窮屈であまり食べられなくなり、とにかく苦しくなってしまいます。
ところが、普段着にきものの帯を巻くというのは、たとえ
半幅でも、角帯でも、へこ帯であってもかさばってしまうので、
中~大ふろしきを斜めにたたんだものが都合よく効果的。
バイアスの伸縮によって、一周でもきちんと締まりますし、
ゴムのような終わりなき圧力がないので、血流やリンパの流れの
促進にも貢献すると思っています。
ふろしきがなければ、バンダナやハンカチをたたんだものを、
短ければ2本以上つなげると間に合います。
そういう、見えない部分でも基礎として整えておくことで、
身体のパフォーマンスや制御、負担軽減などに生かされることでしょう。
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