擂ライを追加しました。
畾 ライ・ルイ 田部
解字 田の字を三つ重ねたかたち。同じものが重なる意味を表す。この字で田は土地ではない。始まりは雷ライの篆文・靁(雨+畾)に由来するようだ。この字で田三つはカミナリの音が鳴り響くさまを表しており、田は太鼓などの音を出すもの三つが重なった形である。ここから、畾は「かさなる」イメージがある。なお、この字は篆書を収録した後漢の[説文解字]に見えない。篆文は、壘ルイから土をとり作成した。
イメージ
「かさなる」(塁・累・螺・騾)
音の変化 ルイ:塁・累 ラ:螺・騾
かさなる
塁[壘] ルイ・とりで 土部
解字 旧字は壘で、「土(つち)+畾(かさなる)」の会意形声。土を重ねて作った土壁のこと。転じて、土壁をつらねたとりで。新字体は旧字の、壘⇒塁に変化した。
意味 (1)とりで(塁)。土や石などを重ねて作った小城。「孤塁コルイ」(孤立したとりで)「塁壁ルイヘキ」(とりでの壁) (2)るい(塁)。野球のベース。「塁審ルイシン」「本塁打ホンルイダ」 (3)かさなる。かさねる。
累 ルイ・かさねる・かさなる 糸部
解字 篆文は、「糸(いと)+畾(かさなる)」の会意形声。つながった糸がかさなること。つながったまま、かさなってゆくことをいう。現代字は、「田+糸」の累に変化。
意味 (1)かさなる(累なる)。かさねる。「累代ルイダイ」(代々)「累積ルイセキ」「累進ルイシン」(数量が増加するにつれて比率が大きくなること) (2)つながり。「係累ケイルイ」(つながること。特に、自分が世話をすべき両親・妻子など)
螺 ラ・つぶ・にし 虫部
田螺(ウイキペディアより)
解字 「虫(ここでは貝)+累(かさなる)」の会意形声。らせん状にかさなった殻をもつ貝。
意味 (1)つぶ(螺)。にし(螺)。にな。巻貝の総称。「田螺たにし」「螺鈿ラデン」(巻貝の薄片を木地に埋め込んだ細工) (2)ほらがい。「法螺ほら」(①大形の巻貝。②ほらがいに穴をあけ吹き鳴らすようにしたもの) (3)うずまき。らせん。「螺旋ラセン」(うずまき状に旋回する)「螺旋階段ラセンカイダン」
騾 ラ 馬部
解字 「馬(うま)+累(かさなる)」の会意形声。雄ロバと雌ウマの遺伝子がかさなる馬。雄ロバと雌ウマの交雑種であるラバをいう。
意味 らば(騾馬)。雄ロバと雌馬との交雑種。馬より小形、強健で耐久力が強く労役に使われる。一代雑種で繁殖は不能。「騾車ラシャ」(騾馬が引く車)
雷 ライ <かみなり>
雷 ライ・かみなり 雨部
解字 甲骨文はイナズマの間に口(音がでる)を二つ付けた形。金文は、イナズマに田(太鼓など大きな音のでるもの)を四つ配した形。篆文は、「雨(あめ)+畾(音がかさなる)」の会意形声。雨雲のなかで、かみなりの音が、ごろごろと重なって響くこと。現代字は篆文の畾⇒田に省略された雷になった。
意味 (1)かみなり(雷)。いかずち(雷)。「雷鳴ライメイ」「雷同ライドウ」(雷が響くと同時に、この響きに応ずる意。人の言うことにすぐ同調する)「雷電ライデン」(雷とイナズマ)「雷神ライジン」(雷電を起こす神) (2)(雷のような音がする)爆薬を用いる兵器。「地雷ジライ」(地中に埋め、触れると爆発する兵器)「水雷スイライ」(水中を進行し当たると爆発する兵器)「魚雷ギョライ」(魚形の水雷)
イメージ
「かみなり」(雷・儡・擂)
「形声字」(蕾)
音の変化 ライ:雷・儡・擂・罍・蕾
かみなり
儡 ライ イ部
解字 「イ(ひと)+畾(=雷。かみなり)」の会意形声。かみなりのように大きな声を出すが中身はない人。あやつり人形をいう。
意味 「傀儡カイライ」に使われる字。傀儡カイライとは、あやつり人形のこと。転じて、人の手先になってその意のままに動く者。
擂 ライ・する 扌部
擂鉢と擂粉木(web版 むかしの道具展・千葉県立中央博物館)
解字 「扌(て)+雷(かみなりの音)」の会意形声。雷のようにゴロゴロと音を出す石臼を手でまわして穀物をすりつぶすこと。転じて、内側に刻み目をつけた陶器の鉢にゴマなどを入れ、先の丸い棒ですりつぶすこと。中国では、雷のような音を出す意から、太鼓を打つ意味でも用いる。
意味 (1)する(擂る)。すりつぶす。「擂鉢すりばち」「擂粉木すりこぎ」「擂細ライサイ」(擂って細かくする) (2)[中国]太鼓を打つ。「擂鼓レイコ」(太鼓をたたく)
罍 ライ 缶部
解字 「缶(ほとぎ・つぼ)+畾(=雷。かみなり)」の会意形声。雷の文様を付したつぼの意。
雷紋のひとつ(検索サイトから。原サイトなし)
雷紋とは直線がつぎつぎと曲折していく幾何学的模様で、中国では3千年以上の昔から青銅器・陶器、木彫、建築などに用いられている。田畑を潤す雷雨を表す紋様のため、豊作、吉祥の象徴と考えられている。罍ライは、こうした雷紋が刻されたつぼの意だが、[字通]は、「雷紋は殷・周の器に地紋として一般的に用いられており、罍ライに限るものではない」としている。罍ライの用途は酒つぼなどが多い。したがって、起源は雷紋であるものの、ライという名の酒つぼ、とするのが適切と思われる。
意味 (1)さかだる。「罍尊ライソン」(酒器)「罍罌ライオウ」(酒だる)「罍觴ライショウ」(酒の盃)「罍恥ライチ」(飲酒のとき、準備した酒だるの酒がなくなること) (2)たらい(盥)。手を洗う器。「罍洗ライセン」(手を洗う器)
形声字
蕾 ライ・つぼみ・つぼむ 艸部
解字 「艸(草花)+雷(ライ)」の形声。ライは畾ライ(かさなる)に通じ、花びらが重なり合い、まだ花が開かないつぼみ。
意味 つぼみ(蕾)。つぼむ(蕾む)。まだ開かない花。「花蕾カライ」(花のつぼみ)「味蕾ミライ」(舌の上にある蕾つぼみのような味覚の受容器官。約1万個ある。味覚芽)
<紫色は常用漢字>
バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。
畾 ライ・ルイ 田部
解字 田の字を三つ重ねたかたち。同じものが重なる意味を表す。この字で田は土地ではない。始まりは雷ライの篆文・靁(雨+畾)に由来するようだ。この字で田三つはカミナリの音が鳴り響くさまを表しており、田は太鼓などの音を出すもの三つが重なった形である。ここから、畾は「かさなる」イメージがある。なお、この字は篆書を収録した後漢の[説文解字]に見えない。篆文は、壘ルイから土をとり作成した。
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「かさなる」(塁・累・螺・騾)
音の変化 ルイ:塁・累 ラ:螺・騾
かさなる
塁[壘] ルイ・とりで 土部
解字 旧字は壘で、「土(つち)+畾(かさなる)」の会意形声。土を重ねて作った土壁のこと。転じて、土壁をつらねたとりで。新字体は旧字の、壘⇒塁に変化した。
意味 (1)とりで(塁)。土や石などを重ねて作った小城。「孤塁コルイ」(孤立したとりで)「塁壁ルイヘキ」(とりでの壁) (2)るい(塁)。野球のベース。「塁審ルイシン」「本塁打ホンルイダ」 (3)かさなる。かさねる。
累 ルイ・かさねる・かさなる 糸部
解字 篆文は、「糸(いと)+畾(かさなる)」の会意形声。つながった糸がかさなること。つながったまま、かさなってゆくことをいう。現代字は、「田+糸」の累に変化。
意味 (1)かさなる(累なる)。かさねる。「累代ルイダイ」(代々)「累積ルイセキ」「累進ルイシン」(数量が増加するにつれて比率が大きくなること) (2)つながり。「係累ケイルイ」(つながること。特に、自分が世話をすべき両親・妻子など)
螺 ラ・つぶ・にし 虫部
田螺(ウイキペディアより)
解字 「虫(ここでは貝)+累(かさなる)」の会意形声。らせん状にかさなった殻をもつ貝。
意味 (1)つぶ(螺)。にし(螺)。にな。巻貝の総称。「田螺たにし」「螺鈿ラデン」(巻貝の薄片を木地に埋め込んだ細工) (2)ほらがい。「法螺ほら」(①大形の巻貝。②ほらがいに穴をあけ吹き鳴らすようにしたもの) (3)うずまき。らせん。「螺旋ラセン」(うずまき状に旋回する)「螺旋階段ラセンカイダン」
騾 ラ 馬部
解字 「馬(うま)+累(かさなる)」の会意形声。雄ロバと雌ウマの遺伝子がかさなる馬。雄ロバと雌ウマの交雑種であるラバをいう。
意味 らば(騾馬)。雄ロバと雌馬との交雑種。馬より小形、強健で耐久力が強く労役に使われる。一代雑種で繁殖は不能。「騾車ラシャ」(騾馬が引く車)
雷 ライ <かみなり>
雷 ライ・かみなり 雨部
解字 甲骨文はイナズマの間に口(音がでる)を二つ付けた形。金文は、イナズマに田(太鼓など大きな音のでるもの)を四つ配した形。篆文は、「雨(あめ)+畾(音がかさなる)」の会意形声。雨雲のなかで、かみなりの音が、ごろごろと重なって響くこと。現代字は篆文の畾⇒田に省略された雷になった。
意味 (1)かみなり(雷)。いかずち(雷)。「雷鳴ライメイ」「雷同ライドウ」(雷が響くと同時に、この響きに応ずる意。人の言うことにすぐ同調する)「雷電ライデン」(雷とイナズマ)「雷神ライジン」(雷電を起こす神) (2)(雷のような音がする)爆薬を用いる兵器。「地雷ジライ」(地中に埋め、触れると爆発する兵器)「水雷スイライ」(水中を進行し当たると爆発する兵器)「魚雷ギョライ」(魚形の水雷)
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「かみなり」(雷・儡・擂)
「形声字」(蕾)
音の変化 ライ:雷・儡・擂・罍・蕾
かみなり
儡 ライ イ部
解字 「イ(ひと)+畾(=雷。かみなり)」の会意形声。かみなりのように大きな声を出すが中身はない人。あやつり人形をいう。
意味 「傀儡カイライ」に使われる字。傀儡カイライとは、あやつり人形のこと。転じて、人の手先になってその意のままに動く者。
擂 ライ・する 扌部
擂鉢と擂粉木(web版 むかしの道具展・千葉県立中央博物館)
解字 「扌(て)+雷(かみなりの音)」の会意形声。雷のようにゴロゴロと音を出す石臼を手でまわして穀物をすりつぶすこと。転じて、内側に刻み目をつけた陶器の鉢にゴマなどを入れ、先の丸い棒ですりつぶすこと。中国では、雷のような音を出す意から、太鼓を打つ意味でも用いる。
意味 (1)する(擂る)。すりつぶす。「擂鉢すりばち」「擂粉木すりこぎ」「擂細ライサイ」(擂って細かくする) (2)[中国]太鼓を打つ。「擂鼓レイコ」(太鼓をたたく)
罍 ライ 缶部
解字 「缶(ほとぎ・つぼ)+畾(=雷。かみなり)」の会意形声。雷の文様を付したつぼの意。
雷紋のひとつ(検索サイトから。原サイトなし)
雷紋とは直線がつぎつぎと曲折していく幾何学的模様で、中国では3千年以上の昔から青銅器・陶器、木彫、建築などに用いられている。田畑を潤す雷雨を表す紋様のため、豊作、吉祥の象徴と考えられている。罍ライは、こうした雷紋が刻されたつぼの意だが、[字通]は、「雷紋は殷・周の器に地紋として一般的に用いられており、罍ライに限るものではない」としている。罍ライの用途は酒つぼなどが多い。したがって、起源は雷紋であるものの、ライという名の酒つぼ、とするのが適切と思われる。
意味 (1)さかだる。「罍尊ライソン」(酒器)「罍罌ライオウ」(酒だる)「罍觴ライショウ」(酒の盃)「罍恥ライチ」(飲酒のとき、準備した酒だるの酒がなくなること) (2)たらい(盥)。手を洗う器。「罍洗ライセン」(手を洗う器)
形声字
蕾 ライ・つぼみ・つぼむ 艸部
解字 「艸(草花)+雷(ライ)」の形声。ライは畾ライ(かさなる)に通じ、花びらが重なり合い、まだ花が開かないつぼみ。
意味 つぼみ(蕾)。つぼむ(蕾む)。まだ開かない花。「花蕾カライ」(花のつぼみ)「味蕾ミライ」(舌の上にある蕾つぼみのような味覚の受容器官。約1万個ある。味覚芽)
<紫色は常用漢字>
バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。