㒸 スイ・ズイ 八部
解字 甲骨文は「八+豕シ(野生の豚)」の会意。狩猟法の一種として用いられており、豚をあい路(八)に追い込んで捕らえる様子であろう[甲骨文字辞典]。篆文以降、遂と同じく、とげる意で用いられており、豚を追い込んで捕らえたので「とげる」意になったと思われる。この字は単独で用いられることは稀で、遂と同字として用いられる。
意味 (1)甲骨文字で、獣をとらえる狩猟法のひとつ。 (2)とげる。=遂スイ。 (3)したがう。
イメージ
「やりとげる」(遂・燧)
野生の豚が追われて「すすむ」(隧)
音の変化 スイ:遂・燧・隧
やりとげる
遂 スイ・ズイ・とげる・ついに 辶部
解字 「辶(ゆく)+㒸(やりとげる)」の会意形声。㒸スイの意味(やりとげる)を辶(すすむ)をつけて強調した字。
意味 (1)とげる(遂げる)。やりとげる。なしとげる。「遂行スイコウ」(なしとげる。やりとげる)「完遂カンスイ」(完全にやりとげる)「未遂ミスイ」(未だなし遂げていない)「未遂罪ミスイザイ」(犯罪は未遂であるが罪になること)「既遂キスイ」(既になし遂げたこと) (2)ついに(遂に)。とうとう。おわりに。
燧 スイ・ひうち 火部
解字 「火(ひ)+遂の旧字(やりとげる)」の会意形声。火を起こすのをやりとげること。火打ち石などで、火を得ることが原義。火を起こすことは簡単なことでなく、道具と技術が必要で、やりとげることだった。のろしの火を起こすので、のろしの意ともなる。
意味 (1)ひうち(燧)。火を得るため用いる道具。「石燧セキスイ」(火打ち石)「燧ヶ岳ひうちがたけ」(尾瀬国立公園内にある山。日本百名山の一つ。名前の由来は諸説ある) (2)のろし。「燧烽スイホウ」(燧も烽も、のろしの意)
すすむ
隧 スイ・ズイ 阝部
解字 「阝(おか:陵墓)+遂の旧字(すすむ)」の会意形声。おか(陵墓)の中心に通じる墓道をいう。
意味 みち。はかみち。トンネル。地中をくりぬいた道。「隧道スイドウ・ズイドウ」(①墓へ通じる地中の道。②トンネル)
隊 ツイ・タイ <おちる>
隊 ツイ・タイ 阝部
解字 甲骨文は「阝(はしご)+逆さになった人」の会意で、人がおちる意。篆文で、逆さになった人⇒発音を表す㒸スイ(⇒ツイに変化)に置き換えた「隊」となった。一方、もう一つの発音であるタイは𠂤タイ(師シの原字。軍隊の象徴)に通じ、軍の部隊の意で使われ、のちこの意味が主流となった。おちる意味の隊ツイは、のちに土をつけた墜ツイで表すようになった。
意味 (1)兵の集まり。「軍隊グンタイ」「部隊ブタイ」「隊長タイチョウ」 (2)くみ。むれ。統一された集合体。「隊商タイショウ」「隊列タイレツ」 (3)おちる。=墜ツイ。
イメージ
「同音代替」(隊)
「おちる」(墜)
音の変化 タイ:隊 ツイ:墜
おちる
墜 ツイ・おちる 土部
解字 「土(つち)+隊(おちる)」 の会意形声。隊ツイ・タイは、もともとおちる意だが、軍隊の意に使われたので、土をつけ土の上におちる意とした。
意味 (1)おちる(墜ちる)。おとす。「墜落ツイラク」(墜も落もおちる意)「撃墜ゲキツイ」(撃ち落とす)「墜死ツイシ」(墜落して死ぬ) (2)うしなう。「失墜シッツイ」(失も墜もうしなう意)
<紫色は常用漢字>
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※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。
解字 甲骨文は「八+豕シ(野生の豚)」の会意。狩猟法の一種として用いられており、豚をあい路(八)に追い込んで捕らえる様子であろう[甲骨文字辞典]。篆文以降、遂と同じく、とげる意で用いられており、豚を追い込んで捕らえたので「とげる」意になったと思われる。この字は単独で用いられることは稀で、遂と同字として用いられる。
意味 (1)甲骨文字で、獣をとらえる狩猟法のひとつ。 (2)とげる。=遂スイ。 (3)したがう。
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「やりとげる」(遂・燧)
野生の豚が追われて「すすむ」(隧)
音の変化 スイ:遂・燧・隧
やりとげる
遂 スイ・ズイ・とげる・ついに 辶部
解字 「辶(ゆく)+㒸(やりとげる)」の会意形声。㒸スイの意味(やりとげる)を辶(すすむ)をつけて強調した字。
意味 (1)とげる(遂げる)。やりとげる。なしとげる。「遂行スイコウ」(なしとげる。やりとげる)「完遂カンスイ」(完全にやりとげる)「未遂ミスイ」(未だなし遂げていない)「未遂罪ミスイザイ」(犯罪は未遂であるが罪になること)「既遂キスイ」(既になし遂げたこと) (2)ついに(遂に)。とうとう。おわりに。
燧 スイ・ひうち 火部
解字 「火(ひ)+遂の旧字(やりとげる)」の会意形声。火を起こすのをやりとげること。火打ち石などで、火を得ることが原義。火を起こすことは簡単なことでなく、道具と技術が必要で、やりとげることだった。のろしの火を起こすので、のろしの意ともなる。
意味 (1)ひうち(燧)。火を得るため用いる道具。「石燧セキスイ」(火打ち石)「燧ヶ岳ひうちがたけ」(尾瀬国立公園内にある山。日本百名山の一つ。名前の由来は諸説ある) (2)のろし。「燧烽スイホウ」(燧も烽も、のろしの意)
すすむ
隧 スイ・ズイ 阝部
解字 「阝(おか:陵墓)+遂の旧字(すすむ)」の会意形声。おか(陵墓)の中心に通じる墓道をいう。
意味 みち。はかみち。トンネル。地中をくりぬいた道。「隧道スイドウ・ズイドウ」(①墓へ通じる地中の道。②トンネル)
隊 ツイ・タイ <おちる>
隊 ツイ・タイ 阝部
解字 甲骨文は「阝(はしご)+逆さになった人」の会意で、人がおちる意。篆文で、逆さになった人⇒発音を表す㒸スイ(⇒ツイに変化)に置き換えた「隊」となった。一方、もう一つの発音であるタイは𠂤タイ(師シの原字。軍隊の象徴)に通じ、軍の部隊の意で使われ、のちこの意味が主流となった。おちる意味の隊ツイは、のちに土をつけた墜ツイで表すようになった。
意味 (1)兵の集まり。「軍隊グンタイ」「部隊ブタイ」「隊長タイチョウ」 (2)くみ。むれ。統一された集合体。「隊商タイショウ」「隊列タイレツ」 (3)おちる。=墜ツイ。
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「同音代替」(隊)
「おちる」(墜)
音の変化 タイ:隊 ツイ:墜
おちる
墜 ツイ・おちる 土部
解字 「土(つち)+隊(おちる)」 の会意形声。隊ツイ・タイは、もともとおちる意だが、軍隊の意に使われたので、土をつけ土の上におちる意とした。
意味 (1)おちる(墜ちる)。おとす。「墜落ツイラク」(墜も落もおちる意)「撃墜ゲキツイ」(撃ち落とす)「墜死ツイシ」(墜落して死ぬ) (2)うしなう。「失墜シッツイ」(失も墜もうしなう意)
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