罔モウと岡コウは、いずれも网モウ(あみ)をもとに出来上がった字。网に亡が付いたのが罔モウ。网に山がついたのが岡コウ。現代字は网の中のメメ⇒䒑(ソ+一)に変化している。
まず、両字の基になった网(あみ)の字は
网 モウ・ボウ・あみ 网部
解字 甲骨文字は二本の支柱に網を張ったかたちの象形。篆文は支柱と上部が冂に変化し内側にメメで網を表す。現代字は篆文のかたちを受け継いだ网になった。罔モウ・網モウの原字。
意味 あみ(网)。
次に网(あみ)に亡がついた字です
罔 モウ・ボウ・あみ 网部
解字 「网(あみ)+亡ボウ・モウ」の会意形声。网は、あみの象形で発音はモウ・ボウであるが、そこにさらに発音を示す亡ボウ・モウを付けて网の発音をはっきりと示した字。現代字は网の中のメメ⇒䒑(ソ+一)に変化した罔になった。網の原字。あみの意味のほか、あみでおおう意。また、亡(ない)に通じて「ない」の意味を表す。
意味 (1)あみ(罔)。網する。「罔羅モウラ」(=網羅モウラ) (2)おおう。みえない。 (3)ない。くらい。おろか。
これに糸へんをつけると
網 モウ・あみ 糸部
解字 「糸(いと)+罔(あみ)」の会意形声。糸でできたあみ。
意味 (1)あみ(網)。「魚網ギョモウ」「投網とあみ」 (2)あみする。網で捕らえる。「一網打尽イチモウダジン」「網羅モウラ」(魚をとる網と鳥をとる羅。残らず集める) (3)あみのような。「網代アジロ」(川で竹や木を網のように組んで魚をとる仕掛け)「網膜モウマク」(眼球の内壁をおおう網のような膜)「通信網ツウシンモウ」
最後に网(あみ)に山がついた字です
岡 コウ・おか 山部
解字 篆文は、「网(あみ)+山(やま)」の会意。網を立てたように長く連なった山の尾根。現代字は、网のメメ⇒䒑(ソ+一)に変化した岡になった。山の尾根は風雨に直接さらされ、かたい岩石が露出して続くので、岡を音符に含む字は、「かたく強い」イメージがある。日本では岡おかとよみ、丘キュウ(こだかい土地)の意味でつかうが、原義は山の尾根をいう。
意味 (1)山の背・尾根。山脊サンセキ(山の尾根)。 (2)おか(岡)。(=崗)。小高い土地。「岡陵コウリョウ」(岡も陵も、おかの意。高いおか)「岡阜コウフ」(小高いおか。岡も阜も、おかの意) (3)地名。「岡山おかやま」(日本の県名、市名)
岡が音符となる常用漢字が3つあります
イメージ
「おか(山の尾根)」(岡)
山の尾根は岩石が露出し「かたく強い」(剛・綱・鋼)
音の変化 コウ:岡・綱・鋼 ゴウ:剛
かたく強い
綱 コウ・つな 糸部
解字 「糸(ふとい糸)+岡(かたく強い)」の会意形声。かたく強いつなをいう。網(あみ)を張る「つな」に使うことから、物事を支え引き締める意ともなる。
意味 (1)つな(綱)。おおづな。「大綱おおづな」「横綱よこづな」(相撲力士の最高位) (2)物事を支え保つ。おおもと。物事をとりしまる。「綱紀コウキ」(綱は大づな、紀は小づなで、大小のつなの意。大小の綱で引きしめて国を治めること)「綱紀粛正コウキシュクセイ」(国を治める政治家や役人の乱れを正すこと)「綱領コウリョウ」(統べる(領)ための綱。物事の要のところ) (3)分類上の区分け。「綱目コウモク」(綱はあみのつな、目はあみの目の意。物事の大綱と細目)
鋼 コウ・はがね 金部
解字 「金(金属)+岡(かたく強い)」の会意形声。かたく強い金属。
意味 はがね(鋼)。かたくきたえた鉄。「鋼鉄コウテツ」「鋼玉コウギョク」(ルビー・サファイヤなどの硬い玉石)「鋼索コウサク」(ワイヤーロープ)
剛 ゴウ・つよい 刂部
解字 「刂(刀)+岡(かたく強い)」の会意形声。刀のようにかたく強いこと。人に移して使う。
意味 つよい(剛い)。(⇔柔ジュウ)。かたい。「剛気ゴウキ」(強く屈しない意気)「剛力ゴウリキ」(力が強い)「剛柔ゴウジュウ」(かたいと、やわらかいと)「金剛コンゴウ」(①金属のなかで最もかたいもの。ダイアモンド。②極めて強固なもの)
<紫色は常用漢字>
参考
音符「罔モウ」へ
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まず、両字の基になった网(あみ)の字は
网 モウ・ボウ・あみ 网部
解字 甲骨文字は二本の支柱に網を張ったかたちの象形。篆文は支柱と上部が冂に変化し内側にメメで網を表す。現代字は篆文のかたちを受け継いだ网になった。罔モウ・網モウの原字。
意味 あみ(网)。
次に网(あみ)に亡がついた字です
罔 モウ・ボウ・あみ 网部
解字 「网(あみ)+亡ボウ・モウ」の会意形声。网は、あみの象形で発音はモウ・ボウであるが、そこにさらに発音を示す亡ボウ・モウを付けて网の発音をはっきりと示した字。現代字は网の中のメメ⇒䒑(ソ+一)に変化した罔になった。網の原字。あみの意味のほか、あみでおおう意。また、亡(ない)に通じて「ない」の意味を表す。
意味 (1)あみ(罔)。網する。「罔羅モウラ」(=網羅モウラ) (2)おおう。みえない。 (3)ない。くらい。おろか。
これに糸へんをつけると
網 モウ・あみ 糸部
解字 「糸(いと)+罔(あみ)」の会意形声。糸でできたあみ。
意味 (1)あみ(網)。「魚網ギョモウ」「投網とあみ」 (2)あみする。網で捕らえる。「一網打尽イチモウダジン」「網羅モウラ」(魚をとる網と鳥をとる羅。残らず集める) (3)あみのような。「網代アジロ」(川で竹や木を網のように組んで魚をとる仕掛け)「網膜モウマク」(眼球の内壁をおおう網のような膜)「通信網ツウシンモウ」
最後に网(あみ)に山がついた字です
岡 コウ・おか 山部
解字 篆文は、「网(あみ)+山(やま)」の会意。網を立てたように長く連なった山の尾根。現代字は、网のメメ⇒䒑(ソ+一)に変化した岡になった。山の尾根は風雨に直接さらされ、かたい岩石が露出して続くので、岡を音符に含む字は、「かたく強い」イメージがある。日本では岡おかとよみ、丘キュウ(こだかい土地)の意味でつかうが、原義は山の尾根をいう。
意味 (1)山の背・尾根。山脊サンセキ(山の尾根)。 (2)おか(岡)。(=崗)。小高い土地。「岡陵コウリョウ」(岡も陵も、おかの意。高いおか)「岡阜コウフ」(小高いおか。岡も阜も、おかの意) (3)地名。「岡山おかやま」(日本の県名、市名)
岡が音符となる常用漢字が3つあります
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「おか(山の尾根)」(岡)
山の尾根は岩石が露出し「かたく強い」(剛・綱・鋼)
音の変化 コウ:岡・綱・鋼 ゴウ:剛
かたく強い
綱 コウ・つな 糸部
解字 「糸(ふとい糸)+岡(かたく強い)」の会意形声。かたく強いつなをいう。網(あみ)を張る「つな」に使うことから、物事を支え引き締める意ともなる。
意味 (1)つな(綱)。おおづな。「大綱おおづな」「横綱よこづな」(相撲力士の最高位) (2)物事を支え保つ。おおもと。物事をとりしまる。「綱紀コウキ」(綱は大づな、紀は小づなで、大小のつなの意。大小の綱で引きしめて国を治めること)「綱紀粛正コウキシュクセイ」(国を治める政治家や役人の乱れを正すこと)「綱領コウリョウ」(統べる(領)ための綱。物事の要のところ) (3)分類上の区分け。「綱目コウモク」(綱はあみのつな、目はあみの目の意。物事の大綱と細目)
鋼 コウ・はがね 金部
解字 「金(金属)+岡(かたく強い)」の会意形声。かたく強い金属。
意味 はがね(鋼)。かたくきたえた鉄。「鋼鉄コウテツ」「鋼玉コウギョク」(ルビー・サファイヤなどの硬い玉石)「鋼索コウサク」(ワイヤーロープ)
剛 ゴウ・つよい 刂部
解字 「刂(刀)+岡(かたく強い)」の会意形声。刀のようにかたく強いこと。人に移して使う。
意味 つよい(剛い)。(⇔柔ジュウ)。かたい。「剛気ゴウキ」(強く屈しない意気)「剛力ゴウリキ」(力が強い)「剛柔ゴウジュウ」(かたいと、やわらかいと)「金剛コンゴウ」(①金属のなかで最もかたいもの。ダイアモンド。②極めて強固なもの)
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