戊ボ・戍ジュ・戌ジュツは似ている。戊のなかに点があるのが戍ジュ、一があるのが戌ジュツである。この3つの文字は、戈カ(オノ型ほこ)がもとになっている字だが、古代文字から成り立ちをさぐると、それぞれの違いが明瞭になる。
戊 ボ・ボウ・モ・つちのえ 戈部
解字 戈カ(オノ型ほこ)の刃先が広い武器の象形。しかし本来の意味でなく、甲骨文字から十干の五番目に当てられている。
意味 (1)つちのえ(戊)。五行(木・火・土・金・水)のひとつである土(戊ボと己キが所属する)の兄(え)の意味で、十干(甲コウ・乙オツ・丙ヘイ・丁テイ・戊ボ・己キ・庚コウ・辛シン・壬ジン・癸キ)の五番目。なお、土の弟(と)は六番目の己キ(つちのと)。「戊辰戦争ボシンセンソウ」(1868年の戊辰(つちのえたつ)の年から新政府軍と幕府側との間で行なわれた戦争) (2)ほこ。
イメージ
「仮借(当て字)」(戊)
「同音代替」(茂)
音の変化 ボ:戊 モ・ボウ:茂
同音代替
茂 モ・ボウ・しげる 艸部
解字 「艸(草)+戊(ボウ・モ)」の形声。ボウは冒ボウ・モウ(おおう)に通じ、草がおおう意。
意味 (1)しげる(茂る)。草がしげる。「繁茂ハンモ」「茂生モセイ」 (2)すぐれて立派なこと。「茂才モサイ」
戍 ジュ・シュ・ス・まもる 戈部
解字 甲骨文字から篆文まで「人+戈(オノ型ほこ)」の会意。人が武器の戈を背負っている形。武器を背負う兵士の意から、甲骨文字では軍隊の意味で使われた。金文は守る意味が強い守衛の意味となり、以後、国境をまもる意が中心となった。現代字は人と戈が連続した戍となり、戊の中に点があるかのような字形になった。
意味 まもる(戍る)。武器を持って国境をまもる。「戍卒ジュソツ」(国境をまもる兵士)「戍楼ジュロウ」(国境守備隊の見張りやぐら)「衛戍エイジュ」(軍隊が永く一つの土地に駐屯する)「戍徭ジュヨウ」(国境をまもる兵役=徭役)
戌 ジュツ・シュツ・いぬ 戈部
解字 甲骨文字・金文ともにマサカリ型の大きな刃の部分を中心に描いた象形。篆文になりマサカリの下の刃が独立して一になり、現代字の戌になった。戌は大きな刃なので、これで「相手を圧倒する」イメージを持つ。元の意味に関係なく、十二支の11番目「いぬ」に仮借カシャ(当て字)された。
意味 いぬ(戌)。十二支の第十一。時刻では午後8時、およびその前後の2時間。方角では西北西、動物では犬に当てる。「戌亥いぬい」(方角で北西)「戊戌ボジュツ」(つちのえいぬ。干支のひとつ)
イメージ
「いぬ(仮借)」(戌)
大きな刃で相手を「圧倒する」(威・滅)
音の変化 ジュツ:戌 イ:威 メツ:滅
圧倒する
威 イ・おどす 女部
解字 「女(おんな)+戌(圧倒する)」 の会意。女を刃物で圧倒する形で、おどす意。
意味 (1)おどす(威す)。おびやかす。「威圧イアツ」「威嚇イカク」 (2)いかめしい。「威厳イゲン」「威風イフウ」「権威ケンイ」
滅 メツ・ほろびる・ほろぼす 氵部
解字 「氵(水)+火+戌(圧倒する)」 の会意。水をかけて火を圧倒する意。転じて、きえる・ほろびる意となる。
意味 (1)きえる。火や明かりが消える。「点滅テンメツ」 (2)ほろびる(滅びる)。ほろぼす(滅ぼす)。「滅亡メツボウ」「絶滅ゼツメツ」「滅菌メッキン」 (3)死ぬ。「入滅ニュウメツ」
<紫色は常用漢字>
戊 ボ・ボウ・モ・つちのえ 戈部
解字 戈カ(オノ型ほこ)の刃先が広い武器の象形。しかし本来の意味でなく、甲骨文字から十干の五番目に当てられている。
意味 (1)つちのえ(戊)。五行(木・火・土・金・水)のひとつである土(戊ボと己キが所属する)の兄(え)の意味で、十干(甲コウ・乙オツ・丙ヘイ・丁テイ・戊ボ・己キ・庚コウ・辛シン・壬ジン・癸キ)の五番目。なお、土の弟(と)は六番目の己キ(つちのと)。「戊辰戦争ボシンセンソウ」(1868年の戊辰(つちのえたつ)の年から新政府軍と幕府側との間で行なわれた戦争) (2)ほこ。
イメージ
「仮借(当て字)」(戊)
「同音代替」(茂)
音の変化 ボ:戊 モ・ボウ:茂
同音代替
茂 モ・ボウ・しげる 艸部
解字 「艸(草)+戊(ボウ・モ)」の形声。ボウは冒ボウ・モウ(おおう)に通じ、草がおおう意。
意味 (1)しげる(茂る)。草がしげる。「繁茂ハンモ」「茂生モセイ」 (2)すぐれて立派なこと。「茂才モサイ」
戍 ジュ・シュ・ス・まもる 戈部
解字 甲骨文字から篆文まで「人+戈(オノ型ほこ)」の会意。人が武器の戈を背負っている形。武器を背負う兵士の意から、甲骨文字では軍隊の意味で使われた。金文は守る意味が強い守衛の意味となり、以後、国境をまもる意が中心となった。現代字は人と戈が連続した戍となり、戊の中に点があるかのような字形になった。
意味 まもる(戍る)。武器を持って国境をまもる。「戍卒ジュソツ」(国境をまもる兵士)「戍楼ジュロウ」(国境守備隊の見張りやぐら)「衛戍エイジュ」(軍隊が永く一つの土地に駐屯する)「戍徭ジュヨウ」(国境をまもる兵役=徭役)
戌 ジュツ・シュツ・いぬ 戈部
解字 甲骨文字・金文ともにマサカリ型の大きな刃の部分を中心に描いた象形。篆文になりマサカリの下の刃が独立して一になり、現代字の戌になった。戌は大きな刃なので、これで「相手を圧倒する」イメージを持つ。元の意味に関係なく、十二支の11番目「いぬ」に仮借カシャ(当て字)された。
意味 いぬ(戌)。十二支の第十一。時刻では午後8時、およびその前後の2時間。方角では西北西、動物では犬に当てる。「戌亥いぬい」(方角で北西)「戊戌ボジュツ」(つちのえいぬ。干支のひとつ)
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「いぬ(仮借)」(戌)
大きな刃で相手を「圧倒する」(威・滅)
音の変化 ジュツ:戌 イ:威 メツ:滅
圧倒する
威 イ・おどす 女部
解字 「女(おんな)+戌(圧倒する)」 の会意。女を刃物で圧倒する形で、おどす意。
意味 (1)おどす(威す)。おびやかす。「威圧イアツ」「威嚇イカク」 (2)いかめしい。「威厳イゲン」「威風イフウ」「権威ケンイ」
滅 メツ・ほろびる・ほろぼす 氵部
解字 「氵(水)+火+戌(圧倒する)」 の会意。水をかけて火を圧倒する意。転じて、きえる・ほろびる意となる。
意味 (1)きえる。火や明かりが消える。「点滅テンメツ」 (2)ほろびる(滅びる)。ほろぼす(滅ぼす)。「滅亡メツボウ」「絶滅ゼツメツ」「滅菌メッキン」 (3)死ぬ。「入滅ニュウメツ」
<紫色は常用漢字>
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