改訂しました。
牛 ギュウ・グ・ゴ・うし 牛部 niú
解字 牛を正面から見た形の象形。甲骨文・金文は牛の角を強調している。牛は部首となる。
意味 (1)うし(牛)。「牛車ギッシャ」「牛肉ギュウニク」「牛耕ギュウコウ」(牛を使って耕す)「闘牛トウギュウ」(2)星の名。「牽牛星ケンギュウセイ」(ひこぼし)「牛斗ギュウト」(牽牛星と北斗星)
参考 牛は音符としては吽ウン・コウ・ゴウ、にわずか発音が伝わるだけで、ほとんどが会意でできているため、発音はバラバラである。
イメージ
「うし」(牛・件・牢・吽・犇)
音の変化 ギュウ:牛 ウン:吽 ケン:件 ホン:犇 ロウ:牢
うし
件 ケン・くだり・くだん イ部 jiàn
解字 「イ(人)+牛(うし)」の会意。人が牛をひくさま。牛をひいて人は何をしようとしているのか、それぞれの事情がある。転じて、それぞれのことがら、およびことがらの数の意味になる(私見)。
意味 (1)ことがら。ことがらを数える語。「事件ジケン」「物件ブッケン」「条件ジョウケン」「五件の注文」 (2)[国]くだん(件)。例の。くだり(件)。記述の一部分。
牢 ロウ・ひとや 牛部 láo
解字 甲骨文・篆文は囲った柵の中に牛を閉じこめている形。犠牲などに用いるため牛を柵で囲って閉じこめている形で、しっかりととじこめる意。転じて、人を閉じこめる牢屋の意。かたい・しっかりとした意も派生する。現代字は、「宀(やね)+牛(うし)」の会意で、同じ意味を表わす。成り立ちからみて牛は柵のなかにいるので、部首は宀(やね)でなく牛になる。
意味 (1)ひとや(牢)。「牢屋ロウヤ」「牢獄ロウゴク」「牢死ロウシ」 (2)かたい。しっかりとした。「堅牢ケンロウ」「牢固ロウコ」
吽 ウン・コウ・ゴウ 口部 ōu・hōng・hǒu
解字 「口(くち)+牛(うし)」の会意形声。牛が口から声を出して鳴くこと。のち、仏教語の音訳に用いられ、口を閉じてだす声の意で、開口音の阿アと対で用いられる。発音はウンが通用する。
意味 (1)ほえる。牛などが鳴く。 (2)口を閉じて出す声。「阿吽アウン」(①阿は開口音で吽は唇を閉じて出す音、万物の始めと終りを象徴する。②呼気と吸気)「阿吽の呼吸」(相互の調子や気持ちが一致すること)
犇 ホン・ひしめく 牛部 bēn
解字 「牛+牛+牛」の会意。牛3頭でたくさんの牛を表し、群れ牛が驚いて走る形を示す。日本では、たくさんの牛がひしめきあう意で用いる。
意味 (1)おどろく。 (2)はしる(犇る)。「犇走ホンソウ」 (3)[国]ひしめく(犇めく)。「犇犇ひしひし」
部首としての牛 牛は「うし」の意味で部首になる。牛部に属する字は、常用漢字で6字、約14,600字を収録する『新漢語林』では91字が収録されている。主な字は以下のとおり。
常用漢字 6字
牛ギュウ・うし(部首)
犠ギ・いけにえ(牛+音符「義ギ」)
牲セイ・いけにえ(牛+音符「生セイ」)
特トク・おうし(牛+音符「寺ジ」)
物ブツ・もの(牛+音符「勿ブツ」)
牧ボク・まき(牛+音符「攵ボク」)
常用漢字以外
牽ケン・ひく(牛+冖+音符「玄ゲン」)
犀サイ(「牛+尾」の会意)
牝ヒン・めす(「牛+音符「ヒ」)
牡ボ・おす(「牛+土」の会意)
犇ホン・ひしめく(「牛+牛+牛」の会意)
犂リ・すき(牛+禾+刀の変形)
牢ロウ(「牛+宀」の会意)ほか
牟 ボウ・ム <ムの発音>
牟 ボウ・ム 牛部 mù・móu
解字 戦国期(秦)は牛の上に一を加え呼気が出ている形。篆文は牛の上がムの原字に変った。[説文解字]は「牛鳴也」とし牛の鳴き声とする。隷書は上部が△になり、現代字で△⇒ムに変化した牟になった。発音は漢音がボウ、呉音がム。意味はボウ・ムの発音を利用した音訳や同音代替である。日本でも牟ムの上部を取り出し、発音だけを表すカタカナの「ム」を作った。
意味 (1)梵語の音訳字に用いる。「牟尼ムニ」(梵語muni・寂黙・聖者の意で、修行する者)「釈迦牟尼シャカムニ」(釈尊。仏教の開祖)(2)牛が鳴く声。「牟然ボウゼン」( 牛の鳴く声)(3)暴の代替。「牟利ボウリ」(不当な利益。=暴利)「牟食ボウショク」(=暴食)(4)ひとみ。「牟子ボウシ」(=眸子)(5)多い。大きい。
イメージ
「ボウ・ムの音」(牟・眸・鉾・桙・鴾)
音の変化 ボウ・ム:牟・眸・鉾・桙・鴾
ボウ・ムの音
眸 ボウ・ム・ひとみ 目部 móu
解字 「目(め)+牟(ボウ)」の形声。[説文解字]は「目の童子也(なり)。目に従い牟ボウの聲(声)」とし目の瞳(ひとみ・黒い目玉)をいう。
意味 ひとみ(眸)。眼球の黒い部分。「眸子ボウシ」(ひとみ)「明眸メイボウ」(美しく澄んだひとみ)「明眸皓歯メイボウコウシ」(澄んだひとみと白い歯。美人の形容)「眸睛ボウセイ」(ひとみ。眸も睛も、ひとみの意)
鉾 ボウ・ム 金部 máo
解字 「金(金属)+牟(ム)」の形声。ムは矛ム・ボウ(ほこ)に通じ、金属のほこの意。
意味 (1)ほこ(鉾)。両刃の剣に長い柄をつけた武器。矛カとも書く。ほこさき。 (2)[国]「山鉾やまぼこ」(祭りの山車だしの一種で山の形の造物(つくりもの)の上に鉾や薙刀を立てたもの)「玉鉾たまほこ」(玉の飾りのある鉾。鉾の美称=玉矛)
祇園祭の山鉾(「八坂神社のHPから」)
桙 ボウ・ム・ほこ 木部 yú・móu
解字 「木(き)+牟(ム)」の形声。日本では、鉾(ほこ)に通じ、同じ意味で用いる。
意味 ほこ(桙)。鉾に同じ。
鴾 ボウ・とき 鳥部 mó
解字 「鳥(とり)+牟(ボウ)」の形声。ボウという名の鳥。鶉(うずら)に似た小さな鳥をいう。なお、日本では、トキ(朱鷺)の意味で用いる。
意味 (1)「鴾母ボウボ」に用いられる字。鶉(うずら)に似た小さな鳥をいう。 (2)[国]とき(鴾)。トキ科の鳥。鴇とも書く。「鴾毛つきげ」(=月毛)とは、馬の毛色の一種。葦毛(あしげ)の赤みがかったもの。その色の馬。鴾(つき。トキの古名)の羽の裏の色のような赤みを帯びた白い毛色。また、その馬。
<紫色は常用漢字>
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牛 ギュウ・グ・ゴ・うし 牛部 niú
解字 牛を正面から見た形の象形。甲骨文・金文は牛の角を強調している。牛は部首となる。
意味 (1)うし(牛)。「牛車ギッシャ」「牛肉ギュウニク」「牛耕ギュウコウ」(牛を使って耕す)「闘牛トウギュウ」(2)星の名。「牽牛星ケンギュウセイ」(ひこぼし)「牛斗ギュウト」(牽牛星と北斗星)
参考 牛は音符としては吽ウン・コウ・ゴウ、にわずか発音が伝わるだけで、ほとんどが会意でできているため、発音はバラバラである。
イメージ
「うし」(牛・件・牢・吽・犇)
音の変化 ギュウ:牛 ウン:吽 ケン:件 ホン:犇 ロウ:牢
うし
件 ケン・くだり・くだん イ部 jiàn
解字 「イ(人)+牛(うし)」の会意。人が牛をひくさま。牛をひいて人は何をしようとしているのか、それぞれの事情がある。転じて、それぞれのことがら、およびことがらの数の意味になる(私見)。
意味 (1)ことがら。ことがらを数える語。「事件ジケン」「物件ブッケン」「条件ジョウケン」「五件の注文」 (2)[国]くだん(件)。例の。くだり(件)。記述の一部分。
牢 ロウ・ひとや 牛部 láo
解字 甲骨文・篆文は囲った柵の中に牛を閉じこめている形。犠牲などに用いるため牛を柵で囲って閉じこめている形で、しっかりととじこめる意。転じて、人を閉じこめる牢屋の意。かたい・しっかりとした意も派生する。現代字は、「宀(やね)+牛(うし)」の会意で、同じ意味を表わす。成り立ちからみて牛は柵のなかにいるので、部首は宀(やね)でなく牛になる。
意味 (1)ひとや(牢)。「牢屋ロウヤ」「牢獄ロウゴク」「牢死ロウシ」 (2)かたい。しっかりとした。「堅牢ケンロウ」「牢固ロウコ」
吽 ウン・コウ・ゴウ 口部 ōu・hōng・hǒu
解字 「口(くち)+牛(うし)」の会意形声。牛が口から声を出して鳴くこと。のち、仏教語の音訳に用いられ、口を閉じてだす声の意で、開口音の阿アと対で用いられる。発音はウンが通用する。
意味 (1)ほえる。牛などが鳴く。 (2)口を閉じて出す声。「阿吽アウン」(①阿は開口音で吽は唇を閉じて出す音、万物の始めと終りを象徴する。②呼気と吸気)「阿吽の呼吸」(相互の調子や気持ちが一致すること)
犇 ホン・ひしめく 牛部 bēn
解字 「牛+牛+牛」の会意。牛3頭でたくさんの牛を表し、群れ牛が驚いて走る形を示す。日本では、たくさんの牛がひしめきあう意で用いる。
意味 (1)おどろく。 (2)はしる(犇る)。「犇走ホンソウ」 (3)[国]ひしめく(犇めく)。「犇犇ひしひし」
部首としての牛 牛は「うし」の意味で部首になる。牛部に属する字は、常用漢字で6字、約14,600字を収録する『新漢語林』では91字が収録されている。主な字は以下のとおり。
常用漢字 6字
牛ギュウ・うし(部首)
犠ギ・いけにえ(牛+音符「義ギ」)
牲セイ・いけにえ(牛+音符「生セイ」)
特トク・おうし(牛+音符「寺ジ」)
物ブツ・もの(牛+音符「勿ブツ」)
牧ボク・まき(牛+音符「攵ボク」)
常用漢字以外
牽ケン・ひく(牛+冖+音符「玄ゲン」)
犀サイ(「牛+尾」の会意)
牝ヒン・めす(「牛+音符「ヒ」)
牡ボ・おす(「牛+土」の会意)
犇ホン・ひしめく(「牛+牛+牛」の会意)
犂リ・すき(牛+禾+刀の変形)
牢ロウ(「牛+宀」の会意)ほか
牟 ボウ・ム <ムの発音>
牟 ボウ・ム 牛部 mù・móu
解字 戦国期(秦)は牛の上に一を加え呼気が出ている形。篆文は牛の上がムの原字に変った。[説文解字]は「牛鳴也」とし牛の鳴き声とする。隷書は上部が△になり、現代字で△⇒ムに変化した牟になった。発音は漢音がボウ、呉音がム。意味はボウ・ムの発音を利用した音訳や同音代替である。日本でも牟ムの上部を取り出し、発音だけを表すカタカナの「ム」を作った。
意味 (1)梵語の音訳字に用いる。「牟尼ムニ」(梵語muni・寂黙・聖者の意で、修行する者)「釈迦牟尼シャカムニ」(釈尊。仏教の開祖)(2)牛が鳴く声。「牟然ボウゼン」( 牛の鳴く声)(3)暴の代替。「牟利ボウリ」(不当な利益。=暴利)「牟食ボウショク」(=暴食)(4)ひとみ。「牟子ボウシ」(=眸子)(5)多い。大きい。
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「ボウ・ムの音」(牟・眸・鉾・桙・鴾)
音の変化 ボウ・ム:牟・眸・鉾・桙・鴾
ボウ・ムの音
眸 ボウ・ム・ひとみ 目部 móu
解字 「目(め)+牟(ボウ)」の形声。[説文解字]は「目の童子也(なり)。目に従い牟ボウの聲(声)」とし目の瞳(ひとみ・黒い目玉)をいう。
意味 ひとみ(眸)。眼球の黒い部分。「眸子ボウシ」(ひとみ)「明眸メイボウ」(美しく澄んだひとみ)「明眸皓歯メイボウコウシ」(澄んだひとみと白い歯。美人の形容)「眸睛ボウセイ」(ひとみ。眸も睛も、ひとみの意)
鉾 ボウ・ム 金部 máo
解字 「金(金属)+牟(ム)」の形声。ムは矛ム・ボウ(ほこ)に通じ、金属のほこの意。
意味 (1)ほこ(鉾)。両刃の剣に長い柄をつけた武器。矛カとも書く。ほこさき。 (2)[国]「山鉾やまぼこ」(祭りの山車だしの一種で山の形の造物(つくりもの)の上に鉾や薙刀を立てたもの)「玉鉾たまほこ」(玉の飾りのある鉾。鉾の美称=玉矛)
祇園祭の山鉾(「八坂神社のHPから」)
桙 ボウ・ム・ほこ 木部 yú・móu
解字 「木(き)+牟(ム)」の形声。日本では、鉾(ほこ)に通じ、同じ意味で用いる。
意味 ほこ(桙)。鉾に同じ。
鴾 ボウ・とき 鳥部 mó
解字 「鳥(とり)+牟(ボウ)」の形声。ボウという名の鳥。鶉(うずら)に似た小さな鳥をいう。なお、日本では、トキ(朱鷺)の意味で用いる。
意味 (1)「鴾母ボウボ」に用いられる字。鶉(うずら)に似た小さな鳥をいう。 (2)[国]とき(鴾)。トキ科の鳥。鴇とも書く。「鴾毛つきげ」(=月毛)とは、馬の毛色の一種。葦毛(あしげ)の赤みがかったもの。その色の馬。鴾(つき。トキの古名)の羽の裏の色のような赤みを帯びた白い毛色。また、その馬。
<紫色は常用漢字>
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