(東京新聞 2010年10月17日 朝刊)
十八日開幕の生物多様性条約第十回締約国会議(COP10)を前に十六日、最後の準備会合となる特別作業部会が名古屋市熱田区の名古屋国際会議場で開かれ、発展途上国の熱帯雨林などに生息・分布する動植物や微生物といった遺伝資源を利用して先進国が新薬などを開発した際、利益をいかに還元するかを定める国際ルール「名古屋議定書」案に向けた協議が行われた。
しかし、利益配分の対象など主要項目がまとまらず、COP10本会合で引き続き協議されることになった。
主要対立点が決着せず、二十九日までの本会合に持ち越されたことで、議定書を採択できるかどうかは微妙な情勢。日本政府関係者からは「名古屋での準備会合で議論がかえって後退してしまったテーマもある」と、本会合での交渉難航を懸念する声も出ている。
同議定書をめぐっては、化学的に合成されて本来の植物成分を含まないバニラエッセンスなど、遺伝資源そのものを含まない「派生物」も利益配分の対象に含めるかや、議定書の効力を欧州諸国が貴重な動植物を持ち去った植民地時代までさかのぼるかなど、多くの論点で途上国と先進国の意見が対立。十三日から四日間行われた準備会合でも、こうした主要課題でほとんど歩み寄りがなかった。
決着目前とされた、先住民族独自に先祖代々伝えてきた植物の薬効など「伝統的知識」の項目でも十六日、北米の先住民族グループが「全く相談を受けていない」と反対を表明し、合意が遠のいた。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2010101702000043.html?ref=rank
十八日開幕の生物多様性条約第十回締約国会議(COP10)を前に十六日、最後の準備会合となる特別作業部会が名古屋市熱田区の名古屋国際会議場で開かれ、発展途上国の熱帯雨林などに生息・分布する動植物や微生物といった遺伝資源を利用して先進国が新薬などを開発した際、利益をいかに還元するかを定める国際ルール「名古屋議定書」案に向けた協議が行われた。
しかし、利益配分の対象など主要項目がまとまらず、COP10本会合で引き続き協議されることになった。
主要対立点が決着せず、二十九日までの本会合に持ち越されたことで、議定書を採択できるかどうかは微妙な情勢。日本政府関係者からは「名古屋での準備会合で議論がかえって後退してしまったテーマもある」と、本会合での交渉難航を懸念する声も出ている。
同議定書をめぐっては、化学的に合成されて本来の植物成分を含まないバニラエッセンスなど、遺伝資源そのものを含まない「派生物」も利益配分の対象に含めるかや、議定書の効力を欧州諸国が貴重な動植物を持ち去った植民地時代までさかのぼるかなど、多くの論点で途上国と先進国の意見が対立。十三日から四日間行われた準備会合でも、こうした主要課題でほとんど歩み寄りがなかった。
決着目前とされた、先住民族独自に先祖代々伝えてきた植物の薬効など「伝統的知識」の項目でも十六日、北米の先住民族グループが「全く相談を受けていない」と反対を表明し、合意が遠のいた。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2010101702000043.html?ref=rank