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全米公認は566部族!それ以外どこまでが「先住民」?

2012-06-06 | 先住民族関連
MSN産経ニュース 2012.6.5 13:10
 米マサチューセッツ州連邦上院選の民主党有力候補の女性大学教授は白人だが、「先住民の血を引く」と自称。共和党現職の陣営から少数派の利益にあずかろうとする方便だと攻撃を受けている。女性教授は「母親から聞かされた」とその根拠を説明しているが、そもそも今日、何をもって「先住民」というのか。きょうのテーマは「32分の1の先住民」とした。(SANKEI EXPRESS)
●「ケネディ氏の議席」争い
 米国では11月、大統領選と同時に上下両院選などが実施される。任期6年の上院(定数100=各州2)は3分の1を改選。マサチューセッツ州で今年改選されるのは、暗殺されたジョン・F・ケネディ大統領の実弟、エドワード・ケネディ氏(1932年~)=ともに民主党=が63年から死去の2009年まで維持した議席である。10年1月の補選で共和党のスコット・ブラウン氏(52)が勝利したのは、民主党オバマ政権への「不信任」だと指摘された。
 「ケネディ氏の議席」の奪還を目指して戦っているのは、ハーバード法科大学院(マサチューセッツ州ケンブリッジ)の教授、エリザベス・ウォーレン氏(62)だ。オクラホマ州出身。「先住民の血を引くことを誇りに思っている」と常々語っていた。といっても、特定の部族に属しているとか、付き合いがあるというわけではなく、「家系に先住民がいることは母親から聞かされた」という。
●少数派にアピール
 「先住民の血を引く」といって悪いことはない。家族で「先祖に××族の王女がいたらしい」といった話になり、次第にそう思い込む人もいる。だが、「先住民」をかたり、そのことで不当に利益を得たとすれば問題だ。地元紙ボストン・グローブが、ハーバード法科大学院が1995年にウォーレン氏を雇用した際、彼女を「マイノリティー(人種的少数派)」として扱っていたと報じた。
 人種平等の多民族国家、米国では企業や団体の幹部らの顔ぶれに人種の多様性が求められる。大学や新聞社もそうだ。教授が白人ばかり、記者が白人ばかりでは人種問題を云々(うんぬん)する資格はない。逆にいうと、大学や新聞社に職を得る場合、マイノリティーの方が有利なのだ。
 ブラウン氏陣営は「ウォーレン氏は『先住民の血』を利用した」と批判した。「先住民の血」は選挙戦では、マイノリティーの間で支持を広げるための道具となりうる。
 ウォーレン氏はハーバード法科大学院が「マイノリティー」として扱っていたことを知らなかったとしている。大学院側が教授陣の人種的多様性をアピールするため、勝手にそうした可能性もある。
●全米に566部族
 AP通信によると、米国には566の連邦政府公認の先住民部族がある。それぞれの部族が、「部族の血が2分の1以上」「4分の1以上」「部族の言語を話す」といった部族民の条件を定めている。部族民の数は05年時点で200万人。だが、自己申告の国勢調査では先住民は450万人に上る(複数回答を含む)。566のいずれかの部族に登録している者は先住民といっていいだろう。だが、それ以外はどこまで「先住民の血を引く」といえるのかあいまいだ。
 先住民の間でも、ウォーレン氏を先住民とみなすかどうかは見解が分かれる。ウォーレン氏に過去、先住民部族と付き合いがなかっことから「先住民ではない」とする声がある一方、「家系図は関係ない。本人が先住民だというなら先住民なのだ」との声もあるという。
 マサチューセッツ州の家系図協会の見解では、ウォーレン氏には32分の1のチェロキー族の血が混じっていると考えられる。(内畠嗣雅(うちはた・つぐまさ))
http://sankei.jp.msn.com/world/news/120605/amr12060513130004-n1.htm

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