東大新聞オンライン 2015年08月22日 08:03
平和学の父として知られるヨハン・ガルトゥング博士の講演会が21日(金)横浜大さん橋ホールであった。
「日本は世界の平和に貢献することはできない」
高校生・戦後70年「未来」プロジェクトのメンバー2人や、東大駒場キャンパス発のNPO「人間の安全保障」フォーラムの学生事務局有志の代表が、将来の日本への思いを述べたのち、大きな拍手のなかガルトゥング博士が登壇した。
冒頭では、本講演のテーマである「日本は今後どう世界の平和に貢献していくべきなのか」という問いについて触れ、「日本はアメリカに依存しており、これでは平和に貢献することはできない。私が話すことができるのは、もし日本がアメリカに依存しない独立した(independent)国になったときにできることです」と述べ歴代政権を批判した。その一方で、日本の野党や平和運動が、憲法9条に依存し、代わりとなる案を出すことができていないことも厳しく批判した。
北東アジア共同体を
博士は、数百にのぼる紛争解決の調停者としての経験から、相手を理解し共感することや、常識にとらわれずクリエイティブにアイデアを出すことが紛争の解決につながると主張した。北東アジアの現状についても、尖閣諸島や竹島、北方領土の共同管理(joint ownership)や、かつてのヨーロッパで行われたECの試みのように、北東アジア共同体をめざすことなどを提言した。
共同管理は、当事国で利益を分配するのみならず、北方領土であればアイヌ、竹島は北朝鮮の参加も促すべきだとした。
学生は何ができるか
講演の後半では、学生に対するメッセージとして、「独立の日のために準備を(Prepare yourselves for a day of independence)」と語り、日本がアメリカから自立して独自の政策を打ち出し、世界の平和に貢献するために、学生は日々経験を積むようアドバイス。「教科書を読むのも大事だが、人と接することで、身近な問題から人と人の対立を和らげる手法を学ぶのが良い」と語った。
イベントの詳細については後日お伝えします。
(文責 須田英太郎)
「東大の知をひらく」のテーマのもと、東大生の編集部員が運営しています。東大教授や卒業生のインタビューを中心に、いま東京大学で何が起こっているのかをお伝えします。http://www.todaishimbun.org/
http://blogos.com/article/129577/
平和学の父として知られるヨハン・ガルトゥング博士の講演会が21日(金)横浜大さん橋ホールであった。
「日本は世界の平和に貢献することはできない」
高校生・戦後70年「未来」プロジェクトのメンバー2人や、東大駒場キャンパス発のNPO「人間の安全保障」フォーラムの学生事務局有志の代表が、将来の日本への思いを述べたのち、大きな拍手のなかガルトゥング博士が登壇した。
冒頭では、本講演のテーマである「日本は今後どう世界の平和に貢献していくべきなのか」という問いについて触れ、「日本はアメリカに依存しており、これでは平和に貢献することはできない。私が話すことができるのは、もし日本がアメリカに依存しない独立した(independent)国になったときにできることです」と述べ歴代政権を批判した。その一方で、日本の野党や平和運動が、憲法9条に依存し、代わりとなる案を出すことができていないことも厳しく批判した。
北東アジア共同体を
博士は、数百にのぼる紛争解決の調停者としての経験から、相手を理解し共感することや、常識にとらわれずクリエイティブにアイデアを出すことが紛争の解決につながると主張した。北東アジアの現状についても、尖閣諸島や竹島、北方領土の共同管理(joint ownership)や、かつてのヨーロッパで行われたECの試みのように、北東アジア共同体をめざすことなどを提言した。
共同管理は、当事国で利益を分配するのみならず、北方領土であればアイヌ、竹島は北朝鮮の参加も促すべきだとした。
学生は何ができるか
講演の後半では、学生に対するメッセージとして、「独立の日のために準備を(Prepare yourselves for a day of independence)」と語り、日本がアメリカから自立して独自の政策を打ち出し、世界の平和に貢献するために、学生は日々経験を積むようアドバイス。「教科書を読むのも大事だが、人と接することで、身近な問題から人と人の対立を和らげる手法を学ぶのが良い」と語った。
イベントの詳細については後日お伝えします。
(文責 須田英太郎)
「東大の知をひらく」のテーマのもと、東大生の編集部員が運営しています。東大教授や卒業生のインタビューを中心に、いま東京大学で何が起こっているのかをお伝えします。http://www.todaishimbun.org/
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