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ケオル・フォックス: 遺伝子研究にもっと多様性が必要な理由

2017-01-14 | 先住民族関連
TED 1/13(金) 10:15配信
翻訳
小柄なハワイ人の 私の叔母と母が よく話してくれたのが カラウパパという 世界一高い波食崖に囲まれた ハワイのハンセン病コロニーの話と ダミアン神父という ハワイの地域社会に一生を捧げた ベルギー人宣教師の話でした 若い看護師として 叔母が修道女にハンセン病患者の 看護の仕方を指導していたのは ダミアン神父がハンセン病で亡くなって 百年近く経った頃のことでした 叔母は こんな話をしてくれました つづら折りの崖の縁をラバに乗り 叔父が叔母の好きなフラソングを ウクレレで奏でながら カラウパパまで行っていたそうです 子供だった私は いつも 不思議でならないことがありました 1つは ベルギー人の宣教師が これほど完全に孤立した場所― カラウパパのような所を どうして選んだかということです ハンセン病患者を看病すれば 感染は避けられないと わかっていたにも関わらずです 2つ目は ハンセン病の病原菌である ライ菌は何処から来るのか
どうして先住民のカナカ・マオリ族が ハンセン病 「マイパケ」に 罹り易いのか ハワイ先住民の何が特異的なのか という疑問です つまり遺伝子構造の違いを 知りたかったのです 一方 私が高校生になり ヒトゲノム計画が始まって 初めて知ったのですが 我々特有の遺伝的系統と 健康や病気とを結びつけて 考えようとしているのは 私だけではありませんでした ご存知のように 27億ドルのヒトゲノム計画が 我々の特異な遺伝子構造に基づく 予測・予防医療の時代を 約束してくれました これは自明なことですが この夢を達成する為には 多種多様な集団のヒトゲノム配列決定をして 地球上のヒトの遺伝的多様性を すべて捉える必要があるでしょう なのに10年後の今も 信じられないことに 特定疾患に共通した 遺伝的変異に関する ゲノム研究の96%が ヨーロッパ人の祖先を持つ人々だけを 対象としているのです ということは 誰にも明らかなように その他の祖先を持つ人々は 研究全体の4%しかいないのです 私が調べて分かったことは 研究対象の先住民の割合は 1%にも満たないということです それが疑問を投げかけるのです 誰の為のヒトゲノム計画ですか? 1人1人 髪や目の色が異なるように 薬物代謝の仕方も ゲノムのあり方により異なります これをお聞きになると きっと驚かれることでしょう 臨床試験の95%もまた ヨーロッパ系の祖先を持つ人々だけを 対象としているのです このような偏りや 組織的に 先住民が関与しない状況が 臨床試験やゲノム研究で生じたのは 過去に生じた不信感が 原因の1つです その例がこれです 1989年にアリゾナ州立大学の研究者が アリゾナのハバスパイ族から 血液サンプルを採取し ハバスパイ族を悩ませていた 2型糖尿病の苦しみを 和らげると約束しましたが その裏では 同じ血液サンプルを使い ハバスパイ族の人達の同意も得ず 統合失調症や 近親交配の割合を調べた上に ハバスパイ族の起源神話に 疑問を投げかけたのです それを知ったハバスパイ族の人々は 訴訟を起こし70万ドルを勝ち取り ハバスパイ居住区での アリゾナ州立大の研究を禁じました その結果 連鎖反応が起こり アメリカ最大の先住民部族の1つ ナバホ・ネイションを含む アメリカ南西部に住む複数の部族が 遺伝子研究を一時停止に 追い込みました こんな不信感を生んだ歴史が あるにも拘らず それでも先住民は遺伝子研究から 恩恵を受けると私は信じています そして直ちに何かをしなければ 健康の格差は 広がっていくばかりです 例えばハワイは アメリカの他の州と比較すると 平均寿命は最長ですが 私のようなハワイの先住民の寿命は 先住民以外のハワイ住民より 10年も短いのです
肥満と2型糖尿病に かかる割合が最も高く アメリカのトップ2の死因である 心血管疾患と癌の罹患率も一番です では 確実に ゲノム配列決定を最も必要とする人々が 取り残されないようにするには どうすれば良いのでしょう 私の目標は遺伝子研究を もっと その土地に根ざしたものにして ゲノムシーケンシング技術を 先住民の手に委ねることです 通常ゲノムは研究室で 配列決定がなされています これが今までのシーケンサーのイメージです 巨大です 冷蔵庫1台分のサイズです これには明らかに 物理的制約がありますが もし現場でゲノム配列決定が 出来るとしたらどうでしょう? シーケンサーが ポケットサイズになったとしたら? このナノポアのシーケンサーは これまでのシーケンサーの 1万分の1サイズです これで今までのような 物理的制約がなく 電気コードで実験台に つなげる必要もなければ 多くの化学薬品や コンピュータモニターも必要ないのです ゲノムシーケンシング技術が オープンなアクセスし易い 先住民社会に溶け込んだ 協働的なものとなります 先住民社会を活性化し 市民科学者として 力づけるのです 叔母の時代から百年後の今 カラウパパでは ハンセン病の病原菌をリアルタイムで ゲノム配列決定できる技術があります 使用するのは携帯可能な ゲノムシーケンサーと インターネットへのリモートアクセス そしてクラウドコンピューティングです ただしハワイの人々が 希望する場合に限ります
我々が暮らす場所で
我々が求める条件で です 「インディジェノミクス」とは 人々による人々のための科学という意味です 我々は部族のコンサルテーションで 情報を得ることから始め ゲノム情報の使用に関する 是非について 先住民を教育することに 焦点を置いています いつかは我々の インディジェノミクス研究所を持ち そこで 我々独自の研究を行い 次世代の先住民科学者を 育成したいと思っています 最後に 先住民の人々はゲノム研究の対象ではなく パートナーであるべきなのです また先住民でない ダミアン神父がしたように 研究組織は先住民文化に 完全に溶け込んで研究する必要があります これは絶対にやり遂げるべきです マハロ(ありがとう) (拍手)

伝子研究の96%は、ヨーロッパ系の子孫を対象に行われており、世界のその残りは、事実上無視されています。TEDフェローの遺伝学者、ケオル・フォックスは、遺伝子構造により私達の薬物反応の仕方がそれぞれ異なるので、これは危険だと主張します。フォックスは、先住民が研究に参加するのを後押しすることによって、ゲノム配列決定を民主化し、健康格差を是正することを目標として活動をしています。彼はこう訴えます。「研究組織は、研究対象である先住民社会に溶け込んで、研究をする必要が絶対にあるのです」 ( translated by Reiko Bovee , reviewed by Mai Ohta )
動画撮影日:2016/2/15(月) 0:00
http://headlines.yahoo.co.jp/ted?a=20170113-00002528-ted

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アングル:トランプ氏が招く環境論争、米国立公園の掘削解禁で

2017-01-14 | 先住民族関連
朝日新聞 1/12(木) 17:00配信 ロイター
 [11日 ロイター] - トランプ次期米大統領は国立公園など連邦政府所有地でのエネルギー開発を解禁する意向を示しており、正式に大統領に就任すれば開発権のリースが急増するとみられる。ただ、環境保護団体などの抵抗は根強く、米国に残された手付かずの自然の扱いを巡って激しい議論が巻き起こりそうだ。 
 連邦政府が所有する土地は国立公園、野生動物保護区、先住民居留地などを含めて約5億エーカーに上り、北極圏からメキシコ湾まで広い範囲に及ぶ。ここには数十億バレルの原油のほか、天然ガス、石炭、ウラニウムなどの資源が大量に眠っている。
 トランプ氏は大統領選で、連邦政府所有地の利用制限を解禁して開発を拡大することを公約に掲げた。環境保護寄りの政策を採ったオバマ大統領に対しては「リースの制限や石炭の新規掘削の禁止により、われわれの足元に埋っているエネルギー資源の利用を否定した」と批判した。 
 トランプ氏は先月、連邦政府所有地での石炭掘削を支持しているライアン・ジンキ下院議員(モンタナ州)を内務長官に指名。オバマ大統領が地球温暖化対策の一環として2016年に導入した石炭の開発停止措置についても、就任から100日以内に解除すると言明している。
 またトランプ氏が指名した先住民政策検討チームは先住民居留地でのエネルギー開発規制の緩和を検討しており、議論の的となっている居留地の私有化も視野に入れている。
 エネルギーの関連会社やロビイストは、トランプ氏の大統領就任で連邦政府所有地では開発権のリースが一気に増加し、開発が沈滞したオバマ政権下での状況が様変わりすると見込んでいる。
 連邦政府のデータによると、国内の原油生産に占める連邦政府所有地の生産の比率は2015年には約5分の1と、2010年の3分の1強から低下した。
 ロビー団体であるアメリカン・ペトロリアム・インスティテュートのプレジデントであるジャック・ジェラルド氏は連邦政府所有地での開発増加の見通しについて「めったにないチャンスだ。一生に一度かもしれない」と話した。
 しかし訴訟や環境保護団体などによるロビー活動により、連邦政府所有地の利用は順調には進まないかもしれない。
 オバマ大統領は退任間際にユタ州とネバダ州の約160万エーカーの地域を国定記念物に指定しており、これをひっくり返すのは難しいと法律専門家はみている。
 またオバマ大統領は1950年代の法律を活用して連邦政府所有地での水源の新たな掘削も禁止しており、環境保護団体はこの措置の撤回には裁判が必要だと主張している。
 (Annie Knox、Kim Palmer記者)
http://www.asahi.com/international/reuters/CRWKBN14W0CQ.html


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「勇払越え」テーマに作詞作曲 苫小牧の高崎桂昇さんがCD化

2017-01-14 | アイヌ民族関連
苫小牧民報 (2017年 1/13)
 高崎流観昇民謡連合会の会主、高崎桂昇(本名・文幸)さん(65)=苫小牧市拓勇東町在住=が、市内勇払から石狩に物資を輸送するため江戸時代などに用いられたルート「勇払越え」をテーマにした民謡曲「勇払越え」を制作し、CD化した。歌のほか三味線、尺八演奏も自ら担当。歌詞には勇払越えのルートをできるだけ忠実に入れ込んだという。高崎さんは「この曲を通じ、多くの人に民謡への関心を持ってもらえれば」と話している。
 「勇払越え」は近世から近代にかけて、物資を輸送するために用いられた勇払から美々川、千歳川を経て石狩川に至る水路ルート(一部陸路を含む)。勇払越えに関連して1966年、市内で690~850年前の物と推定されるアイヌの丸木舟が勇払川旧河道で発見され、市美術博物館に展示されている。
 高崎さんは5年ほど前に「勇払越え」について知ったが、「言葉の響きにまず引かれ、民謡に合う歌にできればとの思いがずっとあった」と語る。同会は昨年、創立45周年を迎え、高崎さんも同年2月、北海道民謡連盟の最高師範になったのをきっかけに作詞、作曲の準備を進めた。
 市美術博物館の関連展示を見たり、文献を調べ、同年9月ごろに歌詞を完成させた。太鼓とおはやしについては同会メンバーの協力を得て自宅で録音、同年12月下旬にCD1000枚を製作した。
 「勇払越えについて調べていくうちに、丸木舟に乗って川を上ったり、下ったりしながら物を運ぶという情景を思い、想像を絶する当時の苦労や人間の素晴らしさに触れた気がした」と回顧。歌詞は3番まであり、1番は美々川の風景を「遥か古来の夢の旅路を/巡る浪漫の果てしない川」などと表現。2番には「丸木舟と千歳川」、3番には「石狩日本海」などのフレーズを入れた。「曲は民謡独自の音階からは離れないようにし、穏やかで美しい川の流れが出る感じを意識した」と言う。
 民謡は担い手の高齢化が進んでおり、次世代にいかに継承していくかが課題。高崎さんは「古典民謡を大切にしつつ新しく、良い曲を作って多くの人に聴いてもらうことで、民謡の可能性や関心を広げていきたい」と強調。「民謡で歴史観を歌ったものは意外と少ない。今後も歴史をテーマにした曲を作っていければ」としている。
 2月5日午後1時から、市内住吉町のホワイトパークサンシャインで開く同会45周年記念のコンサートで曲をお披露目。会場でCDを販売する。問い合わせは同会 電話0144(55)6750。
http://www.tomamin.co.jp/20170146650

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