会員限定有料記事 毎日新聞2018年9月14日 大阪夕刊
日本の先住民族で、今も北海道に暮らすアイヌ民族の文化や暮らしに密着したドキュメンタリー「Ainuひと」が15日、神戸の元町映画館などで全国に先駆けて公開される。溝口尚美監督は、「日本ではアイヌについて知らない人が多いが、豊かな文化をかっこいいと思ってもらえたらうれしい」と話す。【倉田陶子】
かつてアイヌモシリ(アイヌの大地)と呼ばれた北海道日高地方の平取町には、今も多くのアイヌ民族が暮らしている。アイヌ文化研究に多大な貢献をし、参院議員を務めた故・萱野茂の出身地でもある。明治政府は1869年以降、北海道の開拓を始め、アイヌ民族を「平民」として戸籍を作り、同化政策を進めたため、アイヌ文化は急速に衰退していった。それから約150年、アイヌ語を含めた独自文化継承のために力を尽くしてきた4人の古老の姿を丁寧に追った。
「私自身、アイヌ民族に詳しかったわけではない」と話す溝口監督は、兵庫県加東市出身。映像制作会社を経…
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