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先住民族関連ニュース

先住民族関連のニュース

アイヌと共存図る姿描く 松阪武四郎のミュージカル上演

2018-09-03 | アイヌ民族関連
中日新聞 2018年9月2日

武四郎がアイヌの訴えを記録する場面=松阪市のクラギ文化ホールで
 松阪出身の幕末期の探検家で北海道の名付け親、松浦武四郎を題材にしたミュージカル「松浦武四郎-カイ・大地との約束-」(松阪市主催)が一日、同市川井町のクラギ文化ホールで上演された。秋田県のプロ劇団「わらび座」の十一人の熱演に九百六十人の観客が見入っていた。
 舞台では、アイヌと和人の共存を目指し、蝦夷地と江戸を奔走する武四郎の姿を描いた。武四郎は十八歳で海を渡り、蝦夷地の調査を始めた。案内のアイヌ民族と寝食を共にし、文化や言葉を学びながら探検を進める中、和人によるアイヌへの迫害を目にする。窮状を訴えるアイヌに言う。「書こう。今できる精いっぱいの記録を残そう」
 蝦夷地の自然の雄大さを合唱で表現し、恋人と引き裂かれたアイヌ女性が悲しみを込めた独唱などで物語を盛り上げた。
 劇団は今月、愛知県や東京都、北海道でも公演し、二〇二〇年度からは全国ツアーを開催する。
 (水谷元海)
http://www.chunichi.co.jp/article/mie/20180902/CK2018090202000033.html

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アイヌ出身の特高刑事が真相追う『凍てつく太陽』 葉真中顕(はまなかあき)著

2018-09-03 | アイヌ民族関連
産経新聞 2018.9.2 14:05
 昭和20年1月。北海道・室蘭で陸軍の軍事機密「カンナカムイ」をめぐり、軍需工場関係者2人が毒殺される。遺体発見現場の壁に残されていた血文字は〈ワガナハスルク ワガイカリヲシレ〉-。
 特高刑事でアイヌ出身の日崎が捜査に参画する中、工場関係者がまた殺害される。しかし、憲兵は“自害”で押し通し、日崎は「拷問王」の異名を持つ特高の先輩刑事から第1の殺人でぬれぎぬを着せられ網走刑務所に投獄される。
 憲兵の思惑とぬれぎぬの真相、そして「スルク」と名乗る犯人の正体…。日崎はどこまで迫れるか。登場人物の造形にも脱帽する。(幻冬舎・1800円+税)
https://www.sankei.com/life/news/180902/lif1809020021-n1.html

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道内の文化財を訪ねて 伊達・北黄金貝塚 1万年続いた縄文集落 痕跡にアイヌ「物送り」の原形 

2018-09-03 | アイヌ民族関連
/会員限定有料記事 毎日新聞2018年9月2日 地方版
 噴火湾沿岸の伊達市南部にある北黄金(きたこがね)貝塚。世界文化遺産の推薦候補となった北海道・北東北縄文遺跡群の17遺跡=表参照=の一つだ。縄文前期の貝塚と水場遺跡を中心とした集落遺跡だが、縄文早期から続縄文時代の土器が出土しており、約1万年続いた縄文時代のほぼ全期の生活の痕跡が残されている。貝塚からは道内最古の人骨が発見され、この地域で貝塚は「全ての生き物の墓地」だった。こうした考え方は、全ての物に感謝し再生を願うアイヌ民族の「物送り」の習俗につながったとみられている。【昆野淳】
 縄文前期は、中国文明やメソポタミア文明の始まりの時期に当たる。北黄金貝塚は、国内最大級の縄文遺跡と…
この記事は有料記事です。
残り1238文字(全文1531文字)
https://mainichi.jp/articles/20180902/ddl/k01/040/056000c

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『ゴールデンカムイ』二瓶鉄造役・大塚明夫さんの公式インタビュー到着! 原作ファンでもある大塚さんが好きな台詞は……!?

2018-09-03 | アイヌ民族関連
アニメイトタイムス 2018/9/2 14:00

10月8日(月)よりTOKYO MXほかで放送開始となる、TVアニメ『ゴールデンカムイ』第二期。このたび、二瓶鉄造役・大塚明夫さんの公式キャストインタビューが公開となりました。
二瓶鉄造はアニメ第1期に登場した凄腕の猟師で、埋蔵金のありかを示す刺青をもつ脱獄囚のひとり。原作ファンでもある大塚さんは、キャラクターや作品へ感じること、アフレコ現場でのエピソード、大塚さんがこだわった台詞などについて語ってくれています。
二瓶鉄造役・大塚明夫さんのキャストインタビュー公開
――原作を読まれたときの感想を教えてください。
二瓶鉄造役・大塚明夫さんさん(以下、大塚):元々原作のファンで、自分で単行本を全部買って読んでいたんですよ。ファンの方に勧めてもらったのがきっかけなんですけど、実際に読んでみたら、なるほどこれは面白いな、と。群像劇であるにも関わらず、それぞれのキャラクターがものすごく立っているのが魅力ですよね。アニメになるならぜひ出たいな、と前々から思っていたんですよ。
――では、本作への出演は願ったり叶ったりだったわけですね。
大塚:ええ。ただ、最初にアニメの話を聞いたときに、オーディションはもう終わりました、と言われてしまって(笑)。それで残念に思っていたところに、二瓶役の話をもらったという形です。
――いち原作ファンとして、好きなキャラクターはいますか?
大塚:どのキャラクターも好きだし、演じてみたかったですね。難しいと思っていたのは鶴見中尉なんですけど、演じるのが(大塚)芳忠さんと聞いて納得しました。鶴見中尉ってどこまでが正気でどこからがそうでないかの線引きだったり、相手役へのアプローチの仕方が難しいと思うので。その他のキャラクターも土方とか牛山とか、かっこよくてやりたい役ばかりで、ワクワクしながら原作を読んでました。でも、二瓶役で呼んでいただけたのは嬉しかったです。
――二瓶というキャラクターの印象はどうでしたか?
大塚:あの人はすごくて、アイヌの金塊にはなんの興味もないんですよ。山で生きて山で死にたいというだけの人で、網走監獄で刺青を入れて脱獄したのも、そのためでしかないんですね。つまり、二瓶が持っている世界っていうのは、彼にとっては作品世界に比肩しうるほど大きなものなんです。だから、物語の中に組み込まれてしまってはダメだと思って。彼には彼の世界があって、たまさか金塊の争奪戦と運命がかすっただけでしかない。演じる上でも自分の世界をちゃんと持っていないと、キャラクターに負けてしまう気がしました。そういった意味では、やりがいがありました。わずか2話分ぐらいの出番でしたけど、アニメの全話に負けないくらいの二瓶鉄造物語を作り上げてやろうと思って、燃えましたね。
――アフレコ現場に入る前から、芝居についてプランを立てるタイプですか?
大塚:元々原作を読んでいたからできたことで、普段はそこまで突っ込んだアプローチはしないです。なので、原作ファンで良かったな、と(笑)。原作のファンだからといってプレッシャーもまったくなかったですし、とにかく楽しさばかりでした。
――突き抜けた部分があるキャラクターでありながら、ちゃんと生々しい人間に感じられるところがありますよね。
大塚:明治という時代がいいんじゃないかな。今みたいにSNSで何か言うとすぐ炎上する時代と違って、当時は細かなルールもなく、もっと生きることだけに精一杯だったでしょうしね。現代人が気にするような常識を歯牙にもかけない男たちがゴロゴロいるわけで、それがキャラクターの存在感に繋がっている気がします。白石にしたって、作品の中ではいじられ役で小物扱いされちゃってますけど、今の世の中にいたとしたらすごいダイナミックな男でしょうしね(笑)。
――現場でのやり取りで印象に残っていることはありますか?
大塚:二瓶は谷垣との絡みが非常に多かったんですけど、ストーリーの見方としては、谷垣にとっての成長物語という側面もあるわけです。一方の二瓶はすでに成長しきっているので、その埒外にいる人物なんですね。だから、谷垣が精一杯に一人前の顔をしても、二瓶の手のひらの上で転がされるようなところがあって。谷垣役の細谷(佳正)くんも、いらぬ小芝居をせずにまっすぐに来てくれて、非常にやりやすかったです。
――二瓶の魅力や存在感を出すために重要だと感じたセリフはありますか?
大塚:むしろセリフで人となりをあまり表現しないように心がけていました。二瓶はそういうのが、さほど得意じゃない人のような気がしましたので。イメージとしては、言葉の塊をボロっとその場に放り出すような感じです。とはいえ、意外とおしゃべりな人ですし、アニメを観た人からは、十分表現してるよ、と言われるかもしれませんが(笑)。
――では、いち原作ファンとして好きなセリフはありますか?
大塚:「一発だから腹が据わるのだ」ですかね。二瓶の生き様をよく表している言葉だと思いますので。実は収録のときにもこだわって、台本では「一発で決めねば殺される」となっていたのを、監督にお願いしてこのセリフに変えてもらったんですよ。最初のセリフもちゃんと原作にあるものなんですけど、僕としては「一発だから腹が据わるのだ」のほうを残したくて。二瓶にとって獲物に殺されることはさしたる問題ではなく、腹が据わって上手く命中することのほうが大事ですから。
あと、「やっぱり女は恐ろしい」というセリフも印象的でした。野放図な無法者なんだけど、それでも女は怖いと思っているところが面白いじゃないですか。たしかにカミさんにとっちゃ、男の勝負なんて関係ないよな、と納得しちゃいますよね(笑)。二瓶の諧謔性のようなものがにじみ出ているセリフだと思うし、こういう一面があるところもひとつの魅力のような気がします。
――二瓶のセリフと言えば、「勃起」も強烈な印象を残しました。
大塚:あれも別に変態性欲の表れということじゃなく、生きることに対する大らかさが出ている感じですよね。現代社会で連呼していたら、すぐにヘンな人だと思われちゃうでしょうけど(笑)。「心が躍る」みたいなことを、彼なりのヘンなボキャブラリーで表現するとああなるってことなんでしょうね。
――アフレコ現場の雰囲気はいかがでしたか?
大塚:楽しかったですよ。息子みたいな年齢の子たちと絡むのも面白いですけど、一方でベテランの人と絡むのはまた違った面白さが明らかにあって。長く生き残るにはなかなか骨の折れるこの業界で、ベテランの人は何かしら持っているからこそ生き残っているわけです。それに、若い頃は求められた役割からはみ出さないことに意識が向かいがちなのに対して、ベテランになると、どれだけはみ出せるかが勝負みたいなところがあったりしてね(笑)。とくにこういう作品の場合、演じる人がキャラクターの存在に負けちゃうとつまらなくなってしまうので、キャラクターからはみ出すくらい自己主張したほうが良かったりするんですよ。それができる人たちが絡むことで相乗効果が生まれて、ドラマをさらにもり立てるようなところもあったと思います。最近はそういう意識を持った若い人もけっこう出てきているので、業界的にも面白くなってきていますね。
――アニメでの二瓶の活躍を、どのようにご覧になりましたか?
大塚:二瓶役で出られたのは嬉しいんですけど、すぐに死んじゃうのがね(笑)。欲を言えば、トータルであと15分欲しかったかな。ロングショットからジワーッとカメラが二瓶に寄っていくような沈黙を活かしたシーンがもう少しあると、大自然の中で勝負をしている緊張感がより一層出たんじゃないかと思って。とはいえ、30分のアニメでそれをやるとテンポが出なくなるし、決まった尺の中で描かなきゃいけない内容もありますから、なかなか難しい面があるとは思うんですけども。それと、数話しか登場しないのに、オープニングにちゃんと出ていたのが嬉しかったですね。
――本作への出演を振り返って、メッセージをお願いします。
大塚:普通は物語に沿って芝居をしていくものなんですけど、二瓶はそれがまったく当てはまらない存在でした。作品の大きなストーリーに背を向けていながらも、ちゃんと存在感のあるキャラクターをやるのは本当に楽しかったですね。物語に溶け込まない存在だし、好きにやっていいかな? みたいな(笑)。演じるのがとても楽しく、楽しませていただきありがとうございました、という気持ちです。あとは、アニメでは描き切れなかった二瓶鉄造物語をまたいつかできたらいいな、と心から願っています(笑)。10月から始まる第二期では、スタッフとキャストの皆さんに原作のダイナミックな魅力をさらに盛り上げてもらって、現代の男たちにまた檄を飛ばしてほしいですね。
作品情報
TVアニメ『ゴールデンカムイ』
原作コミックスシリーズ累計800万部突破!
マンガ大賞2016/第22回手塚治虫文化賞「マンガ大賞」受賞!
冒険・歴史・文化・狩猟グルメ・GAG&LOVE 和風闇鍋ウエスタン!
話題の極上エンターテイメントコミック、ついに!まさかの!TVアニメ化!
第二期 10月8日(月)より放送開始ッ!!
第一期 放送&各話無料配信中ッ!!
■TVアニメ『ゴールデンカムイ』第二期放送情報
TOKYO MX:10月8日より毎週月曜23:00~
読売テレビ:10月8日より毎週月曜25:59~
札幌テレビ:10月8日より毎週月曜25:44~
BS11:10月8日より毎週月曜25:00~
時代劇専門チャンネル:10月12日より毎週金曜26:00~
FOD(見放題独占):10月8日より毎週月曜23:00配信
■TVアニメ『ゴールデンカムイ』第一期(第一話~第十二話)再放送&新規放送情報
TOKYO MX:毎週土曜21:00~ 
札幌テレビ:毎週月曜25:44~
とちぎテレビ:毎週木曜23:00~
青森朝日放送:毎週土曜25:35~
■配信情報
FOD(見放題独占):毎週金曜24:00~各話無料配信
※第一話は常時無料配信中
※各話を毎週金曜24時から【一週間限定】で無料配信
第一期(第一話~第十二話)配信中
【イントロダクション】
舞台は気高き北の大地・北海道!!
アイヌから奪われた金塊を巡る、生存競争サバイバル開幕ッッ!!!
明治時代後期。「不死身の杉元」の異名を持つ日露戦争の英雄・杉元佐一は、ある目的のために大金を手に入れるべく北海道にいた。そこにアイヌから奪われた莫大な埋蔵金という、一攫千金のチャンスが舞い込む。埋蔵金は網走監獄に収監中の男によって隠匿され、24人の脱獄囚の身体に刻まれた刺青がその在り処を示す手がかりだという。
そんな折、ヒグマの襲撃を受けた杉元を、ひとりのアイヌの少女が救う。名をアシ(リ)パというその少女は、埋蔵金を奪った男に父親を殺されていた。さらに杉元の動きに呼応するように、かねてより埋蔵金を狙って暗躍していた北の最強部隊・第七師団や刺青を背負う脱獄囚たちの動きも顕在化。果たして、雄大な北の大地を舞台に巻き起こった一攫千金サバイバルの行方は……!?
原作は「週刊ヤングジャンプ」にて連載中の、野田サトルによる大ヒット漫画。既刊のコミックス1~14巻でシリーズ累計800万部を突破し、マンガ大賞2016や第22回手塚治虫文化賞「マンガ大賞」に輝いた実績も持つ、いまもっともアツい漫画である。TVアニメ化にあたっては、新進気鋭のアニメーションスタジオであるジェノスタジオのもとに難波日登志監督をはじめとする実力派スタッフが集結。埋蔵金を巡るアクション&サスペンスを軸に、狩猟、グルメ、歴史などの五感を刺激する多彩な魅力が炸裂する極上のエンターテイメントが、アニメーションとなって動き出す!
●3分で振り返り!TVアニメ「ゴールデンカムイ」第一期スペシャル映像公開中
https://www.youtube.com/watch?v=H4cw3kEE0ZQ
【スタッフ】
原作:野田サトル(集英社「週刊ヤングジャンプ」連載)
監督:難波日登志(「Fate/Grand Order -First Order-」)
助監督:川越崇弘
シリーズ構成:高木登(「黒子のバスケ」)
キャラクターデザイン:大貫健一(「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」キャラクター作画監督)
メインアニメーター:羽山淳一
銃火器設定:渡辺浩二
プロップ設定:浅沼信也
動物設定:墨佳遼
美術監督:森川篤
色彩設計:茂木孝浩
撮影監督:戸澤雄一朗
CGディレクター:奥村優子/濱田康平
編集:定松剛
音響監督:明田川仁
音響制作:マジックカプセル
アイヌ語監修:中川裕
音楽:末廣健一郎
第一期オープニングテーマ:MAN WITH A MISSION「Winding Road」
第一期エンディングテーマ:THE SIXTH LIE「Hibana」
第二期オープニングテーマ:さユり×MY FIRST STORY「レイメイ」
第二期エンディングテーマ:eastern youth「時計台の鐘」
アニメーション制作:ジェノスタジオ
製作:ゴールデンカムイ製作委員会
【キャスト】
杉元佐一:小林親弘
アシ(リ)パ:白石晴香
白石由竹:伊藤健太郎
鶴見中尉:大塚芳忠
土方歳三:中田譲治
尾形百之助:津田健次郎
谷垣源次郎:細谷佳正
牛山辰馬:乃村健次
永倉新八:菅生隆之
TVアニメ「ゴールデンカムイ」公式サイト
TVアニメ「ゴールデンカムイ」公式ツイッター(@kamuy_anime)
原作「ゴールデンカムイ」公式サイト
原作「ゴールデンカムイ」公式ツイッター(@kamuy_official)
https://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1535860341

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蔓延する外国人農業労働者への人権侵害と過剰労働。国家戦略特区による受け入れ増でますます増える可能性

2018-09-03 | アイヌ民族関連
HARBOR BUSINESS 9/2(日) 8:40配信
◆安倍首相の肝いりで始められる、国家戦略特区を使った外国人農業労働者受け入れ
 日本の農業をめぐる最新のトピックスは、外国人農業労働者の受け入れ問題だろう。これまでも技能実習生という形でアジアの若者たちを受け入れてきているが、今進んでいるのは、より大規模に単純労働者として移入しようというものだ。
 安倍首相は今年6月5日の経済財政諮問会議で人手不足が深刻な建設や農業、介護など5業種を対象に2019年4月から、「これまで認めていなかった単純労働に門戸を開く」という方針を示した。農業分野は、当面は地域を国家戦略区特区に限定するが、近いうちに全国に波及させることになっている。
 農業者受け入れの国家戦略特区には現在、新潟・愛知・京都・大阪などの関西圏が名乗りをあげているが、関心を示す自治体は多く、米子市を中心とする鳥取西部も提案書を公表している。
 農業に対する外国人労働者の受け入れは農協も積極的だ。それだけ農業の人手不足が深刻だということもあるが、同時に安倍政権が進める「攻めの農業」「強い農業」路線への迎合という側面もある。まず現在の実態を見ていこう。
◆現在の「外国人技能実習生」による農業労働でさえ、不法就労や失踪が多発
 農業への外国人労働者の就業は、現在は「外国人技能実習生」に限られている。技能実習生というのは、「日本の優れた技能を習得させて出身国の発展に貢献する」という大義名分をもっている。
 しかし実際には、“政府が管理する、安上がり労働力の派遣”という状況が生まれていることは公然の事実だ。農水省の資料によると、研修を目的とした新規入国者は2017年で約8万3000人、うち農業分野は6600人でこの5年間で倍増している。
 しかしこれはあくまで公式の数字で、事態は相当の外国人が農業分野で働いている。水産業や林業を加えるともっと多くなる。仕事の対象も、もともとは畑や施設園芸、畜産などに限られていたが、近年食品加工や製造も加えられたため、けっこう広がっている。
 いわゆる不法就労者を含め、いったいどれくらいの外国人労働者が農林水産業で働いているかはつかみきれていない。ちなみに政府の数字では、2017年に強制退去になった外国人のうち不法就労者は4万600人、うち農林水産業は851人だった。
 しかしこれは“氷山の一角”である。また法務省の資料によると、雇用先から失踪した技能実習生は2017年で1207人。建設業の2582人に次いで多かった。
 農業分野が外国人労働者を求める背後には、農業従事者の高齢化と、それに伴う労働力不足がある。実際、大都市市場向けの野菜の大きな産地は、外国人労働者なしには産地が維持できなくなっているのが事実だ。
 長野や群馬の高原野菜、茨城県南部のメロンや野菜、栃木のイチゴ、夕張のメロンなど、どこも同じだ。外国人労働者がいくなると、東京の消費者は野菜を食べられなくなるといっても過言ではない。
◆空腹に絶えかねて放牧中のヤギを食べ、窃盗で逮捕された外国人実習生も
 これら外国人農業労働者の労働環境の悪さにも定評がある。何年か前、技能研修生を含む移住労働者問題に取り組んでいる労働組合関係者からこんな話を聞いた。
 栃木のイチゴ産地での話だが、実習先の農家(雇用主)にパスポートを取り上げられ、納屋に作られた宿舎で寝起きさせられ、ろくに賃金も払ってもらえなかった中国人研修生の話だ。
 3人いた中国人研修生はある日、手に手を取って逃げ出し、成田に向かった。途中、相談に乗ってくれていた労働組合に「いま逃亡中」と電話、労働組合側は急きょ人を成田に派遣し、カウンターで待ち構えた。やがて研修生たちが到着、それを追って雇用主も現れた。労働組合側は研修生を保護するとともに雇用主と交渉してパスポートを取り戻した。
 岐阜県美濃加茂市では、ろくに食事がとれずに、除草で放牧されていたヤギを食べて、窃盗で逮捕されたベトナムからの実習生もいた。2014年8月のことだ。
 長野のトマト農園で働いていた2人のベトナム人は、その後の裁判でその厳しい労働実態が明らかになった。労働時間は毎日午前6時から翌午前2時まで。午後5時までは自給は750円だが、そのあとが収穫1袋いくらの出来高払い。1000袋詰めた日もある。「寮」は農機具小屋で、トイレもない。約2平方メートルの部屋で寝起きし、家賃として月2万円を給料から差し引かれた。
◆国家戦略特区では、民間の派遣会社が外国人農業労働者の管理を行う
 2018年8月16日から17日にかけて開かれた国連人種差別撤廃委員会では慰安婦問題や人身売買、ヘイトスピーチやアイヌ差別と合わせて、日本の外国人技能研修生の実態が問題になった。
 国連側から日本政府に対し「研修制度は人権保護の目的においては不十分であり、技能実習生の多くが入国前に借金をしているために、搾取されやすい状況にある」という指摘があった。
 日本における外国人農業労働者は、現在の政府管理下にある技能実習生でさえ、こうした実態に置かれている。しかし国家戦略特区では、外国人労働者の農業への受け入れで主役になるのは派遣会社で、運営は民間に移る。
 ブラック雇用を生みだし、貧困拡大の温床となったと批判されている派遣制度。それがそのまま、言葉もできず日本の法律知識もない外国人労働者に適用されることになる。
 派遣労働者である外国人農業労働者は、実際に働く農場や農産物加工工場に雇用責任はない。都市部ならともかく全国の農山漁村に働き場が散らばったら、労働基準監督署も管理のしようがない。 長時間の過重労働、賃金未払い、人権侵害の温床となることは目に見えている。
<取材・文・撮影/大野和興>
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180902-00173983-hbolz-soci

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