苫小牧民報2019/5/25配信
北海道観光の在り方などについて活発に意見を交わした国際シンポジウム
【後志管内倶知安町・伊藤真史】10月に倶知安町で開催されるG20観光相会合に向けて行われた次官級会合は25日、地方創生国際シンポジウム(観光庁、倶知安町、G20観光大臣会合実行委員会主催)が同町の公民館で開かれた。参加各国の代表者など約600人が参加。道内で観光分野に関わる関係者らが登壇し、人材育成の必要性や自然を活用した多様な観光サービスの提供、アイヌ文化を生かし、住民を巻き込んだ本道観光の在り方を示した。
ニセコ町の片山健也町長は「小さな世界都市ニセコ」を目標に街づくりを進めていると説明した。同町ではウインターレジャーをはじめ世界中から観光客が押し寄せ、就労する外国人も急増。ニセコ観光圏3町(ニセコ、倶知安、蘭越)で49カ国1228人が住み、さまざまな国籍の子供たちが公立の小中学校やインターナショナルスクールに通って町民との異文化交流が進んでいる。
片山町長は地元で観光産業を担う人材育成を進めたいとし、「大学サテライト校の設置を含め連携できないか」と提言した。
オーストラリア出身でニセコアドベンチャーセンターのロス・フィンドレー社長は、観光客に自然を活用したアクティビティー(遊び・体験)を通年提供する会社をニセコ町で1995年に創業。国土交通省の観光カリスマに認定されている。「パウダースノーが世界一の品質だから各国からスキーヤーが訪れる」と強調。その上でスキーにとどまらず「ニセコという一つのリゾート地に誰でも体験できるアクティビティーがたくさんあった方が盛り上がる」と述べた。
阿寒アイヌ工芸協同組合の秋辺日出男専務理事は、「かつて道民の中にはアイヌ文化に触れてはいけない雰囲気があった」と振り返った。近年は自然、文化、歴史を観光の対象とし、環境保全とその持続可能性を考える「エコツーリズム」が普及。先住民族にもスポットが当たり、アイヌ文化を観光の一つとしながら北海道の未来を切り拓いていく環境になってきたと説明。「地元民が主体性を持って観光客にアピールしていこう」と呼び掛けた。
シンポジウム終了後、観光庁の田端浩長官は「持続可能な観光をどう取り組んでいくべきか、さまざまな議論が行われた」と総括。10月25、26日に行われる観光相会合では共同声明を出すことで調整していることを明かした。
https://www.tomamin.co.jp/news/main/16358/
北海道観光の在り方などについて活発に意見を交わした国際シンポジウム
【後志管内倶知安町・伊藤真史】10月に倶知安町で開催されるG20観光相会合に向けて行われた次官級会合は25日、地方創生国際シンポジウム(観光庁、倶知安町、G20観光大臣会合実行委員会主催)が同町の公民館で開かれた。参加各国の代表者など約600人が参加。道内で観光分野に関わる関係者らが登壇し、人材育成の必要性や自然を活用した多様な観光サービスの提供、アイヌ文化を生かし、住民を巻き込んだ本道観光の在り方を示した。
ニセコ町の片山健也町長は「小さな世界都市ニセコ」を目標に街づくりを進めていると説明した。同町ではウインターレジャーをはじめ世界中から観光客が押し寄せ、就労する外国人も急増。ニセコ観光圏3町(ニセコ、倶知安、蘭越)で49カ国1228人が住み、さまざまな国籍の子供たちが公立の小中学校やインターナショナルスクールに通って町民との異文化交流が進んでいる。
片山町長は地元で観光産業を担う人材育成を進めたいとし、「大学サテライト校の設置を含め連携できないか」と提言した。
オーストラリア出身でニセコアドベンチャーセンターのロス・フィンドレー社長は、観光客に自然を活用したアクティビティー(遊び・体験)を通年提供する会社をニセコ町で1995年に創業。国土交通省の観光カリスマに認定されている。「パウダースノーが世界一の品質だから各国からスキーヤーが訪れる」と強調。その上でスキーにとどまらず「ニセコという一つのリゾート地に誰でも体験できるアクティビティーがたくさんあった方が盛り上がる」と述べた。
阿寒アイヌ工芸協同組合の秋辺日出男専務理事は、「かつて道民の中にはアイヌ文化に触れてはいけない雰囲気があった」と振り返った。近年は自然、文化、歴史を観光の対象とし、環境保全とその持続可能性を考える「エコツーリズム」が普及。先住民族にもスポットが当たり、アイヌ文化を観光の一つとしながら北海道の未来を切り拓いていく環境になってきたと説明。「地元民が主体性を持って観光客にアピールしていこう」と呼び掛けた。
シンポジウム終了後、観光庁の田端浩長官は「持続可能な観光をどう取り組んでいくべきか、さまざまな議論が行われた」と総括。10月25、26日に行われる観光相会合では共同声明を出すことで調整していることを明かした。
https://www.tomamin.co.jp/news/main/16358/