先住民族関連ニュース

先住民族関連のニュース

ウポポイPRへラッピング列車も 快速エアポート

2020-01-16 | アイヌ民族関連
北海道新聞 01/16 05:00
 政府は、ウポポイの開業に向けたPR活動を強化する。JR北海道と連携し、札幌―新千歳空港間を運行する快速エアポートの一部列車をラッピング列車として走らせる。JR白老駅の副駅名称も「ウポポイ前」として、特急車内でアイヌ語を使ったアナウンスも検討する。「来場者年間100万人」の目標達成へ、知名度向上を図る。
 ラッピング列車は、22編成(1編成6両)ある快速エアポートのうち、2編成が対象となる見通し。車体の左右両面にウポポイのロゴマークなどのデザインを施したフィルムを複数貼り付け、ウポポイ開業の直前から3カ月間運行させる。
 白老駅ではダイヤ改正の3月14日に合わせ、ホームや駅舎にある駅名看板の隣りに副駅名称として「ウポポイ前」と記した日本語や英語の看板を掲示する。副駅名称はJRが広告収入を見込んで昨夏に始めており、契約費は年間300万円となる見通し。政府は3年間の掲示を想定している。(長谷川紳二)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/383589


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地域に根ざし文化発信 ウポポイ開業まで100日

2020-01-16 | アイヌ民族関連
北海道新聞 01/16 05:00
 15日で残り100日となったアイヌ文化復興拠点「民族共生象徴空間(ウポポイ)」の開業を見据え、施設ができる胆振管内白老町以外でも各地に根ざした文化を発信する取り組みが進んでいる。アイヌ文化はもともと地域ごとに方言や伝承、歴史などが少しずつ違い、ウポポイは各地の伝承や発信の基点となる「扇の要」。ウポポイ内でもそれぞれの地域の特色をどう表現するか、模索が続く。(1面参照)
 「阿寒湖を囲む自然の中をアイヌの目線で巡る。ここでしか体験できない魅力がつまった旅になる」。釧路市の阿寒アイヌ工芸協同組合の秋辺日出男専務は、6月から阿寒湖畔で始まるガイドツアーに自信をのぞかせる。
 ツアーはJTBの道外客向け旅行のオプションとして販売し、同組合が運営。アイヌ民族のガイドと湖周辺の森などを歩き、自然を尊重するアイヌの世界観やガイド自身の思い出話に耳を傾け、アイヌ料理も味わってもらう約半日のコースだ。料金は1人約1万4千円で、今月31日から全国で発売する。
■民族の視点で
 ツアー作りは、秋辺さんら道内6地域のアイヌ民族や旅行会社などで構成する「アイヌ文化周遊ルートづくり協議会」が2017年から進めてきた。昨年末からは旭川市の旭山動物園の動物をアイヌ民族の視点で解説するツアーも販売している。
 昨年11月に行った協議会関係者向けのモニターツアーでは、札幌市の北大構内や日高管内平取町のアイヌ工芸家の工房などを巡り、商品化を模索した。秋辺さんは「それぞれの地域の特色を見つけ、磨き上げることは自分たちの文化を次世代に引き継ぎ、豊かにする」と強調する。
 アイヌ文化の地域性は、明治以降の同化政策や差別を受け、薄れてきた経緯がある。そのため、ウポポイ内の国立アイヌ民族博物館では、アイヌ語の展示解説に旭川や平取など各地の方言を採用。展示の目玉として、樺太のアイヌ民族がかつて伝統儀式「イオマンテ(熊の霊送り)」でクマをつないだ豪華な装飾具の復元に取り組むなど各地域の特色を生かした展示に知恵を絞る。
■体験型模索も
 ただ、地域性を生かした舞踊などの体験型プログラムの内容についてはまだ手探りが続く。また国内外から訪れる人々に道内各地のアイヌ関係施設を周遊してもらう具体策づくりも今後の課題だ。開業後にウポポイで上演する舞踊の指導に協力する帯広カムイトウウポポ保存会の酒井奈々子会長は「各地で地道に活動する人たちの思いに寄り添いながら進めてもらえたら」と願う。
 北大アイヌ・先住民研究センターの山崎幸治准教授は「地域によってアイヌ民族を巡る状況や課題はさまざま。それぞれの地域に合う連携の形を探ることが欠かせない」と指摘。その上で「各地のアイヌの人たちにとってもプラスになる事業やイベントを組み立て、アイヌに愛される施設になるかが本当の意味でのウポポイ成功の鍵だ」とする。(斉藤千絵)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/383589

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史実とフィクションに議論 川越宗一さんの「熱源」

2020-01-16 | アイヌ民族関連
北海道新聞 01/16 05:00
 直木賞を受賞した川越宗一さんの「熱源」について、文学作品としての面白さや北海道のアイヌ民族とは異なる樺太アイヌに注目した点を評価する声が上がった。史実とフィクションの混在する記述が誤解を招きかねないとの意見もある。
 作家の池澤夏樹さんは「白瀬矗(のぶ)の南極探検隊に犬の世話係として参加したことで知られる樺太アイヌの山辺安之助(やまべやすのすけ)を主人公とし、知られるかぎりのファクト(事実)を基準点として、その隙間を想像で埋めている作品だ」と指摘する。「友人で言語学者の金田一京助、ポーランド出身の民俗学者ブロニスワフ・ピウスツキも登場し、山辺が白瀬隊のパトロンだった大隈重信と会話する場面もある。一個の英傑の生涯を書いて、周辺の人々をも大きく動かし、フィクションの部分の作りも大胆で、先を追って読ませる力は充分ある」と魅力を語る。
 樺太アイヌ語の監修などで取材協力した村崎恭子・元横浜国立大教授も「これまであまり注目されてこなかった樺太アイヌにスポットライトを当てたことを評価したい。フィクションではあるが、実在した樺太アイヌの人たちを生き生きと描いた」と受賞を喜ぶ。
 一方、ピウスツキ研究の第一人者の井上紘一北大名誉教授は「作品自体は面白いが、例えばクマ送りに山辺保之助ら主な登場人物が一緒に参加している場面などは事実ではなく、セーヌ川に投身自殺したという説が有力なピウスツキが銃で撃たれる場面もある。特に重要なフィクション部分は解説などを加えるとよいのではないか」と話している。(中村康利)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/383576

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ウポポイ開業まで100日 さっぽろテレビ塔ライトアップ

2020-01-16 | アイヌ民族関連
北海道新聞 01/15 21:44
 国が胆振管内白老町に建設中のアイヌ文化復興拠点「民族共生象徴空間(ウポポイ)」の開業まで100日となった15日、札幌市中央区のさっぽろテレビ塔が紺と赤の特別色にライトアップされた。国立アイヌ民族博物館や体験交流ホールなど主要施設は昨年末までに工事が完了し、3月にも展示品の搬入が始まる。
 ライトアップは4月24日の開業をPRするために道が行った。15日午後4時半、テレビ塔はウポポイのロゴマークに使われている2色に点灯。数秒おきに模様も変化し、市民や観光客らが珍しそうに見上げたり、写真に収めた。
 開発局によると、残る建物の工事は伝統的なチセ(家)のみで、計4棟を2月上旬までに建て終える予定。博物館を管轄する文化庁は内装を整えた後、展示品を搬入する。現在は白老町内の仮事務所で準備を進めている職員も2月をめどに完成した施設に拠点を移すという。(斉藤千絵)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/383536

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直木賞にアイヌ民族描いた川越宗一さん 芥川賞は古川真人さん

2020-01-16 | アイヌ民族関連
北海道新聞 01/15 20:24 更新
 第162回芥川賞、直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が15日、東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれ、芥川賞は古川真人さん(31)の「背高泡立草」(「すばる」10月号)に、直木賞は川越宗一さん(41)の「熱源」(文芸春秋)に決まった。
 古川さんは福岡市生まれ、横浜市在住。デビュー以来、九州の小さな島にルーツを持つ一族の物語を書き継ぎ、受賞作では長崎の島での過去と現在の出来事を断章を連ねるようにつづった。選考では「土地に根付いた歴史の重層性を巧みにすくい上げた」と評価された。
 川越さんは鹿児島県生まれ、大阪市出身、京都市在住。2018年に松本清張賞を受けデビュー。受賞作は樺太が舞台の歴史小説。近代化の波にのみ込まれていくアイヌ民族の人たちの信念と運命を描き「近年まれに見る大きなスケールの小説世界」と称賛された。
 賞金は各100万円。贈呈式は2月下旬、東京都内で開かれる。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/383461

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登別でアイヌ文化普及啓発コースターのデザインが決定

2020-01-16 | アイヌ民族関連
室蘭民報 【2020年1月15日(水)朝刊】

 登別市がアイヌ文化の普及啓発の一環として取り組んでいた、アイヌ文様をあしらったコースターのデザインが決まった。2種類(1万枚ずつ)あり、ともに登別を連想させる仕上がり。2月から順次市内飲食店で配布される予定。
 コースターは、アイヌ文化の普及と経済活性化を狙いつくった。市内飲食店を利用した来店客に、無料で配布する内容だ。
 デザインは2種類。一つ目は、登別温泉をほうふつとさせる湯煙を、アイヌ文様の一種である「モレウ文」で表現している。「モレウ文」は緩やかな渦巻きの形状をしており、湯煙がもくもくと立ち込めるような光景にぴったりの仕上がりだ。
 二つ目は、登別を代表するテーマパークの一つ・のぼりべつクマ牧場をイメージして、クマがアイヌ民族衣装を身に着けているようなイメージ。同じくアイヌ文様の一種で、とげが付いているような「アイウシ文」をあしらっている。
 両デザインともに、「のぼりべつ NOBORIBETSU」の文字も記している。
 市は今後、市内飲食店を通じてコースターを配布する計画で、現在配布可能な店舗を募集している。対象店舗は、昼間営業(午前11時~午後2時)しており、週平均5日以上開店していること(不定休は原則不可)。店内飲食が可能なほか、インターネットで店舗場所や営業時間が把握できることも要件。
 一つ目のコースターは2月、二つ目のコースターは3月にそれぞれ配布する。問い合わせは市商工労政グループ、電話0143・85局2171番へ。
(石川昌希)
【写真=アイヌ文様コースターに活用されるデザイン2種(提供写真)】
http://www.muromin.co.jp/murominn-web/back/2020/01/15/20200115m_05.html

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トナカイは樺太アイヌ語 直木賞受賞作で注目の「樺太アイヌ」とは

2020-01-16 | アイヌ民族関連
京都新聞 2020年1月15日 19:50
樺太アイヌは、樺太(サハリン)で暮らしていた少数民族。弦楽器「トンコリ」は樺太アイヌに伝わる楽器で、犬ぞりなど北海道のアイヌ民族とは異なる言語や文化を育んでいた。
サハリンに国境線が引かれていなかった明治維新当時、樺太アイヌ約2400人が暮らしていたとされる。1875年の樺太千島交換条約で日本は全サハリンをロシアに譲渡。樺太アイヌの一部は北海道江別市対雁の開拓地に強制移住させられ、疫病で半数近くが死亡するなど辛酸をなめた。日露戦争で日本は南樺太を領土とし、樺太アイヌは人口1200~1500人とされたが、多くが敗戦後、日本各地に離散した。
「樺太アイヌ語」を母語とする最後の話者は1994年に北海道で亡くなり、一人もいなくなった。でも日本人は誰でも一言だけ、樺太アイヌ語を知っている。「トナカイ」は樺太アイヌ語由来。
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/125141

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直木賞に川越宗一さんの「熱源」…湊かなえさんは4回目の候補も落選

2020-01-16 | アイヌ民族関連
スポーツ報知 1/15(水) 18:29配信
 第162回芥川賞・直木賞の選考会が15日、東京・築地の新喜楽で開かれた。
 直木賞には、川越宗一さん(41)の「熱源」(文藝春秋)が初の候補入りで選ばれた。
 湊かなえさん(46)の「落日」(角川春樹事務所)は4回目の候補入りも選に漏れた。
 正賞は時計で副賞は100万円となる。
 ◆そのほかの候補作 小川哲さん(33)「嘘と正典」(早川書房)、呉勝浩さん(38)「スワン」(KADOKAWA)、誉田哲也さん(50)の「背中の蜘蛛」(双葉社)、湊かなえさん(46)「落日」(角川春樹事務所)
 ◆直木賞選考委員 浅田次郎、伊集院静、角田光代、北方謙三、桐野夏生、高村薫、林真理子、宮城谷昌光、宮部みゆき
 今回の選考について、選考委員を代表して会見した浅田次郎さんは「今回は初ノミネートという方が多くて混戦が予想されましたが、第一回の投票で川越さんが一歩抜きん出ていた。2回目の投票の4作が残りました」とした。
 「その結果として、川越さんの作品に決定した。アイヌという異民族への解釈が優れていた。逆に少しアイヌへの理解は足りないのではという意見もあったが、近年まれに見る大きなスケールで小説世界を築き上げていた。登場人物も生き生きと魅力的だった。そうとう難しい資料で大きな作品を書いたと評価した」と受賞理由を明かし、「(決戦投票に)3作残すかか4作残すかの議論があった。二次に小川さん、誉田さんを残し、そこに湊さんを加えるかどうかという議論があった。小川さんが次点でした」とした。
 「湊さんの作品は個人的意見ですが、数を書いてらっしゃる、売れてらっしゃるということでストーリーテリングには一日の長があった。湊さんを決戦投票に残さないのはおかしいのではないかという意見があった。売れているということは支持があるということ。そこで湊さんも加えたが、あまり強く押す意見がなく残念でした」とした。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200115-01150135-sph-soci

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直木賞に川越宗一さん「熱源」 芥川賞に古川真人さん

2020-01-16 | アイヌ民族関連
朝日新聞 1/15(水) 18:04配信
 第162回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が15日、東京・築地の「新喜楽」で開かれ、芥川賞に古川真人さん(31)の「背高泡立草(せいたかあわだちそう)」(すばる10月号)、直木賞に川越宗一さん(41)の「熱源」(文芸春秋)が選ばれた。副賞は各100万円。贈呈式は2月下旬、東京都内で開かれる。
 古川真人さんは1988年、福岡市生まれ、横浜市在住。高校時代に小説を書き始め、国学院大学では近代日本文学の研究会に所属した。2016年、「縫わんばならん」で新潮新人賞を受賞しデビュー、芥川賞候補に。以降「四時過ぎの船」(17年)、「ラッコの家」(19年)と候補に挙がり、今回で4度目の候補だった。
 受賞作は一貫して書いてきた九州の島に本家がある一族の物語。濃密な方言を多用しつつ、草刈りに来た家族の意識と、その島にまつわる江戸時代から現代までの記憶を交互に描いた。
 選考委員を代表して島田雅彦さんが「草刈りという退屈な作業を描く中で、その土地の歴史的な重層性を巧みにすくいあげたことが評価された。時空を超えたエピソードを織り込み、語り口も読みやすくなった」と講評した。
 古川さんは受賞会見で「同じことをくどくどと、遅い歩みの書き方しかできないと思っていた。延々とこれを書いていこうという気持ちと、いつか通じるだろうという気持ちがありました」と緊張気味に語った。
 川越宗一さんは1978年、大阪市生まれ、京都市在住。龍谷大学文学部史学科中退。18年「天地に燦(さん)たり」で松本清張賞を受賞しデビュー。19年、2作目の「熱源」が山田風太郎賞の候補に入り、本屋が選ぶ時代小説大賞を受賞。初めて直木賞の候補となった。
 受賞作は、樺太(サハリン)で生まれ南極探検に赴いたアイヌ民族の男性と、ポーランドの文化人類学者を主人公にした歴史小説。ともに故郷を奪われた2人の生涯を描き、文明がもたらす理不尽な側面を浮き彫りにする。
 選考委員を代表して講評した浅田次郎さんは「1回目の投票から一歩飛び抜けていた。近年まれにみる大きなスケールで小説世界を築き上げた。登場人物も生き生きと魅力的に描かれていた」と話した。
 受賞会見で川越さんは、「これまでいろんな人の力を借りてきました。この小説は実在の人物に材を取って書いた。この時代に生きたすべての人に感謝したい」と話した。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200115-00000043-asahi-soci

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フリーターから研究者 金田一京助・心の小径が導き 平川南・人文機構機構長

2020-01-16 | アイヌ民族関連
ニッケイスタイル 1/15(水) 17:43配信
ひらかわ・みなみ 1943年山梨県生まれ、東大で文学博士号取得。歴博名誉教授。山梨県立博物館名誉館長。著書に『漆紙文書の研究』(角川源義賞)など。
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出土文字資料から日本古代史を読み解いてきた。歴史研究を志す契機は山梨大時代の恩師、青木和夫氏の講義と借り受けた本だった。
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高校卒業後は就職するつもりで、実際に大手ビール会社の内定をいただいていました。もう一人の恩師、高校の担任堀田裕先生の強い勧めで地元の大学に進学。そのような経緯で大学に入ったので特に目指すものはなかった。そんなときに受けたのが青木先生の講義です。これが面白かった。歴史上の小さな事象に関して一つ一つ緻密な論証が必要であることを教わりました。
先生は1965年にベストセラーとなった「日本の歴史」シリーズの第3巻『奈良の都』を執筆しています。奈良時代の国家のしくみと人々の暮らしぶりを生き生きと描いていますが、そこには様々な史料に裏打ちされた実証性がある。私が日本史の通史シリーズに関わりたいと思うきっかけとなった本でもあり、それは2008年刊行の「全集 日本の歴史」の第2巻『日本の原像』で実現しました。
大学時代に青木先生から渡され、歴史研究者への道を決定づけた本は、石母田正氏の『中世的世界の形成』です。伊賀国南部にあった荘園という狭い地域の歴史をたどりながら、古代の世界から中世的な世界に移行する姿を躍動的な筆致で表現しています。ダイナミズムの表現も歴史学にとって大事であると学びました。
*   *   *
中学の教科書に載った金田一京助氏の「心の小径」の一文がずっと心に残っていた。
*   *   *
のちに国語学者が自らの人生を振り返った『人間の記録6 金田一京助』に収載されました。アイヌ民族の口承文学「ユーカラ」に興味を持ち、その採集のために大学3年の時、樺太に単身飛び込む。その行動力に驚きました。私は山梨県で高校教師を3年務めた後、東京でのフリーターのような生活を経て研究者の道に入りました。全く未経験の発掘調査の現場に飛び込んだのは「心の小径」の影響かもしれません。
大学時代に青木先生から渡され、歴史研究者への道を決定づけた本は、石母田正氏の『中世的世界の形成』です。伊賀国南部にあった荘園という狭い地域の歴史をたどりながら、古代の世界から中世的な世界に移行する姿を躍動的な筆致で表現しています。ダイナミズムの表現も歴史学にとって大事であると学びました。
中学の教科書に載った金田一京助氏の「心の小径」の一文がずっと心に残っていた。
のちに国語学者が自らの人生を振り返った『人間の記録6 金田一京助』に収載されました。アイヌ民族の口承文学「ユーカラ」に興味を持ち、その採集のために大学3年の時、樺太に単身飛び込む。その行動力に驚きました。私は山梨県で高校教師を3年務めた後、東京でのフリーターのような生活を経て研究者の道に入りました。全く未経験の発掘調査の現場に飛び込んだのは「心の小径」の影響かもしれません。
読書遍歴
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国立歴史民俗博物館(歴博)や山梨県立博物館の館長を経て、2018年4月から歴博など6つの人文系研究機関の統括組織、人間文化研究機構の機構長を務める。
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歴博の教授だった2000年、日本経済新聞で興味深いコラムを見つけました。博物館について提言する内容でしたが、そこで引用されていたのが桝谷邦彦氏の『ドイツ魂』。「『博物館』というものは、その国が最も重きをおいている価値観を反映している」という一節に衝撃を受け、早速読んでみました。さて日本の人文系博物館だったら何だろうと考えました。「自然と人間の調和」そして「平和の創出」を発信しなければならないでしょう。
実学重視のあおりを受け、哲学、歴史学、国文学などの人文学が危機だといわれます。しかし、人間とその社会にとっての「真の豊かさを問うこと」において人文学は欠かせません。それを理解していただくためにも、社会に応答する必要がある。そこで参考になったのが福岡伸一氏の『動的平衡』。難しいと思われがちな最新サイエンスの知識を実に分かりやすく紹介する。私たち自ら人文知コミュニケーターになり、また次世代も育てなければいけないと痛感しています。
(聞き手は編集委員 中野稔)
[日本経済新聞朝刊2020年1月4日付]
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200115-00010002-nikkeisty-life

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N国・丸山議員が麻生発言擁護「どこが問題なのか」アイヌ民族支援法を「悪法」と糾弾

2020-01-16 | アイヌ民族関連
デイリー 1/15(水) 15:06配信
 NHKから国民を守る党(N国)の丸山穂高衆院議員が15日、ツイッターを更新。麻生太郎財務相兼副総理が「日本は2000年の長きにわたって一つの民族が続いている」と発言し、「アイヌ」を「先住民族」と明記した「アイヌ民族支援法」との矛盾が問題視されて謝罪したことを受けて「どこが問題なのか」とし、同法を「悪法」と指摘した。
 丸山氏は「麻生大臣発言、どこが問題なのか。昨年あんな悪法を通すからどんどんとこういうことに。自民党保守派もダンマリ」と、昨年5月施行の「アイヌ民族支援法」を“悪法”と主張した。
 「最初は、人権云々で国連等海外機関アピ、予算、国会決議、法律ときて、更なる予算に、議席枠要求、土地、独立とステージを挙げていくのは歴史の常」と私見を展開した丸山氏。「そして北方の次は南方と」とツイートした。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200115-00000081-dal-ent

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