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沖縄に刻まれた戦時の絆 慰霊塔に宿る平和の祈り 報道センター・武藤里美(32)<戦禍とアイヌ民族>②

2025-01-01 | アイヌ民族関連

武藤里美 有料記事

北海道新聞2024年12月31日 10:00(12月31日 11:37更新)

 強い日差しを遮る木々の下にその慰霊塔はあった。沖縄戦最後の激戦地、沖縄県糸満市の真栄平(まえひら)地区に立つ「南北之塔」。側面にアイヌ語で山の友を意味する「キムンウタリ」の文字が刻まれている。

沖縄県糸満市にある「南北之塔」。塔の側面には「キムンウタリ」の文字が刻まれている

 なぜ沖縄の慰霊塔にアイヌ語が刻まれたのか。碑文にも、2023年発行の糸満市史の村落資料にも説明はない。

 過去の新聞に手がかりがあった。戦後、塔建設のため奔走していた真栄平の人々に資金を援助したのが、現在の釧路管内弟子屈町出身のアイヌ民族・弟子豊治(てし・とよじ)さんだった。記者はその足跡を追うため、同町へ向かった。

 2025年は戦後80年の節目の年になります。記者が遺族や戦没者のゆかりの場所などを訪ね、戦争とは何かを考えるシリーズ「記者がたどる戦争」の特別編として、「アイヌ民族と戦争」について掘り下げます。初回はすべての方に全文公開しています。

①勇敢な日本兵に 「平等」の名のもと差別は闇の中

③2度の強制移住で絶えた歴史 日ロが壊した千島の生活

④文化継承に壁 社会の「目」に見張られて

⑤GHQに訴えた民族の窮状 便せん15枚の思い

 弟子さんは1994年に71歳で亡くなっていた。妻の桂子さん(81)は「夫は沖縄で、戦争で子どもを失った女性にお世話になったとよく話していた」と語った。

 弟子さんは戦時中、真栄平郊外に駐屯する部隊にいた。水くみのため真栄平に通ううち、集落の人々と親交を持った。

 弟子さんは女性の息子である仲吉喜行(なかよし・きこう)さん(故人)と兄弟のように仲が良かった。戦死したのは仲吉さんの兄で、弟子さんに面影が似ていた。

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https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1104743/

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