十勝毎日新聞2024/12/31 13:36
十勝の各界で力を振るい、地域や各分野の発展に尽力した人が、今年も惜しまれながら鬼籍に入った。大みそかに「墓碑銘」を刻み、各氏が残した功績を振り返る。
アイヌ遺骨返還実現
◆差間正樹さん
ラポロアイヌネイション会長
2月6日死去 73歳
浦幌町生まれ。浦幌厚内小、帯広第一中、函館ラ・サール高、北大水産学部卒。20代後半で十勝に戻り、実家で漁業に従事した。2011年から浦幌町議を2期務め、初の一般質問ではアイヌの衣装で臨んだ。
旧浦幌アイヌ協会時代から会長を長年務め、北大や東大、札医大を相手にした遺骨返還訴訟では中心となって活動。大学側の遺骨返還で和解が成立、浦幌から持ち出されたことが判明しているアイヌの遺骨全ての返還を実現した。
20年にはアイヌ民族が経済活動として河川でサケを捕獲するのは「先住権」だとして国と道を相手取り、札幌地裁に提訴した。
遺骨は本人の遺志で、浦幌墓園に再埋葬された祖先の遺骨のそばに納められた。