赤羽じゅんこの三日坊主日記

絵本と童話の本棚
日々のあれこれと、読んだ本のことなど書いていきます。

『すべては平和のために』濱野京子

2016-06-11 08:03:06 | その他
児文協新しい戦争児童文学委員会から長編の本が出版されています。シリーズ・文学のピースウォーク
その中のひとつ、『すべては平和のために』を読みました。濱野京子さんが書いています。

タイトルからはもう少し甘っちょろい話を想像してしまってました。いい意味で裏切られました。
近未来小説。

知ることの大切さ、想像することの大切さが感じられる佳作。理性的で抑制のきいた文章で、複雑なストーリーを的確にさばいていきます。みごとです。重いこと、簡単に解決できないことが書かれていますが、それだけに訴えてくるものも大きいです。世界が複雑になって戦争も様変わりしているのですね。
「志を貫くために、もっとしたたかになりなさい」と説く、住井美香という登場人物が作者の濱野京子さんに似ているように、わたしは読めました。

平和運動に平素から熱心な濱野京子さんは、このシリーズを書くのに適任だったと思います。表紙の絵が、リアルなものでなく抽象画っぽいものをつかって、正解だなっと思いました。このシリーズ、委員会の人の熱意が感じられます。どうか手にとってください。

さて、話題は変わって、今日はお祝い会!

せいのあつこさんの初出版を祝って会が行われます。なにをかくそう、わたしはお祝い会に呼ばれるのが大好き。なんか自分のことではないのに、うきうきしてしまいます。
今回は、会報部で何度も顔をあわせているせいのさんだけらよけいにそうです。

緊張して眠れないというせいのあつこさん。今日はどんなスピーチをされるでしょうか?