4月3日〔日〕の早朝、立ったまま靴下を履こうとして右の腰を「ギクッ」。
「アレッ、やったかな」。ギックリ腰にはこれまで度々悩まされている。
一度目は大したことはなかったが、二度目の「ギクッ」がショート・ステイ先から戻ってきた94歳の老母を食事のためにベッドから車椅子に移したとき。
これで、悪化の一途に。
そしてトドメが夕方7時から始まった地元自治会の会議で、役員の選出で辞退者が続出して 紛糾したため、胡坐(あぐら)をかいたまま2時間半。
とうとうその日の夜は寝返りを打つのも痛くて苦しく、熟睡がまったく出来ないまま、朝を迎えた。
ウ~ン、もうたまらない。
これまでブログで散々言いたい放題、臆面もなく”自慢話”を繰り返してきた報いで罰が当たったのかもしれない!?
とうとう馴染みの柔道整復士「F」さんに電話して11時の予約が取れた。
「クルマの運転は出来ますか?」
「幸い、運転は出来そうです。」
「助手席に乗せてもらうよりも、運転するほうがハンドルの支えがあって、かえって腰には楽なんですよ」
この大分市在住の整復士、Fさんは、以前、半年ほど苦しんだ腰をたった2~3回の施術で直してもらった程の凄腕で施術歴も30年以上のベテラン。
「どうも、お久しぶりです。また腰を痛めてしまって~。ちょっと動くだけで痛くてたまりません。何とかしてください。」
「そ~っと、うつ伏せに寝てみてください。これは大変、筋肉が随分萎縮して緊張してますねえ。神経が過敏になっているのでこういうときは”そっと”しておくに限ります。
ウォーキングなんて、もってのほかですよ。背もたれがついたエアロ・バイクくらいならいいでしょう。全体的に揉みほぐして筋肉を弛緩させておきます。1~2日すればよくなるはずです。」
翌5日には物忘れたしたみたいに見事に回復。やはりFさんは名人である。
さて、本題に入って先日〔3月27日)福岡から我が家に試聴に来てくれた高校時代の同級生U君からメールが入った。
「インバル/フランクフルト響のマーラー4番を持っていますか。
実はこの CD は、DPA というデンマークのマイクメーカー(その道では超有名)の製品で、無指向性マイクでは No.1 の 4006 というマイクを2本だけ使用して録音したものとして有名です。
名録音の条件を全て備えた究極のCDとして、録音のプロたちが自他共に認めているものです。」
へぇ~、そんなに名録音盤なんだ。
たしかインバル指揮の4番なら持っていたはずと探してみるとあった、あった。
1985年だから26年前のデンオンのPCMデジタル録音で、たしか発売当時も評判が良くて購入したことを覚えている。
そのときのオーディオ・システムで聴いたときは、何だかこもった感じの録音で「評判ほどではない」とあっさり断定してポイとお蔵入り。
さあ、U君推薦のこのCD盤が現在の「アキシオム80」をメインとしたシステムでどう蘇るのか、興味しんしんで試聴。
第一楽章では、相変わらず篭った感じの印象で、やっぱりダメかなあと、半分落胆しながら聴いていると2楽章あたりから耳当たりがよくなってくる。
3楽章~4楽章になると陶然となって大いに感銘を受け、久しぶりにマーラーを堪能できた。
決して前に出てくる響きではなく、奥のほうでしめやかに音楽が鳴っている印象で非常に地味な録音だが、聴けば聴くほどに味わいが出てきて音楽に引き込まれていく。まったく聴き疲れがしないのもいい。
これが本当に「いい録音」というものだろう!
マーラーの4番はもう一枚持っていて、クレンペラー指揮、フィルハーモニア管弦楽団、ソプラノはシュワルツコップという組み合わせ。
通常ならこの鮮明な録音に何ら違和感を覚えないところだが、インバルの演奏を聴いた後では何だか平面的で安っぽく聞こえてしまった。
クレンペラーのマーラーは「大地の歌」が大好きだったのでほかにも4番と9番を購入していたのだが、4番に限ってはインバルのほうが断然好み。
昔と今とのシステムの違いでこれだけ印象が異なって聴こえるマーラーの4番、これこそがオーディオの醍醐味というところだろう。
同じ3月27日に訪問してくれたO君からもメールが到着。
「私も同感です。柔らかく、疲れを感じさせない音楽性がありますね。マーラー嫌いの、うちのネコちゃんが、気持ちよくそっくり返って寝ていたのには驚かされました!」
また、U君からのコメントがさらに(日を置いて)続く。
「インバル/フランクフルト響のマーラー4番を持っていると○○君〔自分のこと)、O君から返信がありました。
大編成のオーケストラを僅か2本のマイクで収録するには、どれ程の努力が積み重ねられたことかと思います。
要はどの位置にマイクをセットするかということになりますが、ステージ上のオーケストラを見下ろす、指揮者の遥か上方からオーケストラ全体を狙ったものと思われます。(いわゆる吊りマイク)
使用されたDPA4006は無指向性なので、オーケストラからの直接音+ホールの残響音を拾っていますが、その割合が絶妙なのです。
2本のマイクの間隔、角度、床からの高さ等、決めなければならないパラメーターが一杯あります。
残響(リバーブ)はカラオケで云うエコーですが、エコーは主にボーカルのアラを隠し美しく聞かせるために使われますが、クラシックの録音での残響は、演奏している場所の空間(の大きさ)を表現する一方、過度の残響は演奏のディテールを消してしまう恐れがあります。
録音エンジニアは残響に細心の注意を払っていますが、再生する側のオーディオ・マニアも残響が綺麗に再生されるように努力していると思います。
今度クラシックを聴くときは、この残響音に注意して聞いてみて下さい。」
U君ご指摘の適度の残響音については我が家のシステムでも思い当たる節があって、実はファンダメンタルな部分での残響音が大きな課題となっている。
中高域(アキシオム80)についてはほぼ満足の状態だが、200ヘルツ付近から下の弦楽器のユニゾンに、ちと問題あり。
どうしても豊かで漂うような雰囲気が我が家のシステムからは出てくれない。
果てしない音響空間の中で鳥の産毛(うぶげ)だったような”さざめき”の響き!
この辺がきっちり出てくれるとまさに「鬼に金棒」なんだがなあ~、しかし、これが実に難しい。
何とかしたいのはヤマヤマだが・・・。