「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

ツィーター騒動記

2017年04月11日 | オーディオ談義

我が家にデッカのリボン型ツィーターがやって来てからおよそ3週間が経った。

          

当初のほとぼりも収まって、ようやくいつもの沈着冷静な自分を取り戻した今日この頃(笑)。

この間、例によって「ああでもない、こうでもない」と悪戦苦闘し、さながら暇つぶしにはもってこいだったが、この歳になるとどうも健忘症気味なので失敗例を後日のために記録に残しておくことにした。

とはいっても懲りずにいつも同じ失敗を繰り返すのだが、結果的に思わぬ余禄に恵まれたのもご愛嬌だった。

なお、オーディオは周知のとおり「物理学+感性」の世界だといえるが、各人でまったく異なる感性は言うに及ばず、肝心の物理学にしてもあまりにも変動要因(部屋の音響特性、機器や部品などの性能)が相互に複雑に絡み合い過ぎて、あらゆるケースに当てはまるような決め手になる「公式」を導き出すのはとうてい不可能である。

したがって「これが絶対」という思い込みはとても危険だし、何よりも柔軟性がとても大切だと思っている。

そういうわけで、以下の事例も我が家だけに通用することなので個人的な主観も大いに入っていることだし、けっして真に受けないようにしてくださいね~。

さて、それでは本題に入って、システムの基本形はフィリップス(口径30センチ:フルレンジ)+デッカのリボン型ツィーターとしよう。

☆ フルレンジ・ユニットの周波数を分割してはいけない

パイオニアのデヴァイディング・ネットワーク「DN-6」(クロスオーヴァー4000ヘルツ:8Ω仕様)を使って、フィリップスを4000ヘルツでハイカット(12db/oct)し、デッカにウェスタン製のオイル・コンデンサー「2.19+1.0=3.19μF」を使って6000ヘルツでローカット(6db/oct)して3~4日間聴いたみたところ、悪くはなかったがどうもシックリこなくてこれはアウト。

メーカーが研究を重ねて設定したフルレンジの周波数をネットワークを挿入して無理矢理分割すべきではないと肝に銘じた。もし、そうしたくなるときはアンプ側に責任がある。

☆ ツィーターを出しゃばらせてはいけない

そこで、今度はフィリップスをフルレンジとしてそのまま活用し、デッカだけ上記のコンデンサーでローカットして3~4日ほど聴いてみたが、今度は高音域が屋上屋を重ねたようにウルサクなってこれもアウト。

というわけで、最終形はフィリップスをフルレンジで鳴らし、デッカは極小値のマイカコンデンサー「0.075μF×2=0.15μF」でローカット(6db/oct)してようやく収まりがついた。

そういうわけでデッカはまるで「蚊の鳴くような音」しか出てこないが、これがあるのと無いのとでは空気感の再現に大違い。

以上でデッカのツィーター騒動は一段落。

これに味をしめて、我が家のスピーカーは全体で4系統あるが、「AXIOM80」を除いて、すべてのユニットにツィーターを付け加えることにした。

「柳の下のどじょうを何匹も狙った」わけだが、
次の「AXIOM 150マークⅡ」(グッドマン)にはどういうツィーターを付けようか。

           

弦楽器の再生に優れたグッドマンにはコーン型ツィーターが一番合いそうなので候補として手持ちの中から3個選んでみた。

左からドイツ製(緑色)、真ん中がワーフェデール、そしてグッドマンの「楕円型」。この楕円型はつい先日、仲間から「遊んでみてください」といただいたものだが、さすがはグッドマン同士の組み合わせというか、これが一番相性が良かった。

コーン型ツィーターで一番気になるのはシンバルの響き方で、シンバルを鳴らすのだけは金属製のダイヤフラムを使ったツィーターに限るとずっと思ってきたが、今回はコーン型にもかかわらずシンバルの響きがとてもリアルだったのには驚いた。

また「AXIOM150マークⅡ」は、もともとフルレンジというよりもいうツィーターと併用するように設計されているのでパイオニアのデヴァイディングネットワーク「DN-7」(クロスオーヴァー4000ヘルツ:16Ω仕様)を使ってみたところ、これがバッチリ。

とても豊かな音が出てきて、「AXIOM80」とはまったく対極の世界にあるような音で、両者を足して2で割ると理想郷なんだがなあ~。

「思いどおりにいかないのは生きてる証拠よ」とは、88歳で亡くなった祖母の口癖だったがせめてオーディオぐらいは
思い通りにいってほしいものだ(笑)。

最後にタンノイ・ウェストミンスターにもJBL「075ツィーター」を追加。これも出しゃばらせては最悪なのでマイカコンデンサー1個「0.075μF」を使って録音現場の空気感の再現だけに留めた。

これもバッチリ(笑)

           

以上、なにはともあれ我が家のツィーター騒動記でした。
 

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