「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

オーディオ談義~ウ-ファー4発に向けて着々と準備中~

2011年06月25日 | オーディオ談義

「今のウーファー3発でも凄い音ですけど、4発にするとどういう音になるのか興味があります。部屋の空気が揺れるような低音が聴けるかもしれませんね」。

オーディオ仲間のAさんのこういうコメントを聞くと、自分もマニアの”端くれ”としてとても聞き流すわけにはいかないところ。

オーディオは何かを得れば何かを失う「ゼロサムゲーム」みたいなところがあるので過大な期待は禁物だが、やってみなければ分からないのも事実。

どんな探求の世界においても「仮説と実証」は物事を進めていくための基本的なスタイルだと思うが、「音」の世界に関してはどうも実証に比べて仮説の薄弱さに際立つものがあるように思う。

何といっても取り扱う事象が広いし多すぎるので理論的に確立されていないのがその理由。

たとえば「音声ケーブル」一つを採ってみても材質の種類によって「なぜ音が変わるのか」について明快な理論をいまだ読んだこともないし、聞いたこともない。

”たった、こんなこと”でも未解明なんだから、あとは推して知るべし。

つまり、平たく言えば理論を後回しにして「カン」を利用して手っ取り早く実験し、その結果を長年培った「耳」による判定にゆだねたほうが確実というわけ。

オーディオは「実験を数多く積み重ねた経験則」が圧倒的に物を言う世界である。

まあ、とにかくやってみてダメなときは元に戻せばいいし、作業中のワクワク感だけでも捨てがたい味があるのはマニアなら分かっていただけよう。

今回はいきなり速攻というわけにもいかないので順を追って段階的に進めていくことにした。

☆ 第一ステップ(スピーカー台の製作)

ウーファー4発にするということは、現在のボックスの最上部に収納している「アキシオム80」ユニットを別のSPボックスに移すことになるので、そのSPを載せる台の製作にとりかかった。

業者に頼むと見場は良くなるものの、大切な「福沢諭吉」さんが羽根を広げて飛んでいくので、近くの量販店に行って材料を購入して自作することにした。

半日ほどかけて出来上がったのが次のとおり。

    

寸法は台が横幅50cm、奥行き40cmそして足の高さ60cmにした。

横幅と奥行きは既存のSPボックスの大きさに合わせたが、足の高さについては二つの条件があって、まず一つ目は設置場所の制約から「スーパーウーファー」を下の空間に収納できること、そして二つ目は音楽を聴くときに「アキシオム80」が丁度耳の高さにくること。

塗装も考えたがどうせ素人だし、うまくいきっこないのでSPボックスの色に合わせて素肌のままにしておくことにした。

お化粧美人よりも素肌美人のほうが昔から好み。おっと、これ何の話?

☆☆ 第二ステップ(SPボックスの改造)

「アキシオム80」を収納するボックスは以前大宰府のMさんを通じて作ってもらったものがある。これまで部屋の片隅で物置台になっていたのだがいよいよ本格的な出番がやってきた。

今よりもずっと広い居住空間になって、アキシオムさんももっとうまく囀ってくれることだろう。

     

ユニットを取り付ける穴もちゃんと直径20cmにしてあるのでピッタリ。しかし、以前は後面解放で使用してきたが今回は密閉型にして使うことにした。

底板の取り付けは小さなネジで比較的スンナリ済んだものの、後面の蓋についてはドリルで8mmの穴を開けかかったもののまるで歯が立たない。

北海道産の「楢」材で厚さ5cmなのでとても普通のドリルでは無理のよう。そこで専門家に頼むことにして23日(木)の夕方、ウーファー用のボックスを作ってもらった木工業者のYさんに来てもらった。

「アキシオム80を取り付ける予定なので”鬼目ナット”を埋め込んでユニットの交換のたびにボックスにネジ疵が付かないようにしたいんだけど木が硬くてねえ。手も足も出ないよ」

         

「これ、楢の木でしょう。普通のドリルでは無理ですよ。強力な電器ドリルを持ってきましょう。今、仕事が立て込んでますので来週の水曜日あたりではいかがでしょう」

「ああ、いいよ」というわけでとりあえず作業は一時中断。

話がひと通り済んで、Yさんはジャズ好きなのでいきなりで驚かせてやろうとAさんから借りている「ホリー・コール」のCDを聴かせてあげた。

たしか3週間ほど前にアルテックの403Aの3発入りボックスの製作(今となっては中止)打ち合わせに来てもらったときに聴いてもらったばかりなので以前の音がまだ鮮明に記憶に残っているはず。

「いやあ、ビックリしました。よく締まったスゴイ低音が出てますねえ。この前と全然違いますけど、どこをどう変えたんですか?」

「フッフッフ、実は3発のウーファーの境目にそれぞれ仕切り板を入れて個室を作っただけだよ」と、したり顔で種明かし。

「成る程、相互のユニットの干渉が減ったというわけですね。しかし、いつ聴いてもアキシオム80のスカッと抜け切った繊細な音には惚れ惚れします。こんな音なら、もうウーファー4発にする必要はないような気がしますけどねえ」

「いや、もう乗りかかった船だから良し悪しは別として結果だけはどうしても知っておきたいんだ。少しでも良くなる可能性があればチャレンジするのが
オーディオマニアの”業”みたいなもんだからね~。」

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