台風17号が日本海を抜けて去って行った2~3日後だったのですが無線のワッチの為に早朝に起き出し、此の歳に成ると朝の一番最初の行動と成るトイレで小用を済ませ、トイレの明かりを消して東に向いて居る窓から「今朝の天気は如何なんだろうか?」と外を見ると加齢で可也落ちて来た私の裸眼の視力でも斜め45度位の位置にオリオン座が明るく輝いて居た。
此れは台風の強い雨風で大気中が綺麗になった事と、夏場とは違い夜間の温度が大分下がって来た事で「お空のシーイング」が良く成って来た証拠、私は外に出て星空を見上げたら明るい新星集団のスバルが保々天中に指しかかって居た。此れは良い条件に巡りあえたと早速、此の十六夜月を観て以後は玄関の上がり口に何時でも持出せる様にセットして置いてある反射式望遠鏡を外に持ち出してオリオン座が接眼レンズの視野の中に入る様に赤道儀を調整した。
此れ等の星は肉眼でも十分に見えて居たので望遠鏡で観るオリオン座もスバルも何時も寄り綺麗にハッキリと見えたが其の姿は月を観た時の様に複雑な月面の姿が見れるのとは違い、幾等明るい星とは言えども肉眼で見えなかった周囲の星は数多く見えるが、所詮、其々の星は肉眼で観た時寄りハッキリとした点にしか見えない。天体望遠鏡の川柳に「月を観て 土星を見たら 飾り物」と云う句があるが此れは天体望遠鏡で地球から距離が近い月のクレーターや土星の輪は観られるが其れ以外の恒星の殆どは単なる点にしか見えないので良く観える月の表面や土星の輪の様に特徴の在る姿をした物を観終わると期待を持って購入した望遠鏡に段々と興味が薄れて、最後には使用する事無く場所を取るだけの置物に成って仕舞う現状を見事に言い当てて居る。
私の望遠鏡も現状は此の川柳句と保々同じ状態だが?此の日の様に偶には外に持出して置物だけに終らず星空を観望する事に役立って居る。