今回のDXペディション局(3Y0J)の21MHz帯(CW)の追掛けを21MHz帯の運用開始から週末の金曜日から土曜日の夜間に延べ8時間近くワッチし呼掛けたが結局は全く反応無く交信には至らなかった。
特に土曜日から日曜日に掛けての日付が変わる手前の時間帯では信号強度は少し落ちた物のJA各局を精力的にピックアップしてくれていた。そしてその日の運用の最後辺りでは御本尊は『3Y0J UP』の定型文の送出から変化しピックアップする局が見当たらないのか?時々はCQを送出する状況に成ったり時間の経過と共にピックアップするまでの時間間隔が長引いて交信ペースが可成り落ち始めて居た。
此の様な状態に成ると幾等弱小局でも相手の信号強度(579程度で入感していた。)と照らし合わせて経験から来る自分成りの交信の可能性を感じて必死に呼掛けを続けて居たのだが最後までコールバックは無かった。其の時は電波が相手に届かなかった事から可成り興奮して居たのだろう。冷静さに掛けて居た様で其の侭に不貞寝に入り気付かなかったが翌日の午前中に冷静に原因究明を始めたら可成り年季の入った此のトランシーバーの送信時にはオートチューンSWが入って居た様で前々から此の動作状態を表示するLEDがチューナー動作中でも時々表示されない事は気付いては居たのだが、昨晩の興奮した運用中では表示されて居なかったので私は当然にオート・チューナーは働いて居ないものと勘違いをして仕舞っていた様だ。
私は元々、オペレート中にはオート・チューナーは使わない方で其の代わりアンテナ別にSWR値は限りなく追い込んで居たし21MHz帯は5エレのフルサイズ・モノバンド八木アンテナなのでコイルを有するマルチ・バンダーアンテナとは違いトラブル要素が少ない事から絶対的な信頼を持って居たのでアンテナ不調を疑いもしなかった。然し翌朝の原因を調べていく段階で如何やら今回の原因としてはアンテナ回路の不調しか可能性が無い事に気付き若しやとチュナー入り切りスイッチを押してみたらてオートチューニング回路が外れると何んとSWR値が3の少し前を表示して居る現実に『此れでは送信出力の可成りの部分が電波として送出されずに熱に成って居た筈で電波が飛ばない。』事に気付きガックリポン状態に!
其処でアンテナチェックの為にタワーに上がる事にしたが此れが有れば一発で原因が解る兄が持って居たアンテナ・アナライザーの以前からの保管が悪く(現在は私が使用)電池の液漏れでプリント・パターンが腐食して、おかしな動作をして現在は点検中で使用出来ない。
シャックから出た同軸8D2Vは第一タワーの最上部でアメリトロンの4回路同軸切替器に接続されて居て此れを卓上コントロラーで切替え1.9MHz帯用スローパー、21MHz帯用5エレ八木、10.18.24MHz帯3エレ・トライバンダー、24MHz帯5エレ八木アンテナを切り替えて居る。今回問題の原因としては其の他の3系統のアンテナは正常に動作して居るのでアンテナ切替器までの同軸は正常で其れ以後の切替器内の個別の何れかのリレー接点の荒れに寄る接点接触不良か、アンテナ其の物自体のトラブルしか考えられない。後者の場合アンテナ目視では問題は無い事から給電点に入って居るバランの不調しか考えられず何方にしてもタワー上で短時間で点検処置出来る問題では無いので予備用の同型切替器に交換する事でトラブル原因をハッキリと判断する事にした。
今日は朝から春が来た様な暖かい日だったので意を決してタワーに上がる事にしたがヘルメットを被り安全ベルトに作業バックを腰につけてタワーに上がる瞬間には歳は取りたくない物で少し躊躇する。そして40分程の高所作業で同軸切替器の交換を終えてシャックに戻り早速、21MHz帯の動作チェックを行ったら状況は全く変化しない事からアンテナ本体に問題が有る事が解りガックリポンの最悪の結果となった。
然し3Y0Jの運用は未だ終わって仕舞った訳では無いので直ぐに気を取り直しタワーに上がって給電部の点検が出来る方法を探ったが現状では1.5m上には24MHz帯の5エレ八木が同じく1.5m下には3エレ・トライバンダーが取り付けられて居るので問題の八木をタワーに沿った立てた姿勢には出来ない状況・・・・・残された方法としてはアンテナマスト最上部(2.5mほど上側)に滑車を取付てそこから降ろしたロープの先端をアンテナブーム取付板をアンテナ・ポールから外し其のU字ボルト部分に結わえて(此処はやじろべー状態でアンテナ自体の前後左右の平行バランスは如何にか取れて居るので)此の状態でアンテナマストとアンテナブームの交差する部分が外力で大きく離れない様にする為に緩やかなワッパを布ベルト(状況変化でワッパの大きさを自由に簡単に変化する事が出来る)で作りザックリと結わえて輻射器のエレメント部にシメラーの先を引っ掛けて反対側はマストポールに固定しシメラーをユックリと作動し2m程の距離を手繰り寄せながら然も反対側のアンテナフロント部は下のトライバンダー八木の導波エレメントの頑丈な部分に接触させながら斜め下方向にスライドさせながら下げて行く方法しか無い様に思われる。
そしてバラン部が手元で交換出来たら今度は逆の作業を行い元の状態に戻し固定する方法を選ぶ事にした。此の作業で一番重要な事は問題のアンテナブーム・パイプを下向きに正確にスライドをしながら下げる為のアンテナマストに取付ける直交するサイドバーで此れ以上はアンテナブームが下がっては成らない高さを決定する場所(下向き角度を決定する位置)で『此れは 梃子の原理』で云う処の支点の位置決めと成り此れは下向きになったアンテナを今度は元の状態に戻す時に重要な働きをするので此れを怠った場合には一人で元の状態に戻そうと思っても先程の梃子の原理で何倍もの力が必要でシャレでなく本当に梃子摺る羽目に陥って仕舞うHi(過去に足場の悪い力の入らない高所作業で一度経験して偉い目にあった事が有る。)
その様な下準備をしながら作業を進めて居たら夕方を知らせるチャイムが鳴って時刻は17時を回った。既に高所作業開始から3時間を経過し体力的にも限界・・・・・・道具その他を先に降ろし自分が注意深くタワーを下りる時には周囲は少し暗く成り掛けて居た。
地面に降りると作業を無事終えた緊張感のほぐれと作業での疲れか?先程まで全く感じて居なかった安全装置を体から外すと其の重さに驚くと同時に解放感に浸ったが今回の作業で問題が解決した訳では無かったので問題解決後の様な爽快感を感じる事は無く終わったが此の歳でタワー上での作業が3時間も出来るとは思っては居なかったのでタワー撤去時期はもう少し先に延ばせる様な気持ちに成れた事と3Y0Jとの交信に対する思いや執念は未だ衰えては居ない事を実感した。