牟岐町での運用場所での撤収を終えて9時前には美波町側の阿波サンラインの第三展望台の駐車場に到着した。此の駐車場は東西に細長く南、北方向は崖状に成っていて無線運用には最適で有ったが風が通り易く少し強い風が吹き抜けていた。夜の内にアンテナを設営しようと思ったが天気も下り坂の様子で翌朝の天気次第で運用を決める事として寝袋の中に入り寝た。
日が変わる深夜頃から風が強くなり時々、車がしゃくられる様な状態で揺れて30分毎に目覚め熟睡出来ない状態、この状態が何回か続いた2時過ぎに遂に眠れなく成り仕方なく起き出してアンテナを設営する事にした。外に出ると風は有るものの生暖かい風で寒さは感じない。踏み立てに入れた伸縮ポールを細い順に伸ばしに掛かったが2番目から風でポールが撓りポールが振り出せずピンロックが掛からず仕方なく一番径の太いポールを伸ばし何とかロックが掛かり7mH位にしてアンテナの設営が完了した。
何時もの様に早速SWRを測定すると3のチョット手前を表示して何処か問題が有る感じアンテナの方向や最後には自動車を動かしてアンテナの張変えをしたものの少しは良くなるが何時もの様に成らないので「果たして?」と考えたら「ひょっとしたら?」の考えが浮かんだ。私の移動用のアンテナは7MHzのフルサイズのエレメント線を絶縁体(塩ビのパイプ)で縁切りした後に10m長のエレメントを取り付け7MHz エレメントの最終に20cmくらいのヒゲを取付けて其の先端に付いた鰐口クリップで後ろのエレメントを接続すると3.5MHzの逆Vのフルサイズにクリップを外すと7Mhz帯のフルサイズのアンテナに成る。
浮かんだ考えはクリップが接続されていないのは解っていたがひょっとしてヒゲの部分が何らかの形で後ろのエレメントと絡んで居ないか?である。リモコンで稼動するサーチ・ライトで其の部分を照らして見ると片方のヒゲの部分が垂直に垂下っていないので張力を掛けているナイロンロープを外し絶縁部分を降ろして確認するとヒゲの部分のエレメントが後ろのエレメントに一回転巻き付いていた。「此れでは駄目だわ」と納得し絡みを外し立ち上げると今度は問題無くSWR 値は1、1にスパッと落ちた。今回は暗い中でのアンテナ設営と写真の様に付近に椰子の木が有った事とアンテナの高さが何時もよりは低かったので其れ等の影響か?深読みしたり寝惚けて居たのだろう思わぬ所で1時間近くの無駄な時間を過ごしたが此の時間帯では国内のコンディションは開けては居らず時間潰しには成った。
今回の運用地は北緯33度41分16秒52 東経134度29分06秒35 海抜105mHの地点で国内の南、北方面共に主に海上伝播、高さは余り無かったが近くに人家が無くノイズが無い為に受信は非常に良好で有った。運用は03:51~09:50JSTに渡り218局と交信出来た。昨日の牟岐町と合わせて373局の実績で今年の移動運用の中では一番呼ばれた感じでコンディションの一番開けた06~07時の時間帯では短い時間帯では有ったがパイル状態に成って久し振りに移動運用の醍醐味を味わった。此れが有るからこそ移動運用は止められない。移動運用時の短い交信は有る意味、無味乾燥な感じもするが捌き手と呼び手の呼吸がピッタリ合った時の交信の流れと言うかリズム感は実に魅力的なものである。移動運用の仕方は人其々で色々な手法が有るが短い交信の中での丁丁発止の遣り取りの醍醐味を味わう所でのリストQSOで雰囲気を打ち壊す事を勿体無いと思うのは私だけだろうか?
運用が終わって外に出ると車の近くに脱ぎ捨てた筈のスリッパが見当たらない「おぉ~ぃスリッパや何処へ行った」と近くを探し回ったが見当たらず駐車場内を探し回ったら50m位後ろのフェンスの金網に引っ掛かって止まっていた。運用中も可也、車がギクシャクと揺れたが風は可也吹いて居た様子、此の日は週末なので珍しい町村からの運用を取り残す危険性を感じて午前中には帰宅した。帰宅して今回の運用で如何程進んだがパソコンで実績を確認したが新しいZA対象の場所は僅かに21箇所、期待の半分も達成出来ず 移動運用で嵩上げはそろそろ限界かな?と感じる。最終トータルでは1300に後少し明日の午前中には達成出来そうである。