アップルの前CEOスティーヴ・ジョブズが亡くなりましたね。56歳の若さだったそうです。すい臓癌は癌の中でも厄介なものの一つと言われていますから、闘病生活はさぞや大変だったでしょうね。
1984年に発表されたマッキントッシュは、業界的には画期的だったんでしょうけど、個人的には使い難くてしょうがないシロモノでした。画面はちっちゃいし、文字は尚ちっちゃいし…。でも今にして思えば、あれがいわゆる『パーソナルコンピューター』の始めだったわけです。今では当たり前の存在のマウスやごみ箱機能等、彼が開発したことを知らずに恩恵に与っていたことは数知れません。
私はジョブズのプレゼンテーションが好きでした。ジーパンのコインポケットからシレッとiPodを取り出したり、抱えたA4封筒の中から、資料でも出てくるのかと思いきや最新型のノートパソコンが出て来たり…型破りでしたが、そこには商品に対しての自信と愛情が満ち溢れていました。
話は反れますが、かつてソニーの創業者盛田昭夫氏がアメリカで新商品のプレゼンテーションを自ら行った時、現地の記者から
「お前は日本人のくせに、どうして原稿を見ないであれだけのプレゼンテーションができるんだ?」
と、ちょっと嫌味な質問をされたことがあったのだそうです。しかし盛田氏はその記者に向かって
「お前、結婚しているのか?」
と、ちょっと突拍子もない返しをしたのだとか。で、その記者がしている、と答えると、盛田氏は間髪入れずに
「お前、ワイフを口説く時に原稿読んだのか?」
と切り返したので、その記者はへぇ…と尻尾を巻いて退散してしまったのだそうです(^w^)。角度は違うかも知れませんが、一流の経営者と呼ばれる人物ってやり手なだけでなく、ダンディで洒落の効いた小粋な人が多いように思います。
あとジョブズの話では、2005年にスタンフォード大学の大学院の卒業式に招かれた時のスピーチが有名で、今では高校の英語の教科書に載っている程です。ただ、スピーチの結びの言葉
『Stay hungry,Stay foolish』
(貪欲であれ、愚かであれ)
の部分だけがとりわけ有名になってしまっていますが、本当はこの言葉の前置きの部分を知ると、よりこの言葉の意味が深く響くと思うのです。ちょっと長いですが、特に核心部分と思うところのみ抜き出しました。
「『自分が間もなく死ぬ』ということを覚えておくことは、人生の重要な決断を助けてくれる、私が知る限り最も重要な道具である。何故なら、殆ど全てのこと、つまり、他人からの期待やあらゆる種類のプライド、恥や失敗に対する数々の恐れ、これらのことは死を前にしては消えてしまい、真に重要なことだけが残るからだ。」
「『いつかは死ぬ』ということを覚えておくことは、『何かを失う』と考えてしまう落とし穴を回避するための、私の知る最善の方法である。あなたはもう丸裸だ。自分の心のままに行動しない理由はない。」
「皆の時間は限られているから、誰か他の人の人生を生きることで時間を無駄にしてはならない。教条主義の罠にはまってはならない。教条主義とは、他の人々の思考の結果に従って生きることだ。」
「他人の意見という雑音に、自分の内なる声を掻き消されないようにしよう。そして最も重要なことは、自分の心と直感に従う勇気を持つことだ。心と直感はどういうわけか『本当になりたい自分』というものを既に知っている。その他全てのことは二の次だ。」
本来はこの更に後に「貪欲であれ。愚かであれ。」という言葉をもって結びます。
死生観を織り交ぜているあたりは何とも仏教徒らしい話の仕方です(因みにジョブズはかつて若かりし折インドに渡って解脱を求めたことがあり、また後年、日本の禅にもひとかたならぬ興味を示して、自らを仏教徒と公言していました)が、いかにも大企業を立ち上げた人の言葉らしいですよね。まあ個人的には人の意見を聞くことも大事な時もあると思うんですけど…(因みにジョブズはあまりに人の言うことを聞かな過ぎて、一回アップルから叩き出されてしまったりしてますから…)。
でも、「自分の心と直感に従う勇気」は大事だと思います。まあ日本社会の中で好んで波風立てる必要もないかも知れません(笑)が、何事か成し遂げようと欲するのであれば、受け身の人生ではダメですよ…ということですね。
何にもせよ、先ずは偉大な先達の御冥福を祈るばかりです…。
1984年に発表されたマッキントッシュは、業界的には画期的だったんでしょうけど、個人的には使い難くてしょうがないシロモノでした。画面はちっちゃいし、文字は尚ちっちゃいし…。でも今にして思えば、あれがいわゆる『パーソナルコンピューター』の始めだったわけです。今では当たり前の存在のマウスやごみ箱機能等、彼が開発したことを知らずに恩恵に与っていたことは数知れません。
私はジョブズのプレゼンテーションが好きでした。ジーパンのコインポケットからシレッとiPodを取り出したり、抱えたA4封筒の中から、資料でも出てくるのかと思いきや最新型のノートパソコンが出て来たり…型破りでしたが、そこには商品に対しての自信と愛情が満ち溢れていました。
話は反れますが、かつてソニーの創業者盛田昭夫氏がアメリカで新商品のプレゼンテーションを自ら行った時、現地の記者から
「お前は日本人のくせに、どうして原稿を見ないであれだけのプレゼンテーションができるんだ?」
と、ちょっと嫌味な質問をされたことがあったのだそうです。しかし盛田氏はその記者に向かって
「お前、結婚しているのか?」
と、ちょっと突拍子もない返しをしたのだとか。で、その記者がしている、と答えると、盛田氏は間髪入れずに
「お前、ワイフを口説く時に原稿読んだのか?」
と切り返したので、その記者はへぇ…と尻尾を巻いて退散してしまったのだそうです(^w^)。角度は違うかも知れませんが、一流の経営者と呼ばれる人物ってやり手なだけでなく、ダンディで洒落の効いた小粋な人が多いように思います。
あとジョブズの話では、2005年にスタンフォード大学の大学院の卒業式に招かれた時のスピーチが有名で、今では高校の英語の教科書に載っている程です。ただ、スピーチの結びの言葉
『Stay hungry,Stay foolish』
(貪欲であれ、愚かであれ)
の部分だけがとりわけ有名になってしまっていますが、本当はこの言葉の前置きの部分を知ると、よりこの言葉の意味が深く響くと思うのです。ちょっと長いですが、特に核心部分と思うところのみ抜き出しました。
「『自分が間もなく死ぬ』ということを覚えておくことは、人生の重要な決断を助けてくれる、私が知る限り最も重要な道具である。何故なら、殆ど全てのこと、つまり、他人からの期待やあらゆる種類のプライド、恥や失敗に対する数々の恐れ、これらのことは死を前にしては消えてしまい、真に重要なことだけが残るからだ。」
「『いつかは死ぬ』ということを覚えておくことは、『何かを失う』と考えてしまう落とし穴を回避するための、私の知る最善の方法である。あなたはもう丸裸だ。自分の心のままに行動しない理由はない。」
「皆の時間は限られているから、誰か他の人の人生を生きることで時間を無駄にしてはならない。教条主義の罠にはまってはならない。教条主義とは、他の人々の思考の結果に従って生きることだ。」
「他人の意見という雑音に、自分の内なる声を掻き消されないようにしよう。そして最も重要なことは、自分の心と直感に従う勇気を持つことだ。心と直感はどういうわけか『本当になりたい自分』というものを既に知っている。その他全てのことは二の次だ。」
本来はこの更に後に「貪欲であれ。愚かであれ。」という言葉をもって結びます。
死生観を織り交ぜているあたりは何とも仏教徒らしい話の仕方です(因みにジョブズはかつて若かりし折インドに渡って解脱を求めたことがあり、また後年、日本の禅にもひとかたならぬ興味を示して、自らを仏教徒と公言していました)が、いかにも大企業を立ち上げた人の言葉らしいですよね。まあ個人的には人の意見を聞くことも大事な時もあると思うんですけど…(因みにジョブズはあまりに人の言うことを聞かな過ぎて、一回アップルから叩き出されてしまったりしてますから…)。
でも、「自分の心と直感に従う勇気」は大事だと思います。まあ日本社会の中で好んで波風立てる必要もないかも知れません(笑)が、何事か成し遂げようと欲するのであれば、受け身の人生ではダメですよ…ということですね。
何にもせよ、先ずは偉大な先達の御冥福を祈るばかりです…。