今日は《ルノワール展》を観賞するために、乃木坂の国立新美術館に行きました。結構会期が長い展覧会だったので、内心
「まだ間に合うからいいや~♪」
くらいに思っていました。ところが、ふと気がつけば来週月曜日で終わってしまう!ということを今更ながら認識して、慌てて駆けつけた感じになりました。
今回の《ルノワール展》は、パリのオルセー美術館やオランジュリー美術館所蔵のルノワールの初期から最晩年までの作品と、それに関連したゴッホ、マティス、ピカソといった画家の作品も展示されるかたちのものです。
今回のメインは、何と言っても初来日を遂げた大作『ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会』です。会場入口にも御覧のような大パネルが設置されていて、来場者が思い思いに記念撮影をしていました。
当然のことながら初めて生で本物を観たのですが、131.5✖176.5cmというサイズは想像以上に大きいものでした。普段、画集サイズでしか観ていなかった私にとって、衝撃的な大きさでした。こんなに実際の大きさに驚いたのは、恐らくモネの『かささぎ』以来だと思います。
ルノワールならではの木漏れ日の描写は実に美しく、ダンスや会話に興じている人物一人ひとりを生き生きと浮かび上がらせています。画面の向こうからポルカやカンカンの音楽が聞こえてくるかのような躍動感溢れる大作は、いつまで観ていても飽きません。
今回はその他にも『ブランコ』や『ジュリー・マネの肖像』『バラを持つガブリエル』『道化師(ココの肖像)』といった有名なものもあって
「えっ?こんなのまで持ってきちゃったの?!Σ(・ω・ノ)ノ」
と思うような作品が目白押しでした。中でも
『都会のダンス』と『田舎のダンス』の2つの等身大大作が揃って出展されていたのには驚きました。今までのルノワールの展覧会に、どちらか一方が来たことは何度かありました。しかし、2作品が揃って日本の展覧会に出展されたことは、少なくとも私の記憶にはありません。
実際に観賞すると、『都会のダンス』でモデルのシュザンヌ・ヴァラドン(後のモーリス・ユトリロの母親)が着ているシルクのドレスと、『田舎のダンス』で、後のルノワール夫人となるアリーヌ・シャリゴが着ている木綿のドレスの質感が見事に描き分けられていて、改めてルノワールの観察眼の鋭さに驚かされました。
それから
円熟期の名作『ピアノを弾く少女たち』も来日していて、来場者の注目を浴びていました。この他にも同主題の『ピアノを弾くイヴォンヌとクリスティーヌ・ルロル』や、以外と同時代人だと認識されていない『リヒャルト・ヴァーグナーの肖像』といった珍しい作品も展示されていて、音楽絡みのなかなか面白い一角が形成されていました。
そして
最晩年の傑作《浴女たち》までが来日していました。これには本当にビックリ!キュレーターさん、頑張りましたね…(;ω;`*)。
60歳を迎えた辺りからルノワールは重度のリウマチに悩まされ、いつしか絵筆を持つことさえも儘ならなくなってしまっていました。それでも想像意欲の衰えなかったルノワールは、腕が上がらない代わりにカンヴァスに滑車を付けて上下動させたり、固まってしまった指に絵の具をつけた絵筆を子供たちにねじ込んでもらいながら絵を描き続けていました。
その最晩年の集大成とも言うべきこの《浴女たち》は110✖160cmという、そんな満身創痍の画家が描いたとは思えないくらいの明るさと柔らかさと瑞々しさをもって、観る者の頬を緩ませます。後にキュビスムという全く別方向の芸術を生み出すピカソが、若い時分に貪るようにルノワールの絵に学んだというのも、こうした色彩感覚や精神性に惹かれてのことだったのでしょう。
とにかく、自分が想像していた以上に内容の濃い展覧会でした。あと3日で会期が終わってしまいますが、興味のある方は是非おいでになってみて下さい。
ところで、主だった作品をミュージアムショップの絵葉書で紹介しましたが、実はこれだけでは済まなかったのであります。実はニャンと…
「まだ間に合うからいいや~♪」
くらいに思っていました。ところが、ふと気がつけば来週月曜日で終わってしまう!ということを今更ながら認識して、慌てて駆けつけた感じになりました。
今回の《ルノワール展》は、パリのオルセー美術館やオランジュリー美術館所蔵のルノワールの初期から最晩年までの作品と、それに関連したゴッホ、マティス、ピカソといった画家の作品も展示されるかたちのものです。
今回のメインは、何と言っても初来日を遂げた大作『ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会』です。会場入口にも御覧のような大パネルが設置されていて、来場者が思い思いに記念撮影をしていました。
当然のことながら初めて生で本物を観たのですが、131.5✖176.5cmというサイズは想像以上に大きいものでした。普段、画集サイズでしか観ていなかった私にとって、衝撃的な大きさでした。こんなに実際の大きさに驚いたのは、恐らくモネの『かささぎ』以来だと思います。
ルノワールならではの木漏れ日の描写は実に美しく、ダンスや会話に興じている人物一人ひとりを生き生きと浮かび上がらせています。画面の向こうからポルカやカンカンの音楽が聞こえてくるかのような躍動感溢れる大作は、いつまで観ていても飽きません。
今回はその他にも『ブランコ』や『ジュリー・マネの肖像』『バラを持つガブリエル』『道化師(ココの肖像)』といった有名なものもあって
「えっ?こんなのまで持ってきちゃったの?!Σ(・ω・ノ)ノ」
と思うような作品が目白押しでした。中でも
『都会のダンス』と『田舎のダンス』の2つの等身大大作が揃って出展されていたのには驚きました。今までのルノワールの展覧会に、どちらか一方が来たことは何度かありました。しかし、2作品が揃って日本の展覧会に出展されたことは、少なくとも私の記憶にはありません。
実際に観賞すると、『都会のダンス』でモデルのシュザンヌ・ヴァラドン(後のモーリス・ユトリロの母親)が着ているシルクのドレスと、『田舎のダンス』で、後のルノワール夫人となるアリーヌ・シャリゴが着ている木綿のドレスの質感が見事に描き分けられていて、改めてルノワールの観察眼の鋭さに驚かされました。
それから
円熟期の名作『ピアノを弾く少女たち』も来日していて、来場者の注目を浴びていました。この他にも同主題の『ピアノを弾くイヴォンヌとクリスティーヌ・ルロル』や、以外と同時代人だと認識されていない『リヒャルト・ヴァーグナーの肖像』といった珍しい作品も展示されていて、音楽絡みのなかなか面白い一角が形成されていました。
そして
最晩年の傑作《浴女たち》までが来日していました。これには本当にビックリ!キュレーターさん、頑張りましたね…(;ω;`*)。
60歳を迎えた辺りからルノワールは重度のリウマチに悩まされ、いつしか絵筆を持つことさえも儘ならなくなってしまっていました。それでも想像意欲の衰えなかったルノワールは、腕が上がらない代わりにカンヴァスに滑車を付けて上下動させたり、固まってしまった指に絵の具をつけた絵筆を子供たちにねじ込んでもらいながら絵を描き続けていました。
その最晩年の集大成とも言うべきこの《浴女たち》は110✖160cmという、そんな満身創痍の画家が描いたとは思えないくらいの明るさと柔らかさと瑞々しさをもって、観る者の頬を緩ませます。後にキュビスムという全く別方向の芸術を生み出すピカソが、若い時分に貪るようにルノワールの絵に学んだというのも、こうした色彩感覚や精神性に惹かれてのことだったのでしょう。
とにかく、自分が想像していた以上に内容の濃い展覧会でした。あと3日で会期が終わってしまいますが、興味のある方は是非おいでになってみて下さい。
ところで、主だった作品をミュージアムショップの絵葉書で紹介しましたが、実はこれだけでは済まなかったのであります。実はニャンと…