共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

亡き母の齡数へて栗ひとつ

2016年10月18日 23時30分34秒 | 日記
個人的な話で恐縮ですが、今日は亡き母の誕生日でした。

美容師だった母は、子供の私から見てもかなりな技術の持ち主でした。具体的には、地髪で文金高島田を結い上げ、メイクから着付けまでを一人でこなして、ゼロの状態から和装の花嫁さんを出来上げる美容師でした。

高校卒業と共に家を出てすぐに都内の美容学校に進学し、自分の店を持つまで他店のアシスタント等をしながらどれだけの勉強をしてきたのか、生前ついぞ聞くことはできませんでした。ただ、近所のオバサマ方の髪を一手に引き受けてチャキチャキと仕事をする母を、家族ながら無条件で尊敬していたことは確かです。

辛党の母でしたが、数少ない甘味と言えば不二家のモンブランでした。特にモンブランの上に乗っているテカテカした栗の甘露煮が好きだったようで、誕生日というと買っていた記憶があります。ただ、厚木には残念ながら不二家が無いので、今日はコージーコーナーのモンブランで我慢してもらうことにしました。

生きていてもまだ72歳…などと彼岸の人の齡を数えてもせんないことと分かってはいながらも、毎年この日には母を思い起こさずにはいられません。マザコンと言われてしまえばそれまででしょうが、せめてこうして祝えるうちは、これからも祝ってあげようと思います。
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