共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

拙新作 《YUME》

2016年10月11日 19時40分05秒 | 音楽
先日、拙作《マカロニグラタン》の動画を載せたところ、「ところで新曲の動画は?」という問い合わせのメールを複数の方々から頂戴しました(コメント欄にではないところがいとをかし…)。ということで、今日は拙新作《YUME》の動画を載せました。《マカロニグラタン》と同じく、小田急相模原のライブハウス『T☆ROCKS』でのライブ画像です。

この《YUME》は、今年の7月にみらいあいこさんへのお誕生日プレゼント第2弾として書き下ろした作品です。前年の《マカロニグラタン》とは全く毛色の違う曲を作ろう…というところからスタートしてあれこれと試行錯誤していたのですが、彼女のオリジナル作品の中に《HANA》という作品があることがヒントになりました。

《HANA》は、平安時代に歌人として活躍し、絶世の美女としても有名になった小野小町の歌の中から、小倉百人一首に収録された

『花の色はうつりにけりないたづらに我が身世にふるながめせし間に』

という有名な歌を基にして作詞作曲された作品です。ということで、今年はそれに続く小野小町インスパイア作品第2弾を作ろうと思い立ちました。

いろいろとあって迷いましたが、小町の歌の中には夢について詠んだものが多いことに気づきました。そこで今回は、古今和歌集に収録された

『うたた寝に恋しき人を見てしより夢てふものは頼みそめてき』

『思ひつつ寝ればや人の見えつらむ夢と知りせば覚めざらましを』

という二首を基にすることに決めました。

それからメロディは割と早く出来上がったものの、いつもの悪い癖で言葉選びに物凄く時間がかかってしまい、歌詞の全文が出来上がったのは締め切りと定めた日の一週間前でした。いつもながら自分の推敲時間の長さには辟易させられます…。

曲の特徴としては、作品の四分の三くらいは何らかのメジャーセブンスコードの連続で出来ています(つまり『ラドミ』のような明確な協和音はあまりありません)。そのメジャーセブンスコードの連続で夢うつつの浮遊感のようなものを表現できたら…と思って作ってみました。

《マカロニグラタン》同様、肝心なところで弾き間違いまくっている動画ですが、まだ人前で演奏したのが3回目だったりするので御容赦下さいませm(_ _)m。こちらもこれから演奏の機会を増やしていって、徐々に完成度を上げたいと思います。

以下、歌詞全文です。



《YUME》

うたた寝の夢に現れた 恋しゆかしい貴方の姿
呼びかけて肩に指が触れる その刹那目覚めた私

Uh…一人切なく 膝を抱えるばかり
Uh…夢でもいいから もう一度会いたくて…

思いつつ眠り落ちた夢に 恋しゆかしい貴方の面影
振り向いた腕(かいな)に身を投げる その刹那目覚めた私

Uh…一人静かに 夜明けを待つばかり
Uh…夢と知っていたら 目覚めずにいたのに…

Uh…夢と知っていたら 目覚めずにいたのに…
Uh…夢でもいいから もう一度会いたくて…

夢なんて儚いものと 知りながら僅かな望みを
託して今日も瞼を閉じる 貴方に会いたくて…
貴方の胸にこの身を任せ 全てを捧げたい
夢よ覚めないで 思いを遂げるまで…




YUME 201609TR
コメント
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