共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

マイナーな大曲 ~ J.S. バッハ パッサカリア ハ短調 BWV 582

2018年09月15日 19時50分28秒 | 音楽
今日も昨日に引き続き、生憎の雨模様となりました。秋めいてきたとは言え、こう湿度が高いと閉口してしまいます。

ところで、昨日の夜に随分と連絡の無かった大学時代の同期生からメールが来ました。懐かしさも手伝って何だろうと思ったら、久しぶりに編曲の依頼でした。ただ、その素材が何と大バッハの大曲《パッサカリア ハ短調》なのです。

一瞬尻込みしました。何しろこの曲はかの《トッカータとフーガ ニ短調》ほど有名ではないにしろ、その内容の濃さと規模はそれ以上という大曲なのです。それに、この曲には既にストコフスキーが手がけた名編曲が存在していますから、わざわざ私が作らなくても…と思いました。

しかし、話を聞いてみると、どうやらあまり人数の揃っていない吹奏楽団で演奏するためのバージョンが欲しいらしいのですが、いろいろと当たったものの何処にもそんな楽譜が存在しなかったため、最終手段として私に依頼してきたようでした。

パッサカリアはシャコンヌやラ・フォリア同様、一定のバスのテーマ(執拗低音)に乗って様々な旋律を展開していく変奏曲です。この曲でも始めにペダルで低音のテーマが奏され、その上に様々な変奏を重ねながら厚みを増していく、大変重厚な造りとなっています。ともするとバスが一定のテンポの中で何回も同じことを演奏しているため、気をつけないと単調な印象を与えてしまいかねないのが難しいところで、如何に音色や強弱の使い分けをしながら展開させていくかがカギとなります。

折角のチャンスなので、久しぶりに頭を三角にしながら考えてみようと思います。そんなわけで、今宵はバッハのマイナーな大曲をお聴き下さい。

J.S. Bach - BWV 582 - Passacaglia c-moll / C minor
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