共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

平成最後の一般参賀 #皇居一般参賀

2019年01月02日 20時00分23秒 | 日記
今日もいいお天気となりました。そこで今日は、今上陛下最後となる一般参賀に参加するために、千代田の皇居に参じました。

10時前に二重橋前駅に到着したのですが、改札口に向かう階段に既に行列が!まさか、ここから行列が始まるのか?…と思っていたら、何と改札内の女性トイレに並ぶ列でした…(・・;)。

ま、さすがにそれはないよね…と思いつつ改札を出て、警察官の誘導に従って馬場先門に向かうと、既に皇居前広場に続く歩道から行列が出来ていました。ちょうど一回目のお出ましがあった頃かと思いますが、ここから長い長い待機の時間が始まったのであります。。。

二回目のお出ましが始まったかどうかという頃になって、ようやく列が動き始めました。しかし、それは入場のためではなく、手荷物検査場への誘導でした。ここで一人一人の手荷物が入念に検査され、先日の乾通り特別公開の時と同じように飲み物が入っていた場合には一口飲んでみせる必要がありました。

それだけで終わるかと思いきやさにあらず、更に金属探知機による全身チェックの関門を経て、ようやく一般参賀の列への一歩に足を踏み入れたのです。ここに至るまで、馬場先門から既に一時間半以上かかっています。

そこで更に待つことに暫し、遂に皇居正門に向けて列が動き出しました。

皇宮警察の詰所の横を通って皇居正門を抜け、二重橋に差し掛かると



普段はお堀越しにしか見られない伏見櫓が目の前に現れます。この景色は各国大使が信任式に馬車で向かう時にしか見られない風景ですので、しっかりと目に焼き付けました。

そして二重橋を渡った先の門をくぐると



天皇皇后両陛下を始めとする皇族方がお出ましになる長和殿が目の前に現れます。

京都の三十三間堂とどちらが長いのか…と思うくらいの長さと大きさを誇る長和殿の前に立つと、後は皇族方のお出ましを待つばかりとなりました。この時点でお昼ちょっと過ぎ。宮内庁発表のお出ましのスケジュールでは、次のお出ましは13時半とのことでしたので、私を含めた観衆は粛々とその時を待っていました。

すると、場内に突然宮内庁からのアナウンスが流れ始めました。

「本日の四度目のお出ましは、午後1時からとなりました。」

どうしたわけか分かりませんが、何とお出ましの時間が予定よりも30分早まったのです。このアナウンスに、居合わせた観衆からは

「おぉ〜っ!」

というどよめきが上がりました。

それからまた粛々と待つこと暫し…


やがて前の方から

「天皇陛下、萬歳!」

という大声がしてきたかと思うと、



長和殿のバルコニーに天皇皇后両陛下、皇太子同妃両殿下、秋篠宮同妃両殿下、眞子内親王、佳子内親王がお出ましになられました。

会場は割れんばかりの拍手と紙の小旗を振る音に包まれました。天皇皇后両陛下を始めとする皇族方は暫く手を振ってお応えになられていていました。

やがて、

「天皇陛下が御言葉を述べられます。」

との案内に、場内がシン…と静まり返りました。そして、

「新年おめでとう。晴れ渡った空の下、皆さんと共に新年を祝うことを、誠に喜ばしく思います。本年が少しでも多くの人々にとり、良い年である様願っています。年頭にあたり、我が国と世界の人々の安寧と幸せを祈ります。」

との御言葉が。

僅か1分程の御言葉でしたが、皆どれ程この御言葉を待ったことか。

御言葉を終えて天皇陛下が手にされた紙を畳まれると、静まり返っていた会場全体から萬歳と歓声と拍手と小旗の音が満ち満ちていきました。中には感涙に咽ぶ御婦人や平伏しっぱなしの御老体もおられました。

失礼ながら私も正直、ジーン…と来ました。何でしょう、本当に我々国民一人一人の安寧と幸せを心の底から祈って下さっている方が目の前にいらっしゃるというだけで、胸が一杯になってしまうのです。これも、千数百年連綿と続いてきた唯一無二の皇室の御聖徳とでもいうのでしょうか。

特に今上陛下は大変な時代を生き抜いていらした方です。大東亜戦争を経験され、その後の昭和天皇の御姿を御覧になりながら成長され、皇太子時代に当時美智子妃殿下と共に沖縄で火炎瓶を投げつけられても、天皇即位後に国体の開会式でハンマーを投げつけられ、一部の輩から天皇不要論などをぶち上げられても尚国民に寄り添い、思いを馳せ、慰め励まし、そして祈って下さる…一般国民が想像もつかないような生涯を、85年もの長きに渡って歩んでいらしたわけです。

今年の四月をもって、激動の平成は終了します。五月からは新たな天皇皇后両陛下の下で、新しい皇室がスタートすることとなります。その時代がどんな時代になるのか…それはまだ分かりませんが、兎にも角にも今上陛下と皇后陛下には重責から解き放たれてお健やかにお過ごし頂きたいと願って止みません。そんな思いを新たにした、大変感動的な一般参賀でした。
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