今日はたまプラーザの教室に行く前に、赤坂のサントリーホールに行きました。
今日はここで《オルガンプロムナードコンサート》という30分程のランチタイムコンサートが開催されました。Facebookにお知らせが来たのですが、何と入場無料!ということで、いそいそと出かけたわけです。
開場30分前にはアークヒルズに到着したのですが、その時点でホール前には既に100名近い人が列を成していました。やがてホールがオープンすると、続々と人々が扉の向こうに吸い込まれていきます。
オルガンを聴くには、舞台上でのオーケストラのコンサートとはまた違ったところがベストポジションになります。皆さんがこぞって前の方に進んで行くのを尻目に、私は19列目の真ん中に席を取りました。ここはパイプからの距離が丁度良く、後ろに二階席の張り出しがあってそこにぶつかった音が上から降ってくる感じになるので、ここのオルガンを聴くにはうってつけの席なのです。
今回はルツィエ・ジャコヴァという女性オルガニストによる演奏でした。30分程のコンサートなので、曲目は
ファン・バウティスタ・ホセ・カバリーニェス
第五旋法によるバッターリャ第一番《皇帝》
ヨハン・セバスティアン・バッハ
幻想曲とフーガ ハ短調
ペトル・エベン
オルガンと朗読者のための《地上の迷宮と心の楽園》より『黄金時代の偽りの約束』
ベドジフ・アントニーン・ヴィーデルマン
トッカータとフーガ へ短調
の4曲でした。
カバリーニェスは『スペインのバッハ』と呼ばれている作曲家で、音程が判別出来ないくらいの震えのような低周波音から始まって、トランペット管(オルガンのパイプ列の中央部で客席方向に飛び出しているトランペットのような形のパイプ)の音がバッターリャ=戦争の火蓋が切って落とす軍隊ラッパを描写したり、トランペット管がメロディを奏でると遠くからエコーが応えてきたりするという、なかなか面白い作品でした。
バッハの幻想曲とフーガは、バッハのオルガン作品の中でも割りと短い作品ですが、実に音楽的表現に溢れたものです。幻想曲はペダルの最低音から始まって、苦悩に満ちた第一主題を各声部で模倣しながら広がっていき、長く延びたハーモニーの中で静謐な音楽が展開されていきます。その後に現れる第二主題はオクターブ上行という飛躍的なメロディを奏でた後に、俗に『ため息の音型』と呼ばれる2度下降音型が特徴的です。フーガは半音階的な動きが印象に残ります。
ペトル・エベンはチェコの作曲家です。《地上の迷宮と心の楽園》は17世紀チェコの哲学者で神学者、そして作家でもあったヤン・アモス・コメンスキーの著作に基づくもので、オルガンと朗読者のための作品です。いわゆるスペインの黄金時代に書かれた音楽作品のオマージュのようなきらびやかな音型が特徴でした。
ベドジフ・アントニーン・ヴィーデルマンは20世紀初頭に活躍した作曲家・オルガニストで、当時のチェコの音楽や文化に多大な影響力を持った人物でした。トッカータとフーガは重低音に支えられた重厚な音楽で、ほぼフルスエルで演奏されていたのではないかと思われます。この曲は後に《愛の挨拶》で有名なエドワード・エルガーによって管弦楽用に編曲され、1922年にグロスターで初演されていますが、この分厚さはそうした編曲欲を掻き立てるものだったと容易に想像がつくものでした。
演奏後、
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居合わせた聴衆から万雷の拍手が奏者に贈られ、奏者も笑顔で応えていました。
こうしたコンサートが定期的に行われているというのは、実に有り難いことです。来月も再来月も開催されるとのことですので、折が良ければまた聴きに来てみようかと思っています。
今日はここで《オルガンプロムナードコンサート》という30分程のランチタイムコンサートが開催されました。Facebookにお知らせが来たのですが、何と入場無料!ということで、いそいそと出かけたわけです。
開場30分前にはアークヒルズに到着したのですが、その時点でホール前には既に100名近い人が列を成していました。やがてホールがオープンすると、続々と人々が扉の向こうに吸い込まれていきます。
オルガンを聴くには、舞台上でのオーケストラのコンサートとはまた違ったところがベストポジションになります。皆さんがこぞって前の方に進んで行くのを尻目に、私は19列目の真ん中に席を取りました。ここはパイプからの距離が丁度良く、後ろに二階席の張り出しがあってそこにぶつかった音が上から降ってくる感じになるので、ここのオルガンを聴くにはうってつけの席なのです。
今回はルツィエ・ジャコヴァという女性オルガニストによる演奏でした。30分程のコンサートなので、曲目は
ファン・バウティスタ・ホセ・カバリーニェス
第五旋法によるバッターリャ第一番《皇帝》
ヨハン・セバスティアン・バッハ
幻想曲とフーガ ハ短調
ペトル・エベン
オルガンと朗読者のための《地上の迷宮と心の楽園》より『黄金時代の偽りの約束』
ベドジフ・アントニーン・ヴィーデルマン
トッカータとフーガ へ短調
の4曲でした。
カバリーニェスは『スペインのバッハ』と呼ばれている作曲家で、音程が判別出来ないくらいの震えのような低周波音から始まって、トランペット管(オルガンのパイプ列の中央部で客席方向に飛び出しているトランペットのような形のパイプ)の音がバッターリャ=戦争の火蓋が切って落とす軍隊ラッパを描写したり、トランペット管がメロディを奏でると遠くからエコーが応えてきたりするという、なかなか面白い作品でした。
バッハの幻想曲とフーガは、バッハのオルガン作品の中でも割りと短い作品ですが、実に音楽的表現に溢れたものです。幻想曲はペダルの最低音から始まって、苦悩に満ちた第一主題を各声部で模倣しながら広がっていき、長く延びたハーモニーの中で静謐な音楽が展開されていきます。その後に現れる第二主題はオクターブ上行という飛躍的なメロディを奏でた後に、俗に『ため息の音型』と呼ばれる2度下降音型が特徴的です。フーガは半音階的な動きが印象に残ります。
ペトル・エベンはチェコの作曲家です。《地上の迷宮と心の楽園》は17世紀チェコの哲学者で神学者、そして作家でもあったヤン・アモス・コメンスキーの著作に基づくもので、オルガンと朗読者のための作品です。いわゆるスペインの黄金時代に書かれた音楽作品のオマージュのようなきらびやかな音型が特徴でした。
ベドジフ・アントニーン・ヴィーデルマンは20世紀初頭に活躍した作曲家・オルガニストで、当時のチェコの音楽や文化に多大な影響力を持った人物でした。トッカータとフーガは重低音に支えられた重厚な音楽で、ほぼフルスエルで演奏されていたのではないかと思われます。この曲は後に《愛の挨拶》で有名なエドワード・エルガーによって管弦楽用に編曲され、1922年にグロスターで初演されていますが、この分厚さはそうした編曲欲を掻き立てるものだったと容易に想像がつくものでした。
演奏後、
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居合わせた聴衆から万雷の拍手が奏者に贈られ、奏者も笑顔で応えていました。
こうしたコンサートが定期的に行われているというのは、実に有り難いことです。来月も再来月も開催されるとのことですので、折が良ければまた聴きに来てみようかと思っています。