今日は8月6日、広島市上空に『リトルボーイ』と名付けられたウラン型原子爆弾が投下されてから78回目の広島原爆の日です。今朝も広島市の平和記念公園では、平和記念式典が挙行されました。
式典では開式に続いて、松井市長と遺族代表がこの1年間で死亡が確認された5320人の名前を新たに記した原爆死没者名簿を原爆慰霊碑下の奉安箱に納めました。これで名簿125冊の累計記載被爆者の人数は、計33万9227人となりました。
原爆投下時刻の8:15には
平和の鐘が打ち鳴らされ、
各地で原爆による死没者への黙祷が捧げられました。広島市長や岸田総理が平和へ向けてのメッセージを発しましたが、ウクライナをはじめとした世界各地で未だに戦闘が続いていることを思うと、何とも複雑な心境になります。
アメリカは一貫して、「戦争を終わらせるためには必要だった」として広島と長崎への原爆投下を正当化し続けています。しかし、何十万もの非戦闘民を人体実験よろしく一瞬で殺戮したことは非難されるべきことです。
今年に入って、アメリカ国内で原爆に関する映画が公開されるというニュースがありました。一昔前には考えられなかったことですが、もしかしたらそれが実現するくらいに先の大戦の退役軍人の数が減ってきているのかも知れません。
原爆だけでなく、ナパーム弾や火炎放射器や枯葉剤など、アメリカがこれまで先の大戦やベトナム戦争などで『己が勝つため』だけになりふり構わず使用していた兵器は相手国に不幸な結果しか残していないことを、アメリカは直視し続けなければなりません。ましてや、その核兵器をウクライナに現在進行形でチラつかせているプーチンに至っては言語道断です。
先の大戦から78年も経ったのですから、そろそろ口先だけの平和祈念からは脱却すべき頃合いです。各国首脳には、真剣に取り組んでもらいたいと願うばかりです。
今日は広島の原爆犠牲者の御霊に、マーラーの《交響曲第5番嬰ハ短調》から第4楽章『アダージェット』を捧げます。ヴァーツラフ・ノイマン(1920〜1995)指揮、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団の演奏でお聴きいただきたいと思います。
合掌。