共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

古楽器の響きで味わうモーツァルト〜ロバート・レヴィンによるモーツァルト《ピアノ協奏曲第20番ニ短調》

2022年10月01日 17時17分17秒 | 音楽
今日も湿度が低いながらもカラッと暑い陽気となりました。そんな中、今日は




横浜市中区の神奈川県民ホールにやってきました。

今日はこちらの小ホールで、アンサンブル山手バロッコによる



オールモーツァルトプログラムの演奏会が開催されました。今回のプログラムは



●ファゴット協奏曲変ロ長調
●ピアノ協奏曲第20番ニ短調
●交響曲第41番ハ長調《ジュピター》

と、いずれ劣らぬ名曲大曲揃いです。

会場に入ると



ちょうどフォルテピアノの最終調整の真っ最中でした。今回は



以前イギリス館での室内楽コンサートでも使用されたワルターモデルのフォルテピアノが、ピアノ協奏曲のソロにも交響曲の通奏低音にも使用されました。

ファゴット協奏曲も《ジュピター》も素敵だったのですが、個人的には《ピアノ協奏曲第20番》が一番印象的に残りました。

モーツァルトが残した短調のピアノ協奏曲は、この曲と第24番ハ短調の2曲だけです。そしてこの第20番は、第24番と比べても格段に格好いい曲なのです。

この曲はモーツァルトの生前からかなり人気を博した作品で、ベートーヴェンもこの曲に刺激を受けて《ピアノ協奏曲第3番ハ短調》を作曲していますし、この曲の第1楽章と第3楽章のカデンツァも書き残しています。今回はピアニストが自身で考案したカデンツァが奏されましたが、派手さは無いながらも簡潔なものとなっていました。

古楽器オーケストラでのモーツァルト演奏で有意義なのは、作曲家が意図していたであろう響きで作品を聴くことができることです。キーだらけの現代のファゴットや鋼鉄の響板の入った現代のグランドピアノで演奏するのとはまた違った、ソロ楽器とオーケストラとの音色の融和感は独特です。

終演後には



ソリストとオーケストラに惜しみない拍手が贈られました。今回も、かなり貴重な機会となりました。

帰路につきながらモーツァルトの《ピアノ協奏曲第20番》のフォルテピアノ演奏の動画を探してみたのですが、なかなかいいものが見つかりませんでした。そんな中でも、ひとついいものが見つかったので転載してみました。

そんなわけで、今日は《ピアノ協奏曲第20番ニ短調》の古楽器演奏をお聴きいただきたいと思います。フォルテピアノ演奏の第一人者であるロバート・レヴィンのフォルテピアノと、フィルハーモニア・バロック・オーケストラによる演奏でお楽しみください。



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