昨日のことですが、ショッキングなニュースが日本中、いや世界中を駆け巡りました。漫画家の鳥山明氏が3月1日に急性硬膜下血腫のため亡くなっていたことが報じられました(享年68歳)。
急性硬膜下血腫は頭部へ外から強い衝撃が加わることによって脳と脳を包む硬膜とのすき間に血が溜まって脳を圧迫する疾患で、重篤な場合には脳が腫れ、死に至ることもあります。ボクシングなどの激しいスポーツで発症するケースが代表的ですが、高齢者が転倒して発症することもあるそうです。
鳥山明氏は愛知県出身で、1978年に「週刊少年ジャンプ」の読切作品『ワンダー・アイランド』で漫画家としてデビューしました。その後、1980年に連載を始めた『Dr.スランプ』がアニメ化され、少女型アンドロイド、アラレちゃんの「んちゃ」や「バイちゃ」などのセリフが流行語になるなど、大きな人気を集めました。
1984年に連載を始めた『ドラゴンボール』は、主人公の孫悟空が「かめはめ波」などの必殺技を駆使してさまざまな敵と戦い成長していく物語を描き、累計発行部数は2億6000万部を超える大ヒット作となりました。連載開始の2年後にはテレビアニメ化され、これまでに世界80以上の国と地域で放送されただけでなく、ゲーム化やハリウッドで実写版映画が制作されるなど、世界的に多くのファンを獲得しました。
魅力的なキャラクターが登場する世界的な人気作品を次々に生み出した漫画家の鳥山明氏ですが、私が個人的に思い入れが深いのが
『ドラゴンクエスト』シリーズのキャラクターデザインです。
鳥山明氏は、『ドラゴンクエスト』のシリーズ1作目からキャラクターやモンスターのデザインを担当しました。『ドラゴンクエスト』シリーズを提供するゲーム会社「スクウェア・エニックス」によると、シリーズの累計出荷本数は2023年3月末の時点でダウンロード販売を含めて世界で8800万本にのぼり、鳥山明氏が描く魅力的なキャラクターは今なお世界中のゲームプレーヤーから愛され続けています。
鳥山明氏の訃報に接し、今日は鳥山氏がキャラクターデザインを手がけた『ドラゴンクエスト』から、個人的に思い入れ深い『ドラゴンクエストⅢ』のエンディングテーマ『そして伝説へ』を送ります。作曲者のすぎやまこういち氏も2021年に逝去されていますが、これでますます寂しくなります。
ここに謹んで、鳥山明氏の御冥福を御祈念申し上げます。
合掌。