花ごよみ

映画、本、写真など・

境界線 中山七里

2022-03-16 | 本 な、は行(作家)


映画化された
『護られなかった者たちへ』の、
「宮城県警シリーズ」の2弾目。

東北宮城が舞台。
笘篠刑事の妻は津波で流され、
行方不明。
それなのに女性の遺留品の免許証は
笘篠刑事の妻の名義になっていた。

その免許証は妻の名義の偽造品。

行方不明者の名義で生きていた男も
本人ではない身元を証明するものを持った人物。

行方不明者のリストの流出、
住民票の偽造を図ったのは誰なのか。

行方不明の妻の名前を
使用されていた苫篠。
重い心を抱えながら捜査につく。

家族を震災によってなくした男。
かつてはまっすぐ生きていたのに。
震災、その日が境界線となって
心もどこかになくしてしまった。
深い心の傷。

いつもの中山七里のどんでん返しもなく
やりきれない重い物語でした。



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復讐の協奏曲  中山七里

2021-09-18 | 本 な、は行(作家)

復讐の協奏曲 御子柴礼司

御子柴シリーズ第5弾

御子柴の弁護士としての懲戒請求。
御子柴は懲戒請求に対し損害賠償の反撃。
そのうえ事務所で働く日下部洋子が
逮捕されるという事件が起こる。
今回の依頼人は洋子。

御子柴は洋子の弁護を請け負う。
そこで洋子の過去を調査していくと
思いがけなく洋子の過去を知ることになり、
普段はゆるがない感情の持ち主の
御子柴が動揺。

洋子が御子柴事務所で働く目的、
洋子の真意は?

物語としてはどんでん返しもなく
あっさりとしていて
なにか少し足りなさを感じました。

WOWOWの「連続ドラマW」『贖罪の奏鳴曲』では
御子柴礼司役は三上博史
フジテレビ系列で放送された
『悪魔の弁護人 御子柴礼司』では
御子柴役は要潤、
洋子役はベッキー。

本を読みながら要潤とベッキーが
ちらつきました。
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マーダーズ   長浦京

2021-08-31 | 本 な、は行(作家)

マーダーズ

商社マンであるサイコな探偵、
助手は女刑事。

犯罪者たちが捜査し
事件解決に導くという
ありえないストーリー。

なんとなくリアルさもあり
不思議な作品になっています。

主要人物の三人。
その三人がそれぞれ語るような構成。

登場人物が多く
途中で分からなくなりながらも
後半はスピーディーな展開もあって
まあまあ楽しめました。
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帝都地下迷宮  中山七里

2021-06-20 | 本 な、は行(作家)

帝都地下迷宮

廃駅オタクで生活保護を担当する
区役所職員小日向。

地下の廃駅って興味を引かれます。

小日向は廃地下鉄駅に忍び込んだ折、
少女と遭遇。

地下鉄廃駅跡に住む人たち。
訳あって日光を避けなければならない人たち。

殺人事件が勃発。
殺されたのは地下住民に
紛れ込んだ公安の女刑事。

小日向は地下の住人たちの事情に巻き込まれ
彼らの味方になり行動を共にすることに。

地下に住むに至った理由。
隠蔽された放射能事故。
権力への抗い。

小日向は職場に復帰できるのかな。
地下の人たちのこれからは?

設定は面白く読みやすく楽しめましたが
ラストは少し物足りない感じ。

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ドクター・デスの遺産  中山 七里

2021-02-11 | 本 な、は行(作家)

ドクター・デスの遺産 刑事犬養隼人 (角川文庫)

安楽死がテーマの物語。

生きる権利と、死ぬ権利、
はっきりとした答えがでないテーマ。

苦しみを伴う死、安らかな死。
どちらかを選ぶとしたら
やっぱり安らかな死。
それを自分で選択できる法律は
日本では存在しない。

これから先、回復の見込みは
絶対望めない状態で
無理やり生かされている のは
一体誰のためなのか。

安楽死、尊厳死、
残された家族の選択は
つらいものがあります。

見抜けなかったミスリード。
やっぱり中山七里、
だまされました。
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ロマンシエ   原田マハ

2021-01-24 | 本 な、は行(作家)

ロマンシエ (小学館文庫)

パリが舞台。

乙女な美大生美千之介が主人公。
美千之介周囲の人たちも魅力ある人物。
リトグラフに出会う美千之介。
この本からリトグラフについての知識も
得ることができました。

人の優しさにいっぱい包まれて、
読後はほんのりとした
穏やかな気持ちになることができました。

読み始めはこの物語についていけるのか、
一瞬戸惑いもありましたが、
予想に反して結構楽しめました。
こんな小説もたまにはいいです。
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〈あの絵〉のまえで  原田マハ

2020-12-27 | 本 な、は行(作家)

〈あの絵〉のまえで

6編からなる短編集。

地方の美術館を訪れ、
そこで自分を見つめなおし、
明日への希望につながっていく物語。

〈あの絵〉とは
ひろしま美術館のゴッホ、ドービニーの庭、
大原美術館のピカソ、鳥籠、
ポーラ美術館のセザンヌ、砂糖壺、
豊田市美術館のクリムト、オイゲニアプリマフェージ、
信濃美術館の東山魁夷、白馬の森、
直島地中海美術館のモネ、睡蓮。

各篇の女性たちが〈あの絵〉と
出会うことによって
癒され、勇気づけられます。

絵には心の痛みの快復、
そんなパワーが
秘められているという、
作家のメッセージを
受け取ることができました。

読みやすい小説。
一日で読めました。
共感できる主人公達。
優しさに包まれた素敵な物語でした。
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アンダードッグス  長浦 京

2020-12-23 | 本 な、は行(作家)

アンダードッグス (角川書店単行本)

返還前の香港が舞台。

登場人物が外人ばかりで
名前を覚えられなくて、
最初に書かれている
登場人物の紹介ページを
何度も見直しました。

各国の諜報員が登場、錯綜する情報。
誰が見方で誰が敵なのか?
目まぐるしく変化する展開。
派手なアクションシーンの連続。

途中遂行の目的など
分からなくなってしまうところもありましたが
スピード感、緊迫感があって
十分楽しめました。

これだけ込み入った人間関係、情報を
破綻することなく書き上げたのは
さすがリボルバー・リリーの作家。 

分厚い本でしたが
図書館の返却日が迫っていたので
あわてて読み始めました。

直木賞候補になったので
延長はできないと思い,
一気に読み終えました。
それがよかったです。
だらだら読んでいたらこの本のよさが
薄れてしまっていたかも。


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クスノキの番人  東野 圭吾

2020-09-12 | 本 な、は行(作家)

クスノキの番人

クスノキの番人という
仕事を任された玲斗。

人生の意義を見いだせず
いままで生きてきた。

人と関わることを通して
人間的な成長をしていきます。

彼が徐々に知りえたクスノキの秘密。

不思議な霊力のあるクスノキをめぐっての
祈りと家族の愛。

玲斗がみるみるうちに、
たくましくなっていくのがうれしいです。

千舟さんとの出会えてよかった。

希望の持てるラスト。
やさしさの詰まった物語でした。
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夜がどれほど暗くても  中山七里

2020-09-06 | 本 な、は行(作家)

夜がどれほど暗くても

主人公は他人のスキャンダルを
追いかけることを生業とする、
週刊誌の副編集長志賀。

息子の事件をきっかけに、
追いかけられるほうへと
立場が逆転。

いわれもない誹謗中傷に晒される奈々美。
息子の事件の被害者遺族である
奈々美を守るのに奔走する志賀。

加害者家族と被害者家族、
見えないネットの暴力。
度を越した取材。

社会、人間の闇の部分に
気が重くなります。

最後はうまくいって一応一安心。
事件の真相、真犯人の動機は
すこし物足りない感じ。

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