子供の病死、
そして妻の自殺。
絶望の果ての36歳の医師。
その他諸々が
重なって、絶望感の果てに、
主人公日高はホームレスに…。
舞台はある郊外の街。
その地でたまたま連続殺人事件に遭遇。
ある事情によって
刑事に頼まれ「探偵」となった日高。
過去に自分が命を救った15歳の少年。
もしかしたらこの少年が犯人?
日高の疑念は徐々にふくらんでいく。
日高と過去に日高が命を救った少年。
この二人の魂の救済は
あり得るのか?
50万部突破!!
人の肉体を殺したら、罰せられるのに、
人の心を殺しても罰せられないのですか?
新聞に載った宣伝と、
帯にかかれたこの文に興味を持って読みました。
ミステリーの形をとっています。
読みやすい文章。
でも何かが心に引っかかり、
しっくりきません。
償いというタイトル、
主人公の償い?
ホームレスを続けることがなぜに償い?
どうしてホームレスという選択が
なされるのか?
償いの道は他にもあるはず。
過去を清算して、
無医村で医者として生活するとか・・
感動ものとしてより探偵もの。
ホームレス探偵登場!!といった
イメージが浮かんできます。
登場人物の心の闇が
こちらに伝わりきれないもどかしさ。
不可解な人間の心に
悩ませられました。
この小説の中にある、
日高と少年の深い心の傷。
絶望の中で生きるということ、
なんとか理解したくて
読んでいたので、
結構ストーリーには
入り込むことはできました。
でももやもやは残ります。