花ごよみ

映画、本、写真など・

カラスの親指  道尾 秀介

2012-02-29 | 本 ま、や行(作家)


カラスの親指 by rule of CROW’s thumb (講談社文庫)

訳ありの中年男の詐欺師、二人。

生きることに疲れ果て、
詐欺を職業として、
日々を送る武沢とテツ。

ある日、少女が彼らの生活に入り込む。
そして少女の姉も…
なんだかこれも訳ありな姉妹二人。
それから姉の彼も…。
彼は一応マジシャン。

その男達3人と女達2人、
5人の共同生活。

悲しい過去を持つ同居人達。

悲惨で暗い過去が、
同居者達それぞれにまとわりつき、
出口を探し、もがいている。

でも突き詰めた悲壮感はなく、
温かく愉快さを感じる人達。

それぞれの今までの生活にかたを付け、
新しい人生を歩みたいと願うが…

彼らはある計画を企て、
これからの新たな人生に望みを掛ける。

それにしても怖いヤミ金。

取立て屋を相手にした詐欺の計画は
うまく遂行されるのか。

ハラハラする展開。

そしてそれぞれの過去が、
徐々に明きらかになっていきます。

二転三転、驚きの結末。
お見事です。
だまされました。

爽やか読後感。
爽やかなだまされ方でした。

阿部寛主演で映画化
ということを知りました。
楽しみです。



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茶屋町 MBS「毎日放送」本社付近

2012-02-27 | 写真(花、旅行など)

梅田ロフトB1にある
テアトル梅田で上映されている、
セイジ-陸の魚を見た後、
すぐ近くにあるMBSビルの写真を撮りました。


MBS毎日放送本社ビル
ビルの中にビルが映っています。


左が毎日放送のマスコットキャラクター、
らいよんチャン。
第4チャンネルってことで。

右が毎日放送でオンエアされている番組
『ちちんぷいぷい』に登場するキャラクター、
ぷいぷいさん。



(大阪市北区茶屋町)




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セイジ -陸の魚-

2012-02-25 | 映画

原作は辻内智貴の小説。

監督は伊勢谷友介。

主演は西島秀俊。
国道沿いのドライブインの
雇われ店主セイジを演じます。

大学最後の夏休みを利用して、
自転車で一人旅へ、
その途中に起きた自転車事故がきっかけで、
セイジのいるドライブインに、
住み込みで働くようになった
大学生には森山未來。



ドライブインの主人には裕木奈江。

新井浩文 津川雅彦等、
存在感のある俳優達が脇を固めています。

西島秀俊演じるセイジは、
闇を抱え込んでいるような、
静かな佇まいの中に
人を見る優しいまなざしも、
併せ持っていて魅力的でした。

森山未來の自然な演技、
傷ついた過去を持つ裕木奈江は
切なさを感じさせます。



ドラマは重く深く、
心に残る自然の映像美、
癒しの音楽とともに進行していきます。

この映画の放つ不思議で特殊な
空気感に引きつけられました。

ラストのセイジの行動は衝撃的で、
余計に心に残る映画になりました。
セイジの出した答えはセイジならでは。

でもやっぱり同調できる範囲を
超えていてつらさが残りました。
もう一度見たら、
また本をよんでいたら印象が変わるかも
しれないです。

年末に映画化を知り、
本を読みたくて
注文しましたが、
楽天、セブンネットも、
在庫なし、あるいは
長期間待たされ、
もういいやと諦めてしまった
経緯があります。






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プリズム  百田 尚樹

2012-02-24 | 本 な、は行(作家)


プリズム

図書館から借りてきた2冊の本、
プラチナデーターとプリズム)
どちらも解離性同一性障害がテーマ。

偶然にも同じ題材を扱った物語を、
2冊続けて読むことになってしまいました。

聡子という名の既婚女性が主人公。

彼女は岩本家に家庭教師として通うことになる。
ある日、その屋敷の庭で、ある青年に出会う。

出会うごとに変化する、
その青年の人格にとまどう聡子。

彼の過去と明かされた秘密を知りながらも
次第にその青年に惹かれていく。

でもその青年は実在しない人物だった。
私の前にいるあなたは一体誰?

聡子が会ってしまった青年は
「解離性同一性障害」という名の
病気を持っていた。

聡子は「解離性同一性障害」の、
多重人格の中の一つの
交代人格を持つ青年、
卓也に惹かれていきます。

幼い頃のひどい虐待が原因で、
解離性同一性障害になってしまった広志、
そこから分離した人格を持つ卓也。

存在しない人物である卓也に恋した聡子。
幻に恋してしまったような…

広志という人物からプリズムを通過して
一人、一人違う性格を持つ人格が
彼自身を乗っ取り
くるくる変化していくのです。

村田卓也、岩本広志、宮本純也、
タケシ、精一…
聡子は今、誰が現れているのか
分かるようになります。

この複数の姓と名前って、
広志が勝手に名付けたのかな?
ちょっと不思議に思いました。

広志に対して早く治癒して欲しいと、
思いながら読んでいました。
それなのに…
卓也と離れたくないという理由で、
広志の人格統合を拒否し
卓也との刹那的な愛に生きようとする
身勝手で自意識過剰気味の
聡子の行動には共感できませんでした。





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花の絵

2012-02-24 | 水彩画



↑クリックで拡大できます


気温も少し高くなってきました。
雨の滴の水温もちょっぴり
上がったような気が…

季節の移り変わりを
感じさせてくれます。

マーガレット、アルストロメリア(百合水仙)
フリージア、バランを描きました。






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はやぶさ 遥かなる帰還

2012-02-20 | 映画

地球から3億キロ離れた、
小惑星「イトカワ」の地表に着陸し
岩石サンプルを地球に持ち帰るという
小惑星探査機「はやぶさ」に、
課せられたミッション。

約7年の期間、総距離60億キロに及ぶ
プロジェクトを終えて
2010年6月13日、
「はやぶさ」の宇宙からの帰還。

それを題材として
このプロジェクトのために
結束した人々を描く。



主人公は渡辺謙、
JAXAの「はやぶさ」プロジェクトマネージャー、
山口教授を演じます、

江口洋介、吉岡秀隆、夏川結衣、山崎努、
それに小澤征悦、中村ゆり、藤竜也、等が共演

監督は瀧本智行

渡辺謙もっと人間味あふれる、
役柄かなと思いましたが
結構デジタル的な人物に描かれていて
感動しそうでしないという、
心が宙ぶらりん状態。

機械のトラブル、
絶体絶命の確率にも冷静だし…

でも、これは実在の人物ということで、
あまり心情のよりどころとなる、
プライベートな部分に、
入り込むことはまずいので仕方がないのかな。

でも自分自身としてはもう少し
高揚感を期待していました。

イオンエンジンに関して
藤中先生(江口洋介)と森内(吉岡秀隆)との
熱い攻防は盛り上がりましたが…

それでもやっぱり、
ラストの使命を成し終えて、
はやぶさの命が消滅したシーンは、
グッときました。

NASAの10分の1の予算。
ロケット発射管制室の建物もいすもボロボロ、

化学エンジンの不良、姿勢制御不能、
行方不明などアクシデント続きの中
困難を克服して世界の偉業をなし得た、
とにかく日本の技術はすごい!!
7年間で60億キロの宇宙航海ってのもすごい!!



結果が分かっているのに
ヒヤヒヤしながら映画を見ていました。








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シンビジュームの絵

2012-02-19 | 水彩画


 
↑クリックで拡大できます


今日も寒い日でした。

もう今年は咲かないと思っていた
小さなシクラメンの、
小さな花が咲き始めました。

我が家のベランダの片隅で、
春を告げる梅の蕾がふくらんで
もうあと一息で開花しそうです。

春はもう近くまで来ているのでしょうね。

春の色を感じるシンビジュームです。



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プラチナデータ 東野 圭吾

2012-02-19 | 本 な、は行(作家)


プラチナデーター

DNA捜査が行われることになった近未来、
犯罪に巻き込まれることになった
警視庁特殊捜査機関の科学者、
その科学者を追う刑事。

面白かったです。
追跡する側、逃げる側、
けっこう緊張感があって
先が気になって読むのを
止められません。

図書館で借りてきて
その日のうちに読んでしまいました。

テーマはDNA鑑定と二重人格。
DNA鑑定により管理され、
犯人の検挙率が上がるようになった社会。

しかし、ある事件については
「NOT FOUND」との
検索結果が…

主人公は逃げ延びて
事件はぜひ解決して欲しいと
願いながら読み進めていました。

でも登場人物にしてもなんか、
深く掘り下げたというのでもなく、
どこか物足りない気持ちが残りました。

さっと軽く読めたって感じです。

でも、2回書きますが
面白かったのは確かです。

神楽とリュウ、
二人の人格、いつか
融合できるのかな?

逃げる人、二宮和也、
追う人、 豊川 悦司で
映画化されるそうです。



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偉大なる、しゅららぼん 万城目 学

2012-02-17 | 本 ま、や行(作家)


偉大なる、しゅららぼん

石走城に住む日出家と対立関係にある、
棗家との一族同士の争い。

両家とも先祖代々、
超能力を持った、
同じ「湖の民」である。

そこに違った勢力である速瀬家が入り込み
互いにその勢力を排除しようとする。

他人の心に入り込み
「相手の精神を操る力」によって
築かれた日出家と、
他人の心に入り込み
「相手の肉体を操る力」を
授かった棗家の将来は?

奈良、京都、大阪と続き、
万城目氏今回の作品は滋賀県、
琵琶湖の東岸に位置する石走が舞台。

因みに石走は米原駅と
長浜駅の間にある架空のまち。

主人公は日出涼介、
涼介は修行のため、
本家で暮らすことになる。

同じ高校に通う本家の息子は淡十郎。
日出涼介、日出淡十郎、
そして棗家の棗広海が同じクラスに。
はじめは淡十郎の恋敵である棗広海を
追い出すためだったのが…

赤い詰襟の学生服を着て、
高校まで船で通う涼介、淡十郎。
二人の住んでいるところはお城。
…な~んてあり得ないでしょう!!。

琵琶湖がメインとなって物語は進みます。

本のページ中頃、ある事件が起き、
そこから怒濤の展開になっていきます。

広々としていてなんか謎めいた
琵琶湖も目に浮かんできます。
知っている風景なので
うれしい!!
のんびりとした風景の中での息詰まる戦い。

ラストもいい感じで
本を読んでいる間、
楽しい時を過ごせました。

映像的にも派手な構成、
奇想天外なストーリーに、
まんまとうまくのせられて
本を読み切ってしまいました。




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キツツキと雨

2012-02-16 | 映画

ある村で木こりとして、
暮らす男には役所広司、
気の弱い映画監督には小栗旬。

この二人の出会いから物語は始まります。

監督は沖田修一。

共演は高良健吾、嶋田久作、
平田満、伊武雅刀、山崎努…

ある山村に、映画の撮影隊が訪れる。

映画の撮影の手助けをすることになった、
木こりの克彦(役所広司)と、
気弱で、いつもおどどとした態度の、
監督・幸一(小栗旬)。
二人の心の交流を通して
幸一(小栗旬)の心に自信が取り戻されます。
二人はお互いにそれぞれ影響を受けあい、
心に変化が…



予備知識なく映画館に行ったので、
克彦(役所広司)と同じく、
自信がなく気が弱くて、
頼りない青年である、
幸一(小栗旬)が監督だと、
はじめは気づきませんでした。

幸一(小栗旬)が克彦(役所広司)に渡した、
台本に書かれた自分という文字を見るまで
撮影隊の中で、幸一(小栗旬)が、
どんな仕事をしているのか
分からなかったです。
だからこの人、
なになよなよしてるんだろうと
見ていてイライラ。

逃げ出すなんて!!
電車のシーン、おかしかったです。

ゾンビ映画の撮影に、
エキストラとして加わることになった
克彦(役所広司)は最初、嫌々だったのに、
だんだん映画に入り込んでいく様子も面白い。
ゾンビになる村人達も楽しそう。

村の人達の協力もあって
撮影隊にも活気が出てきます。

ゾンビのメイク面白かったです。
あのゾンビ映画の完成作見たい気も。

幸一(小栗旬)が悩みから解放され
自分を取り戻すことができ、
ほんとよかったです。



クスッと笑えるシーンもあちこちに
ちりばめられていて
ゆるい空気感に満たされています。
ほのぼのとしていて、
心和む映画でした。









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