禁断の魔術 ガリレオ8
「透視す」(みとうす)「曲球る」(まがる)
「念波る」(おくる)の短編3編と、
「猛射つ」(うつ)の中編1編の、
計4編で構成。
「透視す」(みとうす)
透視とは超能力?
それとも手品?
継母と娘の関係。
「曲球る」(まがる)
戦力外通告を受けたプロ野球の投手
彼の妻の愛の深さが心に響く。
「念波る」(おくる)
双子の姉妹。
双子のテレパシーについて
調べた結果は…
「猛射つ」(うつ)
フリーライターが命を奪われた理由。
姉の復讐に突き進む弟。
彼の企てた計画とは?
4編の中でも特に印象に残ったのは、
最後のこの「猛射つ」
この編だけは他の短編とは違い
ページ数も多く、
中編になっています。
姉の生命を奪った者に対し
弟である古芝伸吾の復讐。
古芝伸吾の行動に、
心を痛める湯川。
湯川は自分が教えた、
科学技術の誤用に胸を痛めていた。
古芝伸吾を救うために、
湯川がとった心打つ行為。
科学技術によって
人間の生命を脅かすことは許せない。
伸吾の亡き父の言葉を、
伸吾に告げる湯川の姿に
ジンときました。
草薙との関係も、
そこに絡んでくる薫も含めて、
いい感じに描かれていました。
湯川の、科学者として、
人間としての責任からの行動が、
心に残りました。