はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

楽しみが2倍

2012-02-07 15:44:15 | はがき随筆


 季節の花を一輪ざしに生けるのが好きである。香るものなら更にうれしい。冬は水仙。いい香りに浸ることで、ささやかな幸せを感じる。
 庭先に出て、どこからともなく漂ういい匂いに、私の嗅覚は全開する。どうしてもその香りの元をただしたくなる。わが家で探求できなければ、お隣にまで足を伸ばす。沈丁花やジンジャーだったり、時には金木犀、柑橘類の花の時もある。折々の香りに、私の心は幸せに満たされる。
 香る花は、まず蕾で姿を愛で、開花したら香りも、と楽しみが2倍になる。
  霧島市 口町円子 2012/2/6 毎日新聞鹿児島版掲載