はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

誰も来ない庭で…

2012-02-12 16:47:16 | アカショウビンのつぶやき
 今朝も冷え込み小鳥の水飲みはガチガチに凍っていた。
全く来る気配のない小鳥たちだが、水は毎日かえ、
時々ミカンも枝に刺してみるが…だあれも来ない。

でも一昨日「キリキリコロコロ」とメジロの声が聞こえた。
一瞬、空耳か? とわが耳を疑いつつ、外に出て見たが…。

この梅の木には毎年、メジロやシジュウカラ、
エナガの群れも来てくれたのに…今や「沈黙の春」。



紅梅の蕾が膨らんできた。
この梅は去年から元気がない。今年はもうダメかと思ったが、
よく見るとチラホラと可愛い蕾がついている。
子どもたちの小学校の卒業記念樹だから
もう30歳を越した。よくぞ頑張ったね! 
と曲がりくねって成長した幹をなでてみる。







いつの間にか、ボケのつぼみも大きく膨らんだ。
クリスマスローズも花芽を大きく伸ばしている。
去年の朝顔のつるは、冷たい風に揺られながら、
黒い種をしっかり抱えている。



去年友人に頂いたリコリス。
「寒さに弱いから防寒対策をしっかり!」と言われつつ、
ほったらかしにして心配だったが立派に芽を出し、
狭いプランターの中でも生き生きと成長している。

もうすぐ春だよ。
小鳥たちよ帰って来ておくれ♪



確率

2012-02-12 16:40:51 | はがき随筆
 ゴロ寝正月もいかがなものかと、2日に妻と平川方面の神社に初詣した。神社の縁起を読むと、ここは分社で本山は山道を2時間ほど登ったところ。
 参拝し二人でみくじを引いた。私は大吉。妻は中吉で待ち人などの運勢書もそれほどでなかったため、境内の木枝に結んで神社を後にした。
 神仏混合の寺が近くにあるので、そこにも参ることに。今度こそと妻はまたみくじを買った。
 「なにこれ」。すっとんきょうな声が響いた。前の神社と運勢書も全く同じ中吉だ。この確率はどのくらい希なのだろうか。
  鹿児島市 高橋誠 2012/2/12 毎日新聞鹿児島版掲載

久しぶり

2012-02-12 16:32:18 | はがき随筆
 鹿屋、川内に住む学生時代の友人2人に会うのは楽しみ。今回は1年ぶりに鹿児島市で会った。食事処に座り帽子を脱いだ友に、もう1人が話しかけた。
 「短い髪も似合うじゃない」。見慣れたボリュームのあるソバージュがショートに。病気で入院手術、4年目の一昨年再発し治療の後遺症で髪が抜けたのだ。会うまでに彼女にはたくさんの葛藤、逡巡があったろう。「月一の検査は逃げ出したい時もある。再々発が分かったら、その時考えることにした」「挑戦を続けてね、私たちのためにも」「3人で集まることに意義があるから」
  いちき串木野市 奥吉志代子 2012/2/11 毎日新聞鹿児島版掲載