
2012年2月21日 (火)
岩国市 会員 河村仁美
娘の縁談話でお相手の家族と顔合わせをすることになった。会場の料亭に行く前に、我が家にも立ち寄り、ご挨拶されるというのだ。さあ大変。
築20年。大きく手を入れたことはない。とはいえ、今からリフォームする時間はない。お通しする6畳間の畳やふすまも気になるが、せめて障子だけは張り替えてお迎えすることにした。
障子は夫の担当と決まっていたが、ほかの歓迎準備で手が回らないという。「どうしよう」と思案に暮れていてひらめいたのが、アイロンを使った簡単な障子張り。ブログ仲間が紹介していたのを思い出したのだ。
近くのホームセンターでアイロン障子紙を買い初挑戦。恐る恐るアイロンを近づけると桟や縁に面白いぐらいうまく、くっついた。「やればできるじゃない」と自画自賛。
桜の模様をあしらった障子紙を選んだので桜が満開になったみたいで、部屋の中は一足早く春の装いに。ウキウキついでにおひなさまも飾った。
当日は振袖に身を包んだ娘と親子3人で出迎えた。我が家に春の予感。春よ来い。早く来い。
(2012,02,21 朝日新聞 「ひととき」欄掲載)岩國エッセイサロンより転載