はがき随筆・鹿児島

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「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

早春の干拓地

2012-02-15 16:51:53 | はがき随筆


 大寒の陽気(?)に誘われ干拓地を歩いた。冬草は伸びていたし、レンゲの花もちらほら咲いていた。きれいに耕運された田にはいく条もの青い列をなした麦が芽を出して美しかった。
 鶴の群れが遠くにも近くにも見えた。30㍍ほど先に親子鶴もいた。親は首をもたげて私との距離を測っているようだ。子はせっせと餌をついばんでいた。やがて親の合図でか首を斜め前に伸ばし、2歩3歩助走し飛び立った。一声「クルーッ」と鳴き大きな羽で早春の空に美しい姿で飛んだ。私はしばらくその行方を見ていた。春まだ浅い陽を浴びてうっとりと見ていた。
  出水市 畠中大喜 2012/2/15 毎日新聞鹿児島版掲載