私は、先天的に心臓に障害を持ち生まれた。30代に入ると危険性が伴うということで、27歳の時に手術を受けた。死を覚悟の上で手術に望んだその日は、昭和50年2月14日のバレンタインデーだった。
8時間以上かかった大手術が終わり、麻酔から目覚めると、看護師さんがやって来て「手術成功してよかったですね。今日はバレンタインデーです。チョコレートをどうぞ」とプレゼントしてくれた。生きたという喜び、看護師さんからの心温まるプレゼント。あの日、あの時のバレンタインデーの思い出は脳裏を離れることはない。
鹿児島市 川端清一郎 2013/2/25 毎日新聞鹿児島版掲載