はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

春を待つ

2013-02-27 22:57:26 | はがき随筆


 立春も過ぎたが寒さはまだ続く。紅梅がほころび、白梅も咲き、山陰を白く染める。早春の散歩も楽しみだ。日足が伸びたのは早起きの身にとって、うれしい。茶の間から見える白梅に毎日、メジロがつがいで来る。ミカンを輪切りにして枝に刺すと、仲むつまじくついばんでいる。その可愛い姿に見とれる。小鳥のいる風景も、またいいものである。やがて桜や桃の花も咲く。この人間の知恵ではつくれない自然の美しさ。自然を大事にし、この美しさの中で残り少ない人生を、寒の戻りに絶えて、春の来るのを待ちわびながら生きていきたい。
  出水市 橋口礼子 2013/2/27 毎日新聞鹿児島版掲載

志布志

2013-02-27 21:12:53 | はがき随筆


 朗報を聞くまで一抹の不安はあった。その霧が晴れると、疑う余地など全くなかったように思えてしまうから不思議。長い歴史の中で甲子園出場を果たせなかった大隅半島。その高校球児が夢をかなえてくれた。市民として誇りに思うし、悔いを残さない試合で甲子園を楽しんできてほしい。この温暖な地で泥だらけになって白球を追い続けた成果を遺憾なく発揮して志布志を全国に発信してくれたらと思う。いやすでに世界新記録で全国区になっている。後は納得させる球児たちの活躍を待ちたい。朗報の日、期せずして我が家の河津桜が開花した。
  志布志市 若宮庸成 2013/2/26 毎日新聞鹿児島版掲載

朝市当番楽しみ18年

2013-02-27 19:35:11 | 岩国エッセイサロンより
2013年2月27日 (水)

   岩国市   会 員   森重 和枝

早朝、霜で白く光る道を、ライトをつけて走る。今日は、ふれあい朝市の当番だ。
 寒さの厳しい日は、並ベた大根がしみるほど冷える所だが、18年もやっている。     
 毎週土日の7時半〜11時に開く。台風や、大雪の日でも、やっていて、朝取り新鮮野菜の百円市なので、リピーターも多く、開店前にはいっばいになる。
 当番は「あと5分待ってください」「籠には入れないでください」などと声掛けし、早い者勝ちにならないように、お客さんに待ってもらうのが大変なくらいだ。
 スタートから20分間は、おしゃべりする暇もない。冬野菜は大根、白菜など重たい物が多く、結構肉体労働だ。
 一段落したら、「一体みしようかね」と、手作りのぜんざいが出る。いつも持ってきてくれる人がいるので、私は朝食抜きで行く。持ち寄りのおやつを食べながら、野菜作りのこつや、新しい料理を習ったりする。月1回の当番におまけがいっばいあって、楽しんでいる。 

 (2013,02,27 中国新聞「広場」掲載)岩国エッセイサロンより転載

「冬のストレス」

2013-02-27 19:33:56 | 岩国エッセイサロンより
2013年2月26日 (火)

  岩国市  会 員   山本 一

 「あっ! また間違えた」。いらいらが頂点に違する。パソコンが思うように打てない。右手親指と人さし指の保護テープが邪魔をするのだ。寒さも本番になる師走から3月ごろまで、毎年のことである。原因は四季を問わず、毎週1回は必ず行く海釣り。釣り用の手袋は指先がない。釣った魚の処理を素手で行う。主にこの2点で手指が傷つき、あかぎれになる。
1本指でだった操作が、懸命に練習して何とか10本指でになった。また1本指に戻るのは嫌だ。さりとて10本指ではたちまち誤入力。楽しいはずのパソコンでストレスがたまる。

(2013.02.26 毎日新聞「はがき随筆」掲載)岩国エッセイサロンより転載