私の故郷、薩摩川内市の甑島の下甑町の小学校では、毎年命教育の一環としてウミガメのふ化実践を行っている。校内に海浜の砂を採取してきてふ化場を作り、卵を埋めてふ化を待つ。
ふ化した子亀は、海浜に子供や先生、父兄も参加して、一斉に波打ち際に放すと、手足をバタバタさらながら一路海原へ。感動的な瞬間である。
「元気でね」「帰って来てね」。この子亀のうち、数匹しか生き残れないことを知っていて涙する子もいる。
放流するまでの過程で、子供たちは子亀たちによって命の大切さを教えられるのである。
鹿児島市 川端清一郎 2013/5/9 毎日新聞鹿児島版掲載