はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

「ほのぼのと」

2013-05-30 22:05:30 | 岩国エッセイサロンより
2013年5月30日 (木)

     岩国市  会 員   横山 恵子

嫁から「母の日にKが幼稚園で描いた似顔をくれました。うれしいものですね」という喜びのメール。「宝物が増えたね」と返信した。
 めい夫婦の2歳になる一人息子は、母の日にパパと一緒に買い物をした。気に入ったのは、ミニバラに似た、まだつぼみの花。ママに渡す時、パパが「お花、まだ寝てるのかな?」と言うと、息子は両手を口にあて「みんなー起きてー」と声を張り上げたという。
 遠く去った子育てを懐かしく思い出したわ。成長を見守れたことは幸せなこと、と今ごろになって思うのよ。
   (2013.05.30 毎日新聞「はがき随筆」掲載)岩国エッセイサロンより転載

けが防止怠らず剪定

2013-05-30 22:02:41 | 岩国エッセイサロンより
2013年5月29日 (水)

   岩国市  会 員   片山清勝

 今月中旬の広場欄。入院中のリハビリヘの感謝の気持ちが掲載されていた。投稿者は元上司だった。問い合わせると、庭木の剪定中にけがをされたそうだ。
 私は毎年、梅雨入りまでに庭木の枝切りを済ませる。四十数年続け、年数は長いが、満足する枝ぶりはあまり経験していない。
 還暦を過ぎてからは、仕上がりよりもけがをしないことに意を注いでいる。今年は元上司のこともあり、例年以上に気を使った。
 特に、脚立の転倒防止には気を使い、脚立を移動するたびにしっかり固定を確認する。また、不安定な姿勢にならないよう気を配り、枝切りをした。
 しかし、アクシデントは起きるものだ。突然、大きなハチが顔の前に現れた。とっさに、かぶっていた麦わら帽子を手にして追い払つていた。
 2㍍ほどの脚立の上のこと、転倒しなかったことにほっとした。あのハチが、安全への心構えの大切さを再認識させてくれた、剪定ばさみを持ち直しながらそう思った。 

   (2013.05.29 中国新聞「広場」掲載)岩国エッセイサロンより転載

銀婚式

2013-05-30 22:00:14 | はがき随筆
2013年5月28日 (火)
 
  岩国市  会 員   樽本 久美

 私たち夫婦は今春、銀婚式を迎えました。それを祝って「おめでとうございます」と書かれた絵手紙が届きました。 

 差出人は岩国市内に住む41歳の女性で、私が中学生の塾の講師をしていた頃の教え子です。当時、中学校の国語教師だった夫も彼女を教えていたという縁もあって毎年、年賀状を交換する付き合いを続けています。

 彼女は高校受験で苦労していましたが、今では立派な主婦になり、手紙の文面でも成長が感じられます。絵手紙には銀婚式にちなんだ銀のスプーンが上手に描かれ、感心しました。

 そんな彼女に刺激を受け、私もしばらく休んでいた書道の活動を再開しました。全国規模の書道展入選を目標に新たな意欲を燃やしています。
  (2013.05.28 読売新聞「気流」掲載)岩国エッセイサロンより転載

ヒメシャラ

2013-05-30 16:09:56 | はがき随筆

 毎日眺めようと植えたヤマザクラの赤紫色の木肌──いつ見ても心に染みる。近くに置いたシラカバのマルタは広島からもらってきたものだ。我が家のシラカバが枯れた時だから、もう何年になるだろう。こっちでも育たんかなあ。また植えてみたい。
 初めて行った屋久島の森はコケのもりだった。ひときわ輝く黄色の木肌のヒメシャラを見つけた。てっぺんまでコケが生えず、正に全裸といってよかった。
 出会う度に先を争って抱きついて、みんなで笑ったんだった。その肌はヒンヤリとしてここちよかった。そう、我が家のヒメシャラ、もう開花するぞ。
  出水市 中島征士 2013/5/30 毎日新聞鹿児島版掲載

ひとりごと

2013-05-30 15:49:33 | はがき随筆
 毎日眺めようと植えたヤマザクラの赤紫色の木肌──いつ見ても心に染みる。近くに置いたシラカバの丸太は広島からもらってきたものだ。我が家のシラカバが枯れた時だから、もう何年になるだろう。こっちでも育たんかなあ。また植えてみたい。
 初めて行った屋久島の森はコケの森だった。ひときわ輝く黄色の木肌のヒメシャラを見つけた。てっぺんまでコケが生えず、まさに全裸といってよかった。
 出会う度に先を争って抱きついて、みんなで笑ったんだった。その肌はヒンヤリとして心地よかった。そう、我が家のヒメシャラ、もう開花するぞ。
 出水市 中島征士 2013/5/30 毎日新聞鹿児島版掲載