珍問答

　男孫１年生のある日。「ばあちゃんは結婚したことがあるのか？」と言われ絶句。じいちゃんなる人がいないので、彼なりに考えたのだろう。
　また昨日は「ばあちゃんのお母さんは美人か？」とのたもうので、美人かどうか、１枚しかない私の母の写真を見てもらうことに。
　白黒写真なのでと納得させて取り出す。72年前の家族写真は、げたを履いていたり、和服だったりで、不思議な光景だったのでは。肝心な美人だったかどうかは聞くのを忘れてしまったが。時々やってくる彼との珍問答は私にとっての香辛料かも。
　　霧島市　口町円子　2013/6/5　毎日新聞鹿児島版掲載

孫自慢

　「じいじのお嫁さんになるの」と言ってくれていた孫娘が「じいじには、ばあばがいるから」と。風呂も「１人でゆっくり入って」と分かったようなことを言うようになっていた。
　「光陰矢の如し」。先人の言葉と思っていたが、我が頭には白髪が多くなっている。
　孫娘の気を引こうと思案の末、絵本と肩車が好きと判明。早速、絵本読みで一緒に床に入り、肩車の約束で眠りにつく。傍らのおませな孫娘に人様の痛みの分かる子に育てと、寝顔に未来への夢を映す。「子よりも孫可愛い」世のじいじたち、この気持ち、私一人じゃないはず。
　　出水市　宮路量温　2013/6/4　毎日新聞鹿児島版掲載