隣町の強豪校へ、初めて足を踏み入れた。高校1年生。県高校柔道新人戦の団体メンバーとして……。団体戦は登場順に先鋒・次鋒・中堅・副将・大将と呼ばれ、私は先鋒を命じられた。全員黒帯だが、私以外はみんな中学からの柔道経験者。猛者ぞろいである。
トラホームを患っていた私は眼帯を付けて出場。相手は……。小さい! 184㌢の私は一瞬「もらった」と思った。「はじめ!」「オリャア!」。相手の奥襟に手がかかったその刹那、体がフワッと……。「一本!」
穴があったら入りたかった。一本背負い。後は記憶にない。
霧島市 久野茂樹 2013/12/8 毎日新聞鹿児島版掲載
トラホームを患っていた私は眼帯を付けて出場。相手は……。小さい! 184㌢の私は一瞬「もらった」と思った。「はじめ!」「オリャア!」。相手の奥襟に手がかかったその刹那、体がフワッと……。「一本!」
穴があったら入りたかった。一本背負い。後は記憶にない。
霧島市 久野茂樹 2013/12/8 毎日新聞鹿児島版掲載